2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ことし上半期の映画&本を振り返る

何と、もう7月になってしまう。 2006年も、もう後半に入ってしまうのだ。 歳を重ねていく毎に、時間の経過が早くなっていくきょうこの頃… とはいえ、帰ってこない時代を懐かしんでいても始まらないので、 せめてこの半年、何を観て、何を読んだか、を振…

光原百合「銀の犬」

「十八の夏 (双葉文庫)」の光原百合最新作。 文庫化された「時計を忘れて森へいこう (創元推理文庫)」を買いに行くと、 平積みされているこの本を発見、迷わずレジへ向かう。 〝この世に想いを残す魂を解き放つ、 伝説の祓いの楽人<バルド>−オシアン〟 〝…

ジュリー・ケナー「ママは悪魔ハンター」

〝痛快! コージーハードボイルドファンタジイ〟 「ストリート・キッズ (創元推理文庫)」と同じ、朝倉めぐみの装画に誘われ、読んでみる。 あらすじはオビにみっちりと書いてある。 〝ケイト・コナー。三十八歳。 二児の母。専業主婦。夫を地方公選弁護人に…

米沢穂信「さよなら妖精 (創元推理文庫)」

〝「哲学的意味がありますか?」 彼女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。〟 〝忘れ難い、出会いと祈りの物語。 「犬はどこだ」の著者の代表作!〟 ということで、文庫化された米沢穂信の〝出世作〟を手に取る。 時は1991年4月。藤柴市…

道頓堀東映パラスで「ウルトラヴァイオレット」

時は近未来、アメリカ政府が謝って開発したウイルスは、 瞬く間に感染し、世界の在り方を変えてしまった。 ウイルス感染した人間は、頭脳、体力ともに超人的に進化、 一方で、その余命は12年という宿命を背負う。 <ファージ>と呼ばれる、その超人類は、 …

終わってしまった…

大使閣下の料理人 (25) (モーニングKC (1525))作者: 西村ミツル,かわすみひろし出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/06/23メディア: コミック クリック: 9回この商品を含むブログ (19件) を見る「大使閣下の料理人」の最新25巻。 23日の発売日を忘れて…

米沢穂信「夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)」

「春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)」に続くシリーズ第2弾。 〝緊張の夏、小市民の夏。波乱と驚愕の夏休み!〟 〝小市民を目指す小鳩君の、苦悩と甘いものと推理の日々〟 平穏無事な毎日を送るべく、小市民を目指す小鳩君の夏。 それは恋愛関係にも…

米沢穂信「春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)」

「さよなら妖精 (創元推理文庫)」文庫化に合わせ、米沢穂信強化週間。 〝そしていつか摑むんだ、あの小市民の星を。〟 〝小市民を目指す小鳩君と小佐内さんのコミカル探偵物語〟 小市民の星、というのが何とも笑ってしまうのだが、 高校生ならではの、何とな…

敷島シネポップで「M:i:III」先々行レイト

お馴染みのシリーズ第3弾。 トム珍の完全な自己愛炸裂映画に終わった2作目から6年、 今作では、TVシリーズ「エイリアス」の新鋭J・J・エイブラムズが、デ・パルマ、ジョン・ウーの向こうを張ってメガホンを取った。 そして、目玉の悪役には「カポーテ…

[映画]「M:I」3作目に向け、準備万端

「M:i:III」公開を前に、前作までのおさらい。 「トム珍のオレ様大作戦1&2」じゃなかった、 「ミッション:インポッシブル」「M:I−2」をDVDで連チャンする。 ケイティー・ホームズとの結婚と前後し、やたらと奇行ばかりが目立った、 トム・…

小路幸也「東京バンドワゴン (1)」

〝古本、高値で買い取ります、事件、万事解決します。〟 〝明治から続く下町古書店<東京バンドワゴン>。 ちょっとおかしな四世代ワケあり大家族のラブ&ピース小説〟 いままで読んだことのない作家だが、 各方面で評判もいいようなので、とりあえず初挑戦…

ことしはいまいち? 三室戸寺の紫陽花

いよいよ紫陽花の季節が到来、というわけで、 宇治のあじさい寺、三室戸寺に約1年ぶりに行ってくる。 昨年は6月14日→http://d.hatena.ne.jp/mike-cat/20050614 1週間遅れだが、ことしは育成状況がどうも…、との噂。 勝手に〝ちょうど見ごろ〟を信じつつ…

近藤史恵「天使はモップを持って (文春文庫)」

「賢者はベンチで思索する」にも通じる、日常ミステリー連作。 今回の舞台は、会社のオフィス。 〝ひそかな悪意が招いたオフィスの8つの事件〟 〝オフィスも人間関係もキリコちゃんにかかれば、すっきりクリーン〟 そう、名探偵はオフィスの〝掃除のオバち…

伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)」

映画化された「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」の第2弾。 人間嘘発見器の成瀬、演説の達人響野、 人間タイムウオッチの雪子、天才スリの久遠。 4人の陽気なギャングたちの日常と、新しい事件を、 周到に用意されたプロットと、軽妙な会話で綴る…

佐々木譲「うたう警官」

〝追うも警官、逃れるも警官。〟 〝北海道警察を舞台に描く、警察小説の金字塔!〟 「制服捜査」に連なる、佐々木譲の警察小説。 組織を揺るがす不祥事で、混乱に陥った北海道警を舞台に、 警察官同士の壮絶な内紛が繰り広げられる、長編だ。 北海道警は、前…

