小説−日本

石持浅海「扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)」

2005年の「このミス」国内編2位の話題作が文庫化。 「刑事コロンボ」よろしく、犯人や殺人方法が始めから提示される、 ホワイダニットおよび、どうミステリーが解決されるかを楽しむ本格ミステリ。 大学時代のサークル仲間が、成城のお屋敷を改装したホ…

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

“伊坂的娯楽小説突抜頂点” JFK暗殺をモチーフにした、伊坂幸太郎のサスペンス。 “首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、 巨大な陰謀から逃げ切ることができるのか?” タイトルはビートルズ「アビーロード」の同名曲から。 伊坂作品ではお馴染み、仙台を舞台…

横山秀夫「深追い (新潮文庫)」

〝横山ミステリーの最高峰!〟 警察小説の旗手による、7編の短編集。 〝ある警察署に勤務する7人の男。 彼らの人生を変えた7つの事件。〟 舞台は関東近郊の地方都市、三ツ鐘。 市の郊外に位置する三ツ鐘署の別名は「三ツ鐘村」。 警察署と幹部官舎、家族…

近藤史恵「タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)」

〝ビストロ・パ・マルへようこそ。 絶品料理と極上のミステリをご堪能あれ!〟 「サクリファイス」の近藤史恵、最新作。 お得意の日常ミステリーの舞台は、下町のビストロだ。 〝客たちの巻き込まれた不思議な事件や不可解な出来事。 その謎を解くのは、シェ…

黒川博行「蒼煌 (文春文庫)」

「先生、一億円を撒かんとあかんのでっせ」 「国境」、「疫病神」の黒川博行による、文庫最新刊。 〝芸術院会員選挙を舞台に、 金と権力に憑かれた 日本画壇の暗部を描く問題作。〟 日本芸術界でもっとも権威のある芸術院の、次期会員選挙が近づいた。 前回…

樋口有介「不良少女 (創元推理文庫)」

〝万年金欠の柚木が手掛けた事件調査<アルバイト>。 嫌々、だけど美女がらみで心惑う四つの謎 +柚木自筆エッセイ初収録!〟 創元推理文庫で再収録中の柚木草平シリーズ、 未収録の短編4編をまとめた、待望の最新刊。 〝柚木草平の〟自筆エッセイに加え、…

海堂尊「夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)」

〝やあ、八年ぶり。 ところでお前、一億円欲しくない?〟 東京創元社のミステリ・フロンティアに、 「チーム・バチスタの栄光」の海堂尊が登場。 〝町工場の技術と頭脳を駆使した 華麗なる黄金奪取作戦。 曲者たちが繰り広げるゲームは 二転三転、驚愕の展開…

有川浩「図書館革命」

〝TVアニメ化決定!!〟 有川浩の人気シリーズがついに大団円を迎える。 〝極上のエンターテインメント 「図書館戦争」シリーズ、堂々の完結編!!〟 大規模テロが巻き起こした、検閲騒動の顛末は― 正化三十四年、一月。 敦賀原発を狙った大規模テロが発生…

平山夢明「他人事」

〝このミス第一位の著者による最新作〟 「独白するユニバーサル横メルカトル」の悪夢が甦る― 〝空想が生んだ惨事が心の空白を埋める。 無意味で不気味な心の暗渠を覗く14編。 これを読む者は一切の望みを棄てよ。〟 「小説すばる」などの連載をまとめた短…

阿佐田哲也「麻雀放浪記〈1〉青春篇 (文春文庫)」

〝この本を読まずして博打を語るなかれ!〟 真田広之、鹿賀丈史主演で映画化もされた、 阿佐田哲也のマスターピースを、文庫再収録。 〝坊や哲、ドサ健、上州虎、出目徳…… 終戦直後のドヤ街を舞台に、 博打に生きる男たちの戦いを描く「阿佐田哲也麻雀小説」…

黒川博行「悪果」

〝おまえは極道よりも性根が腐っとる〟 「国境 (講談社文庫)」「疫病神 (新潮文庫)」の、 黒川博行が描く、日本警察の暗い闇… 〝かつてなくリアルに描かれる捜査の 実態と癒着、横領、隠蔽、暴力 ………日本警察の真実のなかに あぶりだされる男たちの強烈な光…

桜庭一樹「私の男」

〝おとうさんからは夜の匂いがした。〟 「赤朽葉家の伝説」の桜庭一樹、最新作。 〝なにもかもを奪いあう父と娘。 朽ちていく幸福と不幸を描く、衝撃の問題作!〟 禁忌の甘い香りと腐臭が漂う、深い味わいの作品だ。 結婚を目前にした、24歳の花。 その義…

森見登美彦「太陽の塔 (新潮文庫)」

〝日本ファンタジーノベル大賞受賞作〟 「夜は短し歩けよ乙女」の森見登美彦デビュー作。 〝失恋を経験したすべての男たちと これから失恋する予定の人に捧ぐ〟 〝何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。 なぜなら、私が間違っているはずがないからだ…

恩田陸「まひるの月を追いかけて (文春文庫)」

?祝・山本周五郎賞受賞? 「中庭の出来事」で、同賞を手にした作者の、03年作品。 ?恩田ワールド全開の傑作ミステリー? 古の都、奈良を舞台に展開する、探求の旅。 ?失踪した男を捜しに、奈良への旅が始まった――。? 異母兄の研吾が奈良で消息を絶った。 そ…

樋口有介「風少女 (創元推理文庫)」

〝奇麗だった彼女は、 死んだときも奇麗だったはず〟 創元推理文庫で再収録が進む、 樋口有介の1990年作品を大幅改稿。 〝初恋の女性の死を巡る、僕の探偵行〟 寒風吹きすさぶ前橋を舞台に、 初恋の人の死をめぐる、感傷と探求の旅が始まる― 赤城おろし…

