[映画]「M:I」3作目に向け、準備万端

ミッション:インポッシブル [DVD] M:I-2(ミッション:インポッシブル2) [DVD]
「M:i:III」公開を前に、前作までのおさらい。
「トム珍のオレ様大作戦1&2」じゃなかった、
ミッション:インポッシブル」「M:I−2」をDVDで連チャンする。
ケイティー・ホームズとの結婚と前後し、やたらと奇行ばかりが目立った、
トム・クルーズのまだ(一応)文句なしのスターだった時代が懐かしい。
いまじゃ、トム珍はにしきのあきらと同じ〝スタア〟という感じだもの…


そういえば、この映画観るのも久しぶりかもしれない。
往年の「スパイ大作戦」のイメージをそこそこ踏襲していた1作目と比べ、
完全に「トムクル君の大活躍・こんどはカンフーに挑戦だ!」編の2作目は、
ジョン・ウーのいかにもな演出も含め、思わず笑ってしまう珍品映画でもあった。
そんな記憶もそこそこに、ディスクをセットすると、懐かしのテーマソングが…
おう、これだよこれこれ…、とそれでも胸は熱くなってみたりもする。


まずはブライアン・デ・パルマ監督の第1作。
まさに10年ひと昔。パラマウントのオープニング画像からしてやや古くさい感じだ。
それでも、一度物語が展開し出すと、それもあまり気にならなくなる。
プラハを舞台にした、序盤の展開に続き、
IMF本部での、シャレの効いた潜入シーンや、
デ・パルマお得意の長回し(TGVの場面は、やっぱり不思議…)などなど、
こだわりの画像と、テレビシリーズへのオマージュがつまった佳作だと思う。
まあ、あの〝趣味の人〟デ・パルマにしてみれば、
やりたいことの半分もやってないのだろうけど…


キャストもあらためて感心するぐらい、やっぱり豪華だ。
いまやアンジェリーナ・ジョリーのお父ちゃん、ジョン・ヴォイトに、
カネさえもらえば(!?)、出演作をまったく選ばないジャン・レノ
美しき諍い女」で、日本中を「ヘア論争」に陥れたエマニュエル・ベアール
えっ、もうあんたお終い!? のエミリオ・エステヴェスクリスティン・スコット・トーマス
いま考えてみても、贅沢に、それもなかなか意表を突く形でキャストを使っている。


クライマックスのアクションは、相も変わらず「おいおい!」と、笑ってしまうのだが、
そんなありえね〜っ(懐かしい響き…)アクションの数々も、
2作目を考えれば「トムだから、そんなの当たり前!」みたいな、まだまだ可愛いものである。
まあ、やっぱりそれなりに〝面白かった映画〟であることは間違いない。


やはり問題は「M:I−2」だろう。
スローモーション多用に加え、芝居がかった見栄切り場面、
そして白い鳩&二丁拳銃と、形はジョン・ウー映画そのものに仕上がっているのに、
あまりのトムクルの自己愛炸裂がすごすぎて、
〝見せ場はトムのかっちょいいトコ!〟哲学が徹底しすぎて、
ただのトムクルのプロモ・ビデオに終わってしまった、という怪作である。


いま観ても本当にすごい。
映画に関わるすべてが「なぜなら、それはトムだから」で説明できる、
トムクルの、トムクルによる、トムクルのためのストーリーが、2時間以上展開する。
劇場で観た時は、それでもスクリーンの迫力でごまかしが効くが、
テレビの画面で観てしまうと、ただただもう、お笑いの域にまで達してしまう。
というか、落ち着いて考えると、第一これ、スパイ映画ですらないような…


もう、終盤の鳩が飛ぶあたりから、笑いっぱなしになってしまった。
一応、愛する女性を救うための戦いだったはずが、
いつの間にやら、自分のかっこいいトコ見せるためだけの戦いになってる。
思わず「おい、時間ないんじゃないのか?」と突っ込みたくなること数回。
劇場で観たときも思わず手を叩きそうになった、例のクライマックスまで、
腹をよじりながら、そのまま快調に飛ばしまくったまま、物語が終わった。


こうして考えると、よくぞこのシリーズ、第3作にたどり着いたというか…
だが、「フェリシティの青春」「エイリアス」を手がけたJ・J・エイブラムズ
(「ホットショット」のジム・エイブラハムズとは別人。念のため)による最新作は、
どうも、シリーズ最高傑作との呼び声も高いらしい。
おなじみのレビューサイト、ロッテン・トマトによれば、
批評家筋でも70%、一般だと86%と、大作ではまずまずの高評価。
http://www.rottentomatoes.com/m/mission_impossible_3/
批評家の評価で見ると、1作目で66%、2作目で58%だから、まずまずの数字だろう。
モーフィアスも出るし、フィリップ・シーモア・ホフマンも出るし、ということで、
もしかしたら、本当に(ヘンな意味じゃなく)面白いかも、という期待をしていいのかも。
あしたは先々行ロードショー。
はたして、どんなものか、ちょっとずつ楽しみになってきた。