2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

車谷長吉「世界一周恐怖航海記」

〝車谷長吉。六十歳にして初の日本脱出〟 〝船上にて自らの半生を綴った100日間〟 『文學界』での連載に大幅加筆したという、 「最後の文士」「反時代的私小説作家」による旅行記だ。 「赤目四十八瀧心中未遂」「武蔵丸 (新潮文庫)」「忌中」など、 これ…

堀江敏幸「いつか王子駅で (新潮文庫)」

〝路面電車走る下町の日常を情感込めて描く長編小説〟 「熊の敷石 (講談社文庫)」「雪沼とその周辺」の芥川賞・川端賞作家による、 最初の長編の文庫化、ということになる。 文庫で180ページ足らずのボリュームだが、 その中には、さらりとしていながら、…

祝5周年!の東京ディズニーシーへ。

前日の疲れをものともせずに、 朝7時過ぎに起床する。 そういえば、海側スイートに通してもらったな、 と再び感激を胸にカーテンを開けると、 そこには青い空、青い海の一面の絶景が広がっていた。 幸先のいいスタートににんまりとしつつ、 素敵なこの部屋…

約2年ぶりの東京ディズニーランド(TDL)。

朝一番の飛行機で伊丹から羽田に移動、リムジンバスでTDRへ。 飛行機が20分遅れのスタートとはなったが、リムジンは渋滞もなく30分で到着。 9時の開園には間に合わなかったが、とりあえずエントランスをくぐる。 天気予報は雨だったが、この時点では…

三浦しをん「風が強く吹いている」

直木賞受賞第1作! 〝「速く」ではなく「強く」。目指せ箱根駅伝!〟 最新作は、いわく〝超ストレートな大型青春小説〟 素人集団が学生陸上界の花形イベント、箱根駅伝を目指す、 というあまりに真っすぐなスポ根コメディだ。 きっかけは、走る才能に恵まれ…

TOHOシネマズなんばで「イルマーレ」

22日オープンのTOHOシネマズなんば、初見参だ。 月曜のレイトショーとあって、劇場ロビーはやや人もまばら。 六本木なんかと比べ、凝った作りではないが、シンプルもまたよしとする。 1200円のレイトショーやプレミアスクリーン、 ややバラエティ…

三浦しをん「三四郎はそれから門を出た」

遅ればせながら、祝! 直木賞受賞ということで。 〝それでも本から離れられない 人気作家にして筋金入りの活字中毒者、三浦しをんの秘密の日常。〟 朝日新聞での表題連載「三四郎はそれから門を出た」を中心に、 紀伊国屋書店のウェブマガジン「i feel…

敷島シネポップで「もしも昨日が選べたら」

待望のアダム・サンドラー最新作! 原題は〝CLICK〟 家電どころか、人生まで〝操作〟できる万能リモコンと、 それを手に入れた男の人生を描いたSFファンタジー系のコメディ。 監督は「ウェディング・シンガー」「ウォーターボーイ」のフランク・コラチ、 …

千日前OSスバル座で「2001年宇宙の旅」

TOHOシネマズなんばのオープンで、一気に映画館事情が改善された難波だが、 その一方で、こちらの劇場はこの週末をもって閉鎖ということになってしまった。 で、〝さよなら OS千日前スバル座〟と題して、 今日から3日間「2001年宇宙の旅」「タイ…

村上春樹「アフターダーク (講談社文庫)」

そういえば、ハードカバー刊行時には村上春樹に縁がなかったっけ。 ことしようやく村上春樹初挑戦を果たしたことだし、 待望の文庫化、ということで読んでみることにしてみる。 〝真夜中から空が白むまでのあいだ、 どこかでひっそりと深淵が口を開ける。〟 …

デイヴィッド・R・ウォレス「哺乳類天国―恐竜絶滅以後、進化の主役たち」

〝手乗りサイズのアリクイ、 走り回るクジラ、 のしのし歩く巨大ナマケモノ。 2億5000万年におよぶ獣たちの物語。〟 ザリンガーの壁画「哺乳類の時代」に着想を得た、 哺乳類の進化史と研究史をまとめたノンフィクションだ。 当代流行りの恐竜では、エ…

森博嗣「少し変わった子あります」

〝上品で美味しい孤独をどうぞ。 謎めいた料理店で出会う“少し変わった子”たちが、 あなたを幻想的な世界へと誘う−〟 〝圧倒的な余韻を残す 森博嗣、衝撃の新境地〟 森博嗣に初挑戦、である。 よく、書店で平積みされているのは見かけていた。 ただ、あまり…

腹肉ツヤ子「100%ぶっちぎり体脂肪!」

〝キラリはじけるコレステロール! のどから屁が出る貧乏人だヨ!〟 という、イラストレーター兼漫画家腹肉ツヤ子の ブログ「肉キャット」の加筆修正版。 http://blog4.fc2.com/tuyako/ まあ、ペンネームでわかる通り、〝そういう〟系統のマンガを書いてる人…

ネルソン・デミル「ナイトフォール(上) (講談社文庫)」「ナイトフォール(下) (講談社文庫)」

ネルソン・デミル待望の最新作! 〝全米ベストセラーNO.1 航空機墜落の驚愕の真相〟 〝タフな減らず口ヒーロー ジョン・コーリーの活躍〟 というわけで、「プラムアイランド 上 (文春文庫 テ 6-12)」「プラムアイランド 下 (文春文庫 テ 6-13)」 「王者…

