2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

エリック・ラーソン「悪魔と博覧会」

舞台は19世紀末、万博を控えたシカゴ。 工場の煙と汽車の喧噪のさなかに二人の男が住んでいた。 ひとりは建築家、ひとりはシリアルキラー(連続大量殺人犯)。 二人とも、激しい勢いで二十世紀になだれこもうとしていた アメリカならではのダイナミズムを…

川上弘美「夜の公園」

「古道具 中野商店」以来となる、最新小説。 「わたしいま、しあわせなのかな」 〝寄り添っているのに届かないのはなぜ 恋愛の現実に深く分け入る川上弘美の新たな世界〟 4人の男女の視点で絡み合う恋愛を描く、連作小説だ。 夫の幸夫との関係に違和感を覚…

梅田ガーデンシネマで「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」

「MIB」シリーズ、「逃亡者」「JFK」の名優、 トミー・リー・ジョーンズ主演にして監督デビュー作。 カンヌ映画祭では主演男優賞に脚本賞を獲得した。 その脚本は「アモーレス・ペロス」「21グラム」のギジェルモ・アリアガ、 と聞いてしまったら、…

西原理恵子「毎日かあさん3 背脂編」

西原理恵子、待望の最新作♪ である。 「鳥頭紀行」「できるかな」系のきわどさと、 「ぼくんち」「ゆんぼくん」系の叙情詩的なペーソス、 それに子どもたちの成長を見守る温かい視線が交わる。 きわどくもあったかい、という、サイバラ印全開の作品だ。 カニ…

道頓堀東映パラスで「Vフォー・ヴェンデッタ」

「マトリックス」のクリエイター最新作! 製作・ジョエル・シルヴァー、 製作&脚本・ウォシャウスキー兄弟による近未来SFだ。 監督には「マトリックス」シリーズで助監督を務めた、 ジェームズ・マクティーグが初のメガホンを握る。 「バウンド」「マトリ…

アリス・マンロー「イラクサ (新潮クレスト・ブックス)」

ひさびさの新潮クレスト・ブックス。 半年近く放置プレイの「最後の注文 (新潮クレスト・ブックス)」を差し置き、 読み始めた理由は、もちろんこの豪華なオビの惹句。 〝ニューヨークタイムズ「今年の10冊」選出作〟 〝タイム「世界で最も影響力のある10…

二階堂正宏「ムーさん」

以前から気になっていた、 「プ~ねこ (アフタヌーンKC)」「プ~ねこ(2) (アフタヌーンKC)」とともに購入。 こちらはこちらでにやけながら「かわいい♪」と、 ニタニタにやけながら(変態?)読んだのだが、 それはともかく「ムーさん」なのである。 〝エロかユ…

黒川博行「カウント・プラン (文春文庫)」

〝あなたの隣のアブナイ人たち。 彼らの執着が妄想に変わる時、事件は起こる。〟 計算症の青年や、ゴミ漁り、異常な色彩センスなど ヘンな性癖と事件を絡めたミステリー短編集。 黒川博行といえば、「疫病神 (新潮文庫)」「国境 (講談社文庫)」のシリーズや…

ジョエル・ベイカン「ザ・コーポレーション」

ちょいと前に観たばかりの映画「ザ・コーポレーション」原作本。 http://d.hatena.ne.jp/mike-cat/20060414 搾取だけにとどまらず、環境破壊にメディア操作、健康阻害… 悪の限りを尽くし、わたしたちの社会を支配する、 「企業」の手口を暴き出し、分析を加…

春の桜めぐり第3弾! って、

考えてみたら桜は春に決まってるんだが、それはともかく第3弾は大本命の奈良は吉野山に行く。 世界遺産だ、世界一だ、とかねてより評判だけは聞いていた、いつか行かねば、の必須スポット。 奥千本がまだ咲き始めくらいとのことだが、心を浮き立たせ、やや…

奥田英朗「町長選挙」

「イン・ザ・プール (文春文庫)」、直木賞受賞「空中ブランコ」に続く、 トンデモ精神科医・ドクター伊良部シリーズの第3弾。 ひとことでいえば「伊良部vsセレブ」&「伊良部、離島へ行く」。 ちょっと番外編的な構成でお届けする(された?)最新作だ。 …

シネリーブル梅田で「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

デービッド・クローネンバーグ、3年ぶりの最新作。 前作「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」は、 パトリック・マグラアの原作「スパイダー (ハヤカワepi文庫)」からしてヘンな話で、 トリッキーさが、クローネンバーグらしさを相殺してしまい、 クロー…

仁和寺&竜安寺、桜の旅

春の桜めぐり第2弾で、京都、仁和寺と竜安寺を訪れる。 開花情報などを検討した結果、いまならここがベストかな、と。 仁和寺といえば、徒然草の一節「仁和寺にある法師〜」で有名だが、 その〝〜〟の部分はまったく知らないまま、これまで過ごしてきた。 …