〝脂肪肝〟宣告にショック…

本日朝から人間ドックに向かう。 会社の健康診断は、明らかに手抜きっぽい医者ばかりなのでパス。 別に親身になってやって欲しいわけでもないが、 健診の本来の目的であるスクリーニング(ふるいかけ)の機能すらなさそうな、 いいかげんな健診の挙げ句、何…

楽月慎「陽だまりのブラジリアン」

〝40歳で取締役本部長になった俺は、 突然、ランジェリーに目覚めた−〟 朝日新人文学賞受賞作、である。 小川洋子による選評が、オビに載っている。 「細部の描写を積み重ね、一つの場面を構築してゆく力がある。 必ずこれからも書き続けていける人だと思…

カーステン・ストラウド「コブラヴィル 上 (文春文庫)」「コブラヴィル 下 (文春文庫)」

夜10時、大阪に戻る新幹線。 日本−クロアチアをよそに読みふける。 いや、ちょっと気にはしてたけど… 〝イスラム・ゲリラ、そして国連平和維持軍も敵だ!〟 〝フィリピンのジャングルに潜入したCIAチームは 本国での陰謀にあやつられていた…〟 ペンシル…

恵比寿ガーデンシネマで「ステイ」

大阪公開が待ちきれず、恵比寿に足を運ぶ。 ガーデンプレイスのパティオはいま、 ラベンダーにバーベナ、ひまわりなど夏の花で、 なかなか爽やかな彩りになっている。お勧め♪ さて、映画だ。 監督は「チョコレート」「ネバーランド」のマーク・フォースター…

渋谷円山町・ 渋谷Q-AXシネマで「プラハ!」

せっかく久しぶりの帰京なもので、 渋谷で映画でも、と足を運んでみる。 知らない間に新しい劇場ができたり、 既存の劇場がリニューアルされていたり、 と、相変わらずの東京の移り変わりの速さに驚く。 ということで、ラブホの看板がきらめく横をすりぬけ、…

フランクリン・フォア「サッカーが世界を解明する」

書店店頭ではちょくちょく見かけていた1冊。 サッカー至上主義にあふれた勘違い本か、 よくあるワールドカップ便乗本と思っていたのだが、 先週の新聞書評で、まったくレベルの違う本であると知る。 〝90分では終わらない、壮大かつディープな物語。〟 〝…

デイヴィッド・ベニオフ「99999(ナインズ) (新潮文庫)」

「25時 (新潮文庫)」のベニオフによる最新短編集。 スパイク・リーの監督で映画化された「25時」に加え、 「トロイ」「ステイ」でも脚本を手がける、いま旬の作家・脚本家だ。 オビにはジョージ・P・ペレノーケスによる賛辞がある。 〝格別で、朗々と、美…

梅田ナビオTOHOプレックスで「嫌われ松子の一生」

〝松子。人生を100%生きた女。〟 「映画秘宝」で絶賛の、 ことしの邦画ナンバー1候補。 ちょっと遅くなったが、ようやく観に行く。 荒川の河川敷で見つかった、 中年女性の変死体。 川尻松子、53歳。 昭和22年、福岡県大野島に生まれ、 愛と幸せを夢見…

梅田OS劇場で「インサイド・マン」

〝A SPIKE LEE JOINT〟の最新作。 とはいっても、あくまで娯楽作品のクライム・サスペンス。 「ドウ・ザ・ライト・シング」「マルコムX」などの社会派作品と、 一線を画した「25時」同様、作家性より職人性で勝負の作品だ。 ただ、かつてのような迸るよう…

伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)」

吉川英治文学新人賞受賞作にして、 2004年の「このミス」国内編2位の〝あの作品〟。 刊行された頃は伊坂幸太郎に興味がなかったし、 その後は何度となく読もうとしていながら、 その度に「もうタイミング外しちゃったしな…」と、 何となく読みそびれて…

乙一「ZOO 1 (集英社文庫)」「ZOO 2 (集英社文庫)」

映画化もされた「ZOO」を分冊し、 単行本未収録の「むかし夕日の公園で」を加えた文庫判、である。 ハードカバーは、以前から気になっていた。 ひときわ目立っていたのは、文庫でも使われたこのオビ。 〝何なんだ、これは。 北上次郎〟。 それに加えられた、…

ゆっくり楽しむ、平日の海遊館

昨夏以来、約1年ぶりの海遊館に出かける。 http://www.kaiyukan.com/index.html 前回はいろいろ事情があって、お盆のさなかに、 見渡す限りの人の頭の間から、魚たちをのぞいたが、 今回は平日昼間を狙って、涼みがてら、というところだ。 地下鉄中央線「天…

伊井直人「青猫家族輾転録」

読売の書評で川上弘美が絶賛していた。 〝たくさん喋りたいことがあるのです。〟 〝だいぶん興奮しましたね。 興奮させる、小説だったのですよ。〟 さまざまな痛みと、それとともに生きる人々を、 非常に深い奥行きで描き出す、傑作らしい。 伊井直人には、…

乙一「銃とチョコレート (ミステリーランド)」

「GOTH―リストカット事件」「ZOO」の乙一最新作。 かつてこどもだったあなたと 少年少女のためのミステリーランド、第10回配本だ。 いままでこのシリーズ、手に取ったことがなかったんだが、 読み始めてびっくり、振り仮名&平仮名だらけ… そして苦手な大…

真保裕一「栄光なき凱旋 上」「栄光なき凱旋 下」

真保裕一、渾身の最新作。 〝憎き日本人を殺す手伝いをさせてください〟 〝パールハーバーは襲撃され、 リトル・トーキョーは震え上がった。 アメリカで生まれた日系二世たちは、 自らのために戦う決意をした。〟 〝友よ、死ぬな 神よ、我を救いたまえ〟 〝…