2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

誉田哲也「ストロベリーナイト (文芸)」

朱川湊人、笹本稜平、香山二三郎のコメントの横に、 〝傑作エンターテインメント小説の登場だ! これはすごいぞ。むちゃくちゃおもしろいぞ。〟 思えば、この惹句に覚えた〝微妙な感じ〟を信じるべきだった。 〝むちゃくちゃおもしろいぞ〟ってあんた、子ど…

福井晴敏「Op.ローズダスト(上)」「Op.ローズダスト(下)」

「終戦のローレライ 上」「終戦のローレライ 下」 以来3年半ぶり(4年ぶり?)の最新長編。 短編集「6ステイン」をパスしたので、 僕自身もかなり久しぶりの福井晴敏作品ということになる。 赤坂のインテリジェンスビルで、大規模な爆弾テロが勃発した。 …

梅田OS名画座で「白バラの祈り」

アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。 第二次世界大戦当時、ヒットラー政権下のドイツで、 反ナチ活動に命を捧げたゾフィー・ショル。 そのゾフィーを演じたユリア・イェンチが、ベルリン映画祭銀熊賞(女優賞)、 ヨーロッパ映画祭でも女優賞を獲得し…

荻原浩「ママの狙撃銃」

山本周五郎賞受賞「明日の記憶」の荻原浩最新作。 〝世界の平和より、今夜のおかず〟 〝福田曜子はふたりの子をもつ主婦。 夫の孝平は中堅企業のサラリーマン。 ふたりは、ごくふつうの恋をし、ごくふつうの結婚をしました。 ただひとつ違っていたのは…〟 奥…

シネリーブル梅田で「ブロークバック・マウンテン」

1963年、ワイオミング州のブロークバック・マウンテン。 移動牧羊の季節労働で、二人のカウボーイは出会った。 寡黙で不器用なイニス=ヒース・レジャーと、 陽気で楽天的なジャック=ジェイク・ギレンホール。 ほとんど口もきかなかった二人だが、 ある…

ミッシェル・フェイバー「天使の渇き」

〝わたしの名はシュガー 19歳の娼婦は夜な夜な、男への復しゅう譚をつづる〟 〝「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン監督が映画化〟 このオビだけでも、すっかりやられてしまった。 チャールズ・パリサーの大作「五輪の薔薇〈上〉」 「五…

梅田ブルク7で「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」

待ってました! のシリーズ最新作。 〝WALLACE & GROMIT : THE CURSE OF THE WERE-RABBIT〟 過去にも2度のオスカー(最優秀短編アニメ)に輝いた、 クレイ・アニメの人気シリーズ「ウォレスとグルミット」の初長編でもある ことしのアカデミー賞でも、最優…

梅田ブルク7で「エミリー・ローズ」

最近までテレビでかかっていたスポットCMで、 ?悪魔のイナバウアー?がやたらと恐ろしい、アレである。 「この映画はホラーではない、実話である」といってるが、 実話が基になっていても、ホラーであることには間違いない。 しかし、この映画の斬新なところ…

id:seiitiさん、id:juice78さんのところで拝見した、

「(非公認)読者大賞blog」主催の男女別アンケート。http://dokusyataisyo.jugem.jp/?eid=284 既読は53冊、この作家ならこの作品が…というのはありつつ、 とりあえず10冊選んでみた。 ちなみに写真は、「悩むぱんだちゃん♪」 山田詠美「風味絶佳」 絲山…

新堂冬樹「黒い太陽」

新堂冬樹作品を読むのは「銀行籠城」以来、2冊目となる。 バイオレンス&ポルノ満載で銀行強盗を描いた「銀行籠城」は、 部分部分の描写に興奮を覚えたのも確かなのだが、 作品全体のダイナミズムとか、ドラマに関してはだいぶ不満が残る作品だった。 金融…

岡嶋二人「99%の誘拐 (講談社文庫)」

そこら中の書店で平積みされ、再評価の気運高まる岡嶋二人。 最近ようやく読み出したふつつかな読者(僕、ですが…)にとっては、 「傑作の宝石箱やぁ〜」てな感じで、うれしい限りなのである。 で、この作品。 第十回の吉川英治文学賞新人賞受賞作にして、 …