伯方雪日「誰もわたしを倒せない (創元推理文庫)」

〝頂点を望むなら、 とっておきの計略<アングル>を用意しろ。 誰にも見破れない、 最高の仕掛け<トリック>を。〟 本格ミステリとプロレスが合体! 虚々実々が入り交じるプロレス界を舞台に、 鮮やかでトリッキーな謎解きが光る連作集だ。 〝二人の刑事が…

斎藤純「銀輪の覇者」

銀輪の覇者 上 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-1)銀輪の覇者 下 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2) 〝「深夜プラス1」に比肩する興奮! 熱き思いが時代を駆ける自転車冒険小説〟 2005年版の「このミステリーがすごい」で5位に輝いた、 斎藤純の代表作が、ついに文庫化…

今邑彩「つきまとわれて (中公文庫)」

〝おまえが犯人だ〟 「いつもの朝に」の今邑彩による、 〝摩訶不思議な異色の短編集〟 ゆるやかに連なる8編のミステリが、 微妙な悪意と皮肉な運命、苦い余韻をもたらす。 冒頭の「おまえが犯人だ」は、 青酸カリ入りのチョコレートで毒殺された妹をめぐる…

海堂尊「ブラックペアン1988」

〝驚愕手術の結末!〟 「チーム・バチスタの栄光」、 「ジェネラル・ルージュの凱旋」の著者最新作。 シリーズでもおなじみの、 東城大学病院を舞台にした、 メディカル・エンタテインメントの傑作がまたも誕生した。 〝外科研修医世良が飛び込んだのは君臨…

黒川珠々「楽園に間借り」

〝次に来るのはヒモ文学で決まり!〟 第3回野生時代青春大賞受賞作。 〝“尻に××××を持つ男” (気になる人は12ページ参照を) 百輔の悩み多きヒモライフに笑いっ放し。 キャラ立ちナンバーワンのデビュー作、 ドラマ化熱烈希望。 by.大森望〟 男の憧れ…

小池昌代「タタド」

「あとでまた、交代しましょう」 「ええ、そうしましょう」 アレックス・カッツ〝Beach House〟の、 表紙も印象的な川端康成文学賞受賞作。 〝海辺の家に集まった男女四人。 倦怠と甘やかな視線が交差して、 やがて朝がくると、その関係は一気に「決壊」する…

樋口有介「誰もわたしを愛さない (創元推理文庫)」

〝女子高生に圧倒され、 次々現れる美女には翻弄され、 事件の哀しい結末は深く柚木を憂鬱にさせる〟 創元推理文庫に再収録が進む柚木草平シリーズの新刊。 〝メガネ美女の新キャラクター・小高直海初登場。 38歳の青春を描く私立探偵シリーズ第六弾!〟 …

大崎梢「片耳うさぎ」

〝片耳うさぎに気をつけろ。 屋敷に入れるな。入れれば人が殺される。〟 「配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)」の著者最新作。 「成風堂書店」のシリーズから離れた、書き下ろし長編。 〝古くて大きなお屋敷の謎を前に、二人の少女が大奮闘! この家…

歌野晶午「ハッピーエンドにさよならを」

〝前人未到のミステリ4冠を達成した 偉才が仕掛ける未曾有の殺意〟 「葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)」の歌野晶午最新作。 〝小説の企みに満ちた、 アンチ・ハッピーエンド・ストーリー〟 よくある展開を次々と裏切る、11編の洒落た悪意。 〝…

米沢穂信「インシテミル」

〝見つかった。何が? 私たちのミステリー、私たちの時代が。〟 「ボトルネック」の米沢穂信、最新作は、 本格の匂いの漂う、閉鎖空間での殺人ゲーム・ミステリ 〝この屈託と含羞を、絶対読み逃してはならない。〟 不自然に高給なアルバイトと、恐ろしい<実…

近藤史恵「サクリファイス」

〝ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。〟 ツール・ド・フランスで有名な、自転車ロードレースを題材に、 「二人道成寺 (本格ミステリ・マスターズ)」の近藤史恵が描く青春ミステリ。 〝二転三転する〈真相〉、 リフレインし重きを増す…

乃南アサ「いつか陽のあたる場所で」

〝彼女らには過去<マエ>があった。 理由<ワケ>もあった。 だけど希望<サキ>も、なくはなかった。〟 ある秘密を抱え、坂の多い下町で暮らし始めた2人の女。 「凍える牙 (新潮文庫)」の乃南アサが、 音道貴子シリーズに続いて贈る新シリーズだ。 東京の…

横山秀夫「真相 (双葉文庫)」

〝隠蔽、誤算、保身、疑心暗鬼― 事件の真相は奥の奥の奥にひそんでいる。〟 「半落ち (講談社文庫)」「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」の横山秀夫による、 複雑な苦味をたたえた犯罪短編集。 〝単純な正義感だけでは生きていけないこの社会。 そこに住まう…

永瀬隼介「退職刑事」

〝刑事。その特殊な職業人は、退職しても普通じゃない!〟 「閃光 (角川文庫)」「19歳 一家四人惨殺犯の告白 (角川文庫)」の著者最新作。 〝警察を追われた悪徳刑事の夢、 不思議な神隠し事件の解明に執念を燃やす引退した老刑事。 様々な事情を抱え、職を辞…

志水辰夫「行きずりの街 (新潮文庫)」

〝ミステリー史に燦然と輝く大傑作! 1991年「このミステリーがすごい!」第1位〟 旧作発掘が、出版界のちょっとした事件ともなった1冊。 〝最近の「このミス」1位と読みくらべよう!〟 ミステリーで読み解く時代の変遷、という視点が意外と斬新。 そ…