2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

三崎亜記「失われた町」

「となり町戦争」「バスジャック」の三崎亜記、1年ぶりの最新作。 〝この思いを伝えたい。たとえ明日すべてが失われても。〟 〝30年に一度起こる町の「消滅」。 忽然と「失われる」住民たち。 喪失を抱えて「日常」を生きる 残された人々の悲しみ、そして…

赤目四十八瀧紅葉めぐり。

ようやく紅葉シーズン到来、と思っていたら、 前週末の雨風で、紅葉的にはだいぶ被害も出ている様子。 Webの情報ではまだ〝見ごろ〟表示も多いが、 早くも色あせや落葉など、刻々と変化はあるようだ。 というわけで、雨もおさまったこの日、 向かったのは…

テアトル梅田で「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」

〝今世紀最大の 企業スキャンダルを暴く 衝撃のドキュメンタリー!!〟 2001年、当時史上最大の負債総額を抱え、破綻した、 エンロンのスキャンダルを取り上げたドキュメンタリー。 社員たちの証言で明らかになる、その驚くべき実態とは? 「赤い航路」の…

テアトル梅田で「キング 罪の王」

〝懺悔しよう、愛のために。〟 「アモーレス・ペロス」「天国の口、終わりの楽園。」 のガエル・ガルシア・ベルナル主演のスキャンダラスな問題作。 「チョコレート」のミロ・アディカが手がけた脚本は、 「オイディプス王」「カインとアベル」の要素を盛り…

戸梶圭太「誘拐の誤差」

トカジ最新作は〝本格警察小説〟を宣言した、誘拐もの。 〝こんな警察小説が今まであっただろうか!? 不可解な動機にスリリングな展開 驚愕のラストにあなたは絶句する〟 本の外見だけに騙され、本当に本格警察小説、 と思って買ってしまったが最後、愕然とす…

TOHOシネマズなんばで「トゥモロー・ワールド」

〝唯一の希望を失えば、人類に明日はない〟 「天国の口、終わりの楽園」「大いなる遺産」の アルフォンソ・キュアロン最新作は、 子どもの姿が消えたイギリスを描く、近未来SFだ。 原作はP.D.ジェイムズの「トゥモロー・ワールド (ハヤカワ・ミステリ…

秋の紅葉めぐりin泉涌寺&東福寺

秋も深まり、ようやく紅葉シーズンに突入。 昨年は清水寺や延暦寺などに足を運んだが、 ことしは京都・洛南、御寺泉涌寺と、 通天橋で有名な東福寺へ向かう。 〝モーツァルト北浜〟の登場で盛り上がる おけいはんこと京阪に揺られ、「東福寺」へ。 ガイドな…

TOHOシネマズなんばで「プラダを着た悪魔」

〝こんな最高の職場なら、死んでもいい! こんな最悪の上司の下で、死にたくない! 恋に仕事にがんばるあなたの物語。〟 ローレン・ワイズバーガー原作の、 ベストセラー小説「プラダを着た悪魔」を映画化。 主人公のアンディに「プリティ・プリンセス」のア…

D.W.バッファ「聖林(ハリウッド)殺人事件 (文春文庫)」

〝虚栄の都ハリウッドでは殺人事件すらも泡影と化すのか〟 最近めっきり刊行が減ったリーガル・サスペンスの秀作シリーズ、 「弁護 (文春文庫)」「訴追 (文春文庫)」のアントネッリ弁護士の最新作だ。 前作「遺産 (文春文庫)」では、政治の世界に巻き込まれ…

ジェームズ.R・チャイルズ「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」

〝誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたのか? 原発事故から高層ビル倒壊まで、メカニズムと人的要因をあぶりだす〟 スペースシャトル・チャレンジャー号爆発やスリーマイル島原発事故、 コンコルド墜落事故にチェルノブイリ原発事故、海洋石…

道頓堀東映パラスで「テキサス・チェーンソー ビギニング」

〝恐怖の原点 絶望の頂点 覚悟がなければ、観てはいけない〟 トビー・フーパー監督によるスプラッタ・ホラーの古典的名作 「悪魔のいけにえ」のリメイク「テキサス・チェーンソー」の続編にして前日譚。 旅人を恐怖と絶望のどん底に陥れる、レザーフェイス誕…

シネマート心斎橋で「セレブの種」

〝女が求めるのは、超一流の遺伝子(セレブの種)。〟 1回1万ドルで〝種付け〟をする NYのエリート崩れを描いた、風刺コメディ。 「ドウ・ザ・ライト・シング」「マルコムX」など、 数々の問題作を送り出したスパイク・リーの2004年度作品だ。 デンゼル…

