2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

荻原浩「噂 (新潮文庫)」

〝都市伝説が渋谷の女子高生たちの間を駆けめぐる。 背筋が凍る荻原浩流サイコ・サスペンス〟 読もう読もうと思っているうちに、いつの間にか積ん読になっていた。 しかし、読み始めると一気読みは必至の〝さすが荻原浩〟な1冊だ。 警視庁目黒署管内で、足…

シネリーブル梅田で「アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵」

ミステリーの女王 アガサ・クリスティー没後30周年記念作品。 〝人生には“事件”が必要です。 優雅な奥さま探偵が活躍する、のどかな田園ミステリー!〟 エルキュール・ポアロ、ミス・マープルと次ぐ人気シリーズ、 〝おしどり探偵トミー&タペンス〟が活躍…

ジェイムズ・L・スワンソン「マンハント―リンカーン暗殺犯を追った12日間」

〝リンカーン暗殺。 それはアメリカ史上初の同時多発テロだった!〟 サブタイトルは〝The 12-Day Chase for Lincoln's killer〟 アメリカを揺るがした歴史的な犯行の全貌と、 テロリストの逃亡の果てを追ったノンフィクション。 あのハリソン・フォード主演…

ジェイムズ・サリス「ドライブ (ハヤカワ・ミステリ文庫)」

〝車だけがおれの友だった。〟 〝天才ドライバーの犯罪の日々を綴ったカー・クライム・ノヴェル〟 腕利きのスタント・ドライバーにして、 そのスジのプロでもある〝ドライバー〟の物語だ。 映画のスタントで名声を博していたドライバー。 その腕利きぶりは、…

京都は亀岡のコスモス園とトロッコ列車。

気付いてみれば、秋も終盤にさしかかろうという頃になってしまった。 秋といえば秋桜<コスモス>、のはずだったのに、昨年は空振り。 ことしこそは、というわけで、レンタカーを借りて、 京都・亀岡は「丹波/亀岡夢コスモス園」に向かう。 http://www.kyot…

グレアム・グリーン「ヒューマン・ファクター―グレアム・グリーン・セレクション (ハヤカワepi文庫)」

〝「新訳」で贈るスパイ小説の金字塔〟 「冷血 (新潮文庫)」「ロリータ」など、 名作の新訳が最近はちょっとしたブームになっている様子。 グレアム・グリーンのこの作品も、その流れに乗ってか、新訳と相成った。 レイフ・ファインズ、ジュリアン・ムーア主…

TOHOシネマズなんばで「トリスタンとイゾルデ」

〝「ロミオとジュリエット」の悲劇は、ここから生まれた 愛は死より切なく、そして尊い。 史上最も美しい、禁じられた愛の物語〟 イングランドの騎士トリスタンと、 アイルランド王妃の許されない愛を描く、 すべてのラブストーリーの原典ともいえる、ケルト…

マイケル・ロボサム「容疑者 (上) (集英社文庫)」「容疑者 (下) (集英社文庫)」

「ダ・ヴィンチ・コード」の訳者・越前敏弥による惹句が目を引く。 〝緻密なプロットと随所にひねりが見られる構成、 これほど真に迫った心理描写を兼ね備えた小説には、 そう頻繁には出会えまい〟 そして、下巻のオビにはこんな一文が添えられる。 〝すでに…

敷島シネポップで「スネーク・フライト」

全米を騒然とさせたという話題作がついに! 〝数千匹の毒蛇、ジャンボをハイジャック〟 〝メイス・ウィンドゥ〟サミュエル・L・ジャクソンの悪ノリも楽しい、 かっ飛んだアイデアが光る、由緒正しきB級パニック映画の登場だ。 監督は「セルラー」「デッド…

グレゴリ青山「しぶちん京都」

当代一の旅行マンガ家&コラムニスト(京都出身)が、 京都の裏側をディープに暴き出した「ナマの京都」に次ぐ第2弾。 〝“京都らしさ”を堪能するには、やたらお金がかかると思っておられませんか?〟 京都人の代表的な気質のひとつでもある〝しぶちん(ケチ…

ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア (文春文庫)」

ブライアン・デ・パルマ監督の映画「ブラック・ダリア」原作。 映画を観て、あらためて読みたくなって、本棚から取り出す。 5年(か、6年)ぶり3度目(か、4度目)の再読になると思う。 ロサンゼルス市警(LAPD)に務める2人の元ボクサー、 バッキ…

北尾トロ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)」

〝裁判員制度前に必読!〟 「裏モノJAPAN」連載の「人生劇場」をまとめた、 ちょっぴり不謹慎な、興味本位の裁判傍聴記。 〝離婚、DV、強姦、詐欺、殺人、強制わいせつ… 真にリアルな人間ドラマは、裁判所にある〟 名もない事件が裁かれる、その現場…

道頓堀東映パラスで「16ブロック」

〝わずか16ブロック(区画)先に証人を護送する─。 それは簡単な任務のはずだった…。〟 「ダイ・ハード」「アルマゲドン」のブルース・ウィリスに、 「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー監督という、豪華な顔合わせで送る、 いかにも映画らしい楽…

