TOHOシネマズ六本木ヒルズで「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
“全世界待望──
新たなる秘宝を求め、史上空前の冒険が始まる!”
ジョージ・ルーカス×スティーヴン・スピルバーグの
大人気シリーズ、19年ぶり、まさしく待望の最新作。
主演はもちろん、円熟の境地に達したハリソン・フォード。
共演に「エリザベス:ゴールデン・エイジ」、「アビエイター」のケイト・ブランシェット、
「エイリアン」、「レレファント・マン」のジョン・ハート、
「アイリス」、「ムーラン・ルージュ」のジム・ブロードベントの名優陣。
「トランスフォーマー」の新鋭シャイア・ラブーフや、“あの人”も登場する。
1957年、ネバダ州の米軍施設を襲撃したソ連兵の一団。
諜報部隊のスパルコ大佐は、インディ・ジョーンズをとらえ、
神秘の力を秘めたクリスタル・スカルを捜索していた。
ようやくスパルコの手を逃れたインディだが、
全米に吹き荒れる赤狩りの嵐に巻き込まれ、大学を停職に―
そんなインディの前に、マットと名乗る青年が現れた…
ひと言「さすが」という感じである。
途切れることなく、畳みかけてくる見せ場の数々は、
まさしく「ジェットコースター・ムービー」の先駆けたるシリーズの面目躍如。
豪華共演陣もしっかりと効いて、重厚感もまずまず。
シリーズのファンなら感涙ものの悪戯もそこかしこに仕掛けられ、
タイトルクレジットからエンドロールまで、息つくヒマなく楽しめる逸品だ。
もちろん、悪ふざけが過ぎて“絶体絶命”感が欠けている面は否めないが、
それももうお約束の世界として、シリーズの味わいとしてとらえれば、
まあそれほど目をつり上げて糾弾するほどの瑕疵ではない。
それにいまのルーカス&スピルバーグに、
「レイダース」の衝撃を期待するのも、まあ酷というものだろう。
お元気なインディ=ハリソンの姿が拝めるだけでも僥倖なのだ。
シリーズ最高傑作ではもちろんないが、
19年ぶりの期待に応えるだけのクオリティは十分ある。
フランク・ダラボンの初稿をボツにしてまで採用した、
デービッド・コープ(「ジュラシック・パーク」、「スパイダーマン」)の脚本も上々。
ラストの部分が多少書き込み不足の感はあるが、
まあ、それを言い出したらこれまでのシリーズでもあったこと。
怒濤の勢いに身を委ねてしまえば、さほど気にはならない。
イベント・ムービーとしては文句なし。
素直に楽しめばいいんじゃない、というそんな一本だった。