歌野晶午「世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)」

〝既存のミステリを超越した、崩壊と再生を描く衝撃の問題作!〟 「葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)」の歌野晶午による話題作が文庫化。 〝私の子供が誘拐犯なのか?〟 東京近郊を舞台に、次々と起こる誘拐殺人事件。 子供を標的…

浅田次郎「月下の恋人」

〝不器用だけど、生きてゆく。〟 〝人を想い、過去を引きずり、日々を暮らす。 そんなあなたを優しく包む、浅田次郎待望の最新刊〟 短編の名手、浅田次郎が5年をかけて書き綴ったという、最新短編集。 もっとも昭和が昭和らしかった時代から、平成初期への…

戸梶圭太「バカをあやつれ!」

〝下流社会はつくりだせるか?〟 高知県の田舎町を舞台に、 激安ニッポンが行き着く、恐ろしい姿を描くトカジ最新作。 下町のタワーマンションにバカが大挙して攻め込んでくる 「東京ライオット」に近しいテイストの、これまた問題作だ。 〝知的で裕福な人が…

ジャック・リッチー「10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY)」

〝優雅な殺人、洒落た犯罪〟 〝<このミステリーがすごい!>第1位に輝いた 短編ミステリの名手ジャック・リッチー登場。〟 「クライム・マシン (晶文社ミステリ)」は、ずっと気にしつつも未読。 しかし、これだけ評判がいいと、やはり捨て置けない。 〝結…

川上弘美「真鶴」

〝ついてくるもの〟に導かれ、真鶴をさまよう〝わたし〟京。 失踪した夫・礼はその日記に「真鶴」と記していた。 恋人の青茲、反抗期にさしかかった娘・百、そして〝ついてくるもの〟… はなれたり、近づいたりを繰り返しながら、夫の影を思い出す。 真鶴には…

梅田ガーデンシネマで「マーダーボール」

〝もっと前へ、もっと強く。〟 アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート。 四肢麻痺や切断などの障害を持つ選手たちが、 まるで戦車のような車いすに乗ってプレーするウィルチェアラグビーの、 激しく、熱い世界に密着したスポーツ・ドキュメンタリー…

シネマート心斎橋で「2番目のキス」

東京より約4カ月遅れで、ようやっとの大阪公開。 「ウェディング・シンガー」のドリュー・バリモア最新作、である。 仕事中毒の女と、スポーツ狂の男による、ラブ・コメディ。 まさにドリューの独壇場ともいえるような、そんなジャンルだろう。 物語の舞台…

ガブリエル・ガルシア=マルケス「コレラの時代の愛」

新潮社「ガルシア=マルケス全小説」の第2回配本。 「わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))」を買おうと書店に行ったら、 発見し、ついつい〝新しい方〟を買ってしまったという次第。 〝51年9カ月と4日、男は女を待ち続けてい…

敷島シネポップで「ナチョ・リブレ 覆面の神様」

「愛しのローズマリー」「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラック最新作! メキシコの南部オアハカの田舎町を舞台に、 孤児たちのため、ルチャ・リブレ(自由への戦い)に上がった、 愛すべきダメオトコの活躍を描く、ハートウォーミング・コメディだ…

クリストファー・バックリー「ニコチン・ウォーズ (創元推理文庫)」

映画「サンキュー・スモーキング」原作。 〝深刻化するタバコ問題を、絶妙な風刺精神で、 軽やかに笑い飛ばすタバコ・コメディ小説!〟 ニック・ネイラーは、タバコ業界ロビイストを代表するスポークスマン。 業界のため、あれやこれやの理屈をこね回し、タ…

佐藤多佳子「一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-」「一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-」「一瞬の風になれ 第三部 -ドン-」

「しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)」「黄色い目の魚 (新潮文庫)」の佐藤多佳子最新作。 〝青春小説の旗手、4年ぶり待望の書き下ろし長編小説〟 3分冊、3カ月連続刊行、というやつだが、 記憶力と忍耐力に自信がないため、完結を待って読み始める。 …

TOHOシネマズなんばで「父親たちの星条旗」

クリント・イーストウッドによる硫黄島2部作第1弾。 太平洋戦争下、熾烈を極めた硫黄島攻防戦を、 アメリカ側、日本側の双方から描いた、意欲作だ。 そして、この作品はアメリカ側からの視点で描いた硫黄島。 〝戦争を終わらせた一枚の写真。その真実。〟 …