有川浩「図書館内乱」

あの「図書館戦争」が待望のシリーズ化! である。 〝図書館の明日はどっちだ!? やきもき度絶好調のシリーズ第二弾、ここに推参!〟 図書館戦争「恋愛編」もしくは「キャラクター編」といった趣の一冊。 あの前作の衝撃、というかパンチ力には及ばないが、 …

敷島シネポップで「マイアミ・バイス」

懐かしの…、と書くと年齢がバレるが、本当に懐かしい。 TVシリーズをきちんと観ていたわけでもないが、 そのイメージの記憶は、かなり強く脳裏にこびりついている。 そのTVシリーズで製作総指揮を務めたマイケル・マンが、 20年の歳月を経て、その思い…

田口久美子「書店繁盛記」

〝本屋さんの棚には、私たちの未来がつまっている〟 〝若い書店員の奮闘から、本と出版の未来を考える〟 ポプラ社のWebマガジン「ポプラビーチ」の連載「書店日記」をまとめたもの。 80年代、書店界の寵児として、 〝トットちゃん積み〟とも言われた集…

トマス・H・クック「緋色の迷宮 (文春文庫)」

〝家族の写真はいつでも嘘をつく〟 〝息子が、兄が、犯人なのか… 不安と猜疑心の奔流に押し流され、たどり着いた驚愕のラストとは〟 アメリカ東部の小さな田舎町ウェズリー、 町にひとつしかないショッピングセンターで小さな写真店を営む〝わたし〟。 ティ…

敷島シネポップで「X-MEN:ファイナル ディシジョン」

気付いてみたら「3部作完結編」だった、というX-MEN最新作。 とはいえ、ウルヴァリン=ヒュー・ジャックマンあたりが登場する、 オリジナルのシリーズはこれにて終了ということらしい。 新シリーズはアイスマンとかパイロあたりが主軸だとか… 今回は「…

梅田ガーデンシネマで「トランスアメリカ」

日本での公開遅れ、さらに大阪での公開遅れに加え、 前週は風邪で寝込んだこともあって、ようやく鑑賞にこぎつけた。 何せ、町山智浩氏のブログで紹介されたのがことし1月。 http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060104 アカデミー賞でのノミネートなどでひ…

アンドレイ・クルコフ「大統領の最後の恋 (新潮クレスト・ブックス)」

〝飄々としたユーモア。奥深い世界。 『ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)』の著者の最新長編〟 あのユーモアとペーソス、微妙な不条理感がマッチした傑作、 「ペンギンの憂鬱」にも通じる、絶妙な味わいの小説だ。 心臓の移植手術を受けたウクライナ…

宮部みゆき「名もなき毒」

〝連続無差別殺人事件。あらゆる場所に「毒」は潜む。〟 「誰か Somebody (カッパノベルス)」の杉村三郎が、今回は連続毒殺事件に挑む。 今多コンツェルン会長の婿養子にして、社内報編集に携わる〝私〟杉村三郎。 トラブルに次ぐトラブルの末、クビになった…

ランディ・カッシンガム「訴えてやる!大賞―本当にあった仰天裁判73 (ハヤカワ文庫NF)」

〝それはあなたが悪いのでは?〟 訴訟社会アメリカで、本当にあった信じられない訴訟の数々… 〝一獲千金を狙って今日も誰かが誰かを訴える! 〝弁護士の入れ知恵で大金をせしめるべく起こされたおバカな訴訟を表彰します〟 原題は〝THE TRUE SETLLA AWARDS〟…

ドン・ウィンズロウ「砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)」

〝ニール・ケアリー・シリーズ最終巻! 結婚二か月前のニールに与えられた〝簡単な任務〟とは?! 元ストリート・キッドはどこへ向かう?〟 傑作「ストリート・キッズ (創元推理文庫)」のニール・ケアリーのシリーズ、第5弾にして最終巻。 邦訳では、実に1…

宮部みゆき「誰か Somebody (カッパノベルス)」

〝あなたにもありませんか。 愛する人が。ささやかな秘密が。〟 〝事故死した運転手には、 二人の愛する娘と、ささやかな秘密があった。〟 「名もなき毒」を買って、読み始めようとしてから気付く。 「誰か Somebody (カッパノベルス)」の続編(というかシリ…

米澤穂信「ボトルネック」

〝懐かしくなんかない。爽やかでもない。 若さとは、かくも冷徹に痛ましい。 ただ美しく清々しい青春など、どこにもありはしない−。〟 「さよなら妖精 (創元推理文庫)」「氷菓 (角川文庫)」の米澤穂信最新作。 金沢在住の高校一年生の〝ぼく〟嵯峨野リョウは…

テアトル梅田で「カクタス・ジャック」

2005年のメキシコMTVアワード最優秀作品賞するなど、 メキシコで大ヒットを記録した、クライム・コメディ。 原題は〝MATANDO CABOS〟 直訳するなら、「カボス殺し」といったところか。 メキシコシティを舞台に、街の大ボスのカボスの誘拐をめぐる一騒…