MOVIX京都で「プロデューサーズ」

ゴールデン・グローブ賞4部門ノミネート。 1968年製作のメル・ブルックス監督・脚本によるアカデミー受賞作を、 ブロードウェイミュージカル化したトニー賞受賞作(史上最多12部門)を、 さらにオリジナルキャストで映画化したという、もうとんでもな…

平安寿子「恋はさじ加減」

またまた出ました、平安寿子最新作。 このところ、ほんっとに刊行ペースが速くって、ややもすれば、 粗製濫造とまではいかないけど、微妙に物足りなさも感じていた。 だから、この本も買ったはいいが、手はなかなか出せず… かなり遠回りをして、ようやく読み…

九条はシネ・ヌーヴォで「ザ・コーポレーション」。

わたしたちの社会は「企業」に支配されている−。 国境を越え、思想をまたぎ、現代世界を動かすグローバル企業。 法のもとに人格化された〝法人〟である、 企業の生い立ち、そしてその異常な〝人格〟が引き起こす弊害を、 独特のユニークな切り口で暴き出し、…

クリスピー・クリーム、日本上陸!!

とても喜ばしいニュースを発見! あのクリスピー・クリーム・ドーナツが、日本上陸することになった。 http://www.krispykreme.com/ 前回アメリカに行った時には、思わず通いつめてしまい、 車の運転による運動不足と、ベン&ジェリーズのアイスクリーム、 …

車谷長吉「赤目四十八瀧心中未遂」

平安寿子、豊島ミホの新作を差し置き、 無性に読みたくなってしまったので、貪るように再読する。 というか、もう読むのは4、5度目のはずだが、 何度読んでもグイグイと引き込まれる、不思議な作品だ。 車谷長吉の作品は最後の私小説、と称される。 この作…

平野啓一郎「顔のない裸体たち」

〝顔をモザイクで隠されていれば、私は裸になれるのか? ここには、あなたのことが書かれているのかも知れない。〟 いまいちピンとこないコピーなんだが、そういうことらしい。 出会い系、ハメ撮り、屋外露出、ネット投稿… そしてある事件を通して描いた、男…

イモジェン・エドワード・ジョーンズ&匿名「誰も知らない五つ星ホテルの24時間―匿名ホテルマンの爆笑告白記」

英BBCでTVドラマ化(それも大人気!)されたという、 ベテランホテルマンによる匿名の裏側暴露、である。 文春文庫で出てたジェフリー・ロビンソンの 「扉の向こうに隠された世界 ザ・ホテル (文春文庫)」というのもあったが、 あちらはあくまで、ノン…

ダン・ブラウン「パズル・パレス (上)」「パズル・パレス (下)」

〝『ダ・ヴィンチ・コード』の原点がここにある。 知的スリルと興奮に溢れ、すでに完成されていたデビュー作!〟 というわけで、あのダン・ブラウンの本邦未訳だった処女作だ。 ロバード・ゴダードあたりが顕著だったが、 日本でヒット作が出ると、過去の未…

万博記念公園でお花見第1弾。

第1弾といっても、京都はここ数年けっこう行っているし、 ことしはあと、吉野公園を着々と狙っているくらいなのだが、 何はともあれ、ことしの桜始め。 ああ、裏の神社で咲いているやつは別、ね。 あれもきれいだけど、何せマンションの窓から見えるわけだ…

エリザベス・コストヴァ「ヒストリアン・I」「ヒストリアン・II」

1972年、アムステルダムのインターナショナルスクールに通う 〝私〟はある夜、父の書斎で1冊の本と奇妙な手紙を見つける。 古びた革の背表紙のその本の真ん中には、 ドラクリア(DRAKULYA)〟と書かれた旗をつかむ竜の木版画の挿絵。 そして手…

今シーズンの鍋おさめ、千日前はハリハリ鍋「徳家」へ。

http://www.tokuya.jp/next.html 伊丹空港に向かう高速の途中で、看板が見えるアレである。 ホントは島之内の「西玉水」に行きたかったのだが、 いろいろ事情などあり、大衆店のこちらに決定、となった。 道頓堀から二筋ほど入る、法善寺横丁の反対側。 ちょ…

キタは梅田、なにわ餃子スタジアムをのぞく。

http://www.teamnamja.com/ftp/naniwa-gyoza/ 大の餃子好きなのに、まだ行ったことがなかったのだ。 というか、ナムコ系の食のテーマパークということで、 まあそこまで期待していなかった、というのも大きいのだが… まあ、なんばパークスの「なにわ麺だらけ…

伊坂幸太郎「終末のフール」

〝世界が終わりを告げる前の人間群像。その瞬間をあなたは誰と迎えますか。〟 〝世界が終わる前の、叫びとため息。8つの物語〟 表題作「終末のフール」を始め、「籠城のビール」「冬眠のガール」… 一編一編が「××の×ール」でタイトルで統一された、連作シリ…

三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」

待ってました! の三浦しをん最新作。 〝東京のはずれに位置する〝まほろ市〟。 この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。 きょうの依頼人は何を、持ち込んでくるのか。〟 引っ越しに草むしり、お見舞い代行、 留守宅のペットの世話にバスの間引き運転チ…