海堂尊「チーム・バチスタの栄光」

第4回「このミステリーがすごい」大賞・大賞受賞作。 〝医療過誤か殺人か、不定愁訴外来担当の万年講師と 厚生労働省の変人役人が患者の死と謎を追う。 現役医師だからこそ描きうる医療現場のリアリティとコミカルな展開。〟 裏表紙のオビには〝最終選考委…

山口は湯田温泉、山口スカラ座で「イーオン・フラックス」

というわけで、山口にまで来て結局映画を観ているのだが、 「モンスター」のオスカー女優、シャーリーズ・セロンの最新作。 タイトル「AEON FLUX」の文字ロゴが、 ジャスコとかを展開するAEONに似ているが、全然関係ない。 たまたまテレビを見て…

戸梶圭太「ちぇりあい―ちぇりーぼーいあいでんてぃてぃ」

〝究極の若返り薬をめぐり、 アキバ系オタク童貞たちを襲う天国と地獄… 戸梶圭太が全国の童貞(素人童貞含む) に鉄槌を下す、残酷ファンタジー〟 この本、書店のレジに持っていくのが、かなり恥ずかしい。 表紙はご覧の通り、ネコ耳のアニメ系メイド美少女…

真保裕一「繋がれた明日 (朝日文庫)」

おっ、文庫になったのか、と思って手に取ったら、 何だかよく知らないうちにNHKでドラマ化されていたらしい。 背表紙には「殺人を犯した者の〝罪と罰〟の意味を問うサスペンス」 確かに、いかにも、NHKが好きそうなテーマだったりする。 犯罪加害者、…

岡嶋二人「クラインの壺 (講談社文庫)」

「the TEAM」「オルファクトグラム(上) (講談社文庫)」「オルファクトグラム(下) (講談社文庫)」で、 やたらと面白いことをいまさらながらに知った、井上夢人の共作時代の作品。 コンピューターゲームを扱った1989年刊行の作品だが、 何と17年を経た今…

東野圭吾「レイクサイド (文春文庫)」

アートディレクターの並木俊介は、気の乗らない旅行に出かけようとしていた。 中学受験を控えた息子が参加する、避暑地での勉強合宿。 過酷な受験勉強を強いる妻、そしてその友人たちの姿に違和感を覚えつつ、 たどり着いた避暑地の別荘には、何と会社の不倫…

ほぼ満額回答のオスカー・ナイト

というわけで、オスカー・ナイトだ。 といったって、日本時間では真っ昼間だし、 WOWOWを解約して以来、生中継からは縁遠いわたし… というわけで、公式サイトのリロードを繰り返すという地道な作業で速報を手にする。 途中「シリアナ」を観に行き、帰っ…

道頓堀東映パラスで「シリアナ」

午後イチの回を観に行く前に、 ネットでジョージ・クルーニーの助演男優賞受賞を知る。 むむむ、なおさら観に行かないといかんではないか、と自然に力が入る。 監督・脚本は、「トラフィック」でアカデミー脚色賞に輝いたスティーヴン・ギャガン。 製作総指…

アカデミー賞発表前日恒例のラジー賞が発表。

ケイティー・ホームズとの結婚騒動で、 すっかりトム珍、の称号もお似合いになったトム・クルーズが、 〝もっともうんざりするタブロイドネタ〟で、 トム本人、ケイティー・ホームズ、 オプラ・ウィンフリー・ショーのソファ(猿みたいに跳ねたやつ)、 エッ…

有川浩「図書館戦争」

読むのは「空の中」に次いで2冊目。 前回は、「−」(長棒)だらけのアニメっぽいセリフ回しや、 突然全開フルスロットルになるセイシュン模様にやや戸惑いもあったが、 こちらが慣れたせいか、それとも作者がさらに巧くなったのか、ほとんど気にならず。 あ…

梅田ナビオTOHOプレックスで「クラッシュ」

「ミリオンダラー・ベイビー」の脚色でアカデミー賞に輝いた、 ポール・ハギス自らの脚本による第一回監督作品。 この「クラッシュ」の題名を聞くと、 どうしてもクローネンバーグの変態映画(傑作だが)を思い出すが、全然関係ない。 発表直前のアカデミー…