梅田・OS名画座で「サンキュー・スモーキング」

クリストファー・バックリー原作の「ニコチン・ウォーズ (創元推理文庫)」を映画化! 舌先三寸で情報を操作する、タバコ業界のロビイストを描いたコメディだ。 「ゴーストバスターズ」のアイヴァン・ライトマンの息子、 ジェイソン・ライトマンが脚色も兼ね…

樋口有介「初恋よ、さよならのキスをしよう (創元推理文庫)」

「彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)」に続く、 〝38歳〟の青春私立探偵・柚木草平シリーズ第2弾。 〝再会した初恋の女性が殺害された。 事件と過去の思い出が柚木草平を深く悩ませる〟 相も変わらず、出会う女性出会う女性にふらふらする柚木草平は…

樋口有介「彼女はたぶん魔法を使う (創元推理文庫)」

〝轢き逃げ事件の謎と、 出会う美女たちが柚木草平を悩ませる〟 講談社から1990年にハードカバーが刊行され、 93年に文庫化された人気シリーズの再録。 (といっても、この本を見かけるまでしらなかったのだが…) 樋口有介というと、「魔女 (文春文庫)…

有川浩「レインツリーの国」

「図書館内乱」で登場した架空の小説を、 何と著者自らが手がけたという、スピンオフ小説だ。 〝きっかけは「忘れられない本」 そこから始まったメールの交換。〟 「あなたを想う。心が揺れる。 でも、会うことはできません。ごめんなさい。」 〝かたくなに…

TOHOシネマズなんばで「ブラック・ダリア」

〝世界一有名な死体、世界一忌まわしい謎。〟 〝アメリカ文学界の狂犬〟ジェイムズ・エルロイの、 傑作ノワール「ブラック・ダリア (文春文庫)」を、 「アンタッチャブル」「スネーク・アイズ」の巨匠、 そして異才、ブライアン・デ・パルマが映画化! 主演…

ジェイムズ・エルロイ「獣どもの街 (文春文庫)」

映画「ブラック・ダリア」公開まであとわずか! 「アメリカン・デス・トリップ(上)」「アメリカン・デス・トリップ(下)」以来(たぶん) 実に5年ぶりとなる、エルロイの最新刊となる。 〝ノワールの帝王エルロイが20年ぶりに現代を描いた最新小説集〟…

東野圭吾「手紙 (文春文庫)」

〝涙のロングセラー 待望の文庫化〟 山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ出演で映画化もされた、 真保裕一の「繋がれた明日 (朝日文庫)」と対をなす、 東野圭吾版「罪と罰」ともいえる、人間ドラマだ。 剛と直貴は、両親を早くに失い、苦労を続けてきた兄弟。 仕…

パトリック・マシアス「オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史」

〝アメリカは萌えているか?!〟 町山智浩編・訳による「映画秘宝」 「フィギュア王」の連載に加筆した、 アメリカにおける日本アニメ&マンガ・オタク事情をまとめた1冊。 〝アメリカン・オタクの世界にようこそ 全米で爆発する日本製オタク・カルチャー、 …

海堂尊「ナイチンゲールの沈黙」

〝第4回「このミス」大賞受賞作&25万部突破のベストセラー 「チーム・バチスタの栄光」に続く メディカル・エンターテインメント第2弾〟 〝バチスタ・スキャンダルから9ヶ月− “愚痴外来”田口と“ロジカル・モンスター”白鳥コンビが帰ってきた!〟 とい…

松江SATY東宝で「ワールド・トレード・センター」

出張先の映画館へは、いつもドキドキしながら出かけるのだが、 こちらはまずまず平均的なシネコンという感じで、ひと安心。 上映の20分前にならないと、入場券を発売しないとか、 コンピュータではなく、シールをつかった座席指定には戸惑ったが、 スクリ…

朝倉かすみ「ほかに誰がいる」

「肝、焼ける」の作者による、初の書き下ろし長編。 〝ほかに、誰がいる? わたしの心をこんなに強くしめつける存在が。 何百万遍、いってもいい。ほかに誰がいる。あのひとのほかに。 苦しければ苦しいほど、わたしの心は磨かれる。〟 1行1行読み進めるご…

ロバート・ライス「ルシタニアの夜上 (創元推理文庫)」「ルシタニアの夜下 (創元推理文庫)」

〝90年前の手紙は何を告げるか?〟 〝リアルな捜査と歴史上の謎解きの融合。 ミステリの王道を行く注目の傑作!〟 新刊案内で気になった、歴史×警察ミステリー。 そういえば、ジェフリー・ディーヴァーの「12番目のカード」も、 本来の捜査に、歴史ミステ…

大崎梢「晩夏に捧ぐ (ミステリ・フロンティア)」

元書店員が描く本格書店ミステリ第2弾! 前作「配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)」で数々の難事件を解決した、 あの書店探偵が帰ってきた。しかも、出張編! 今回の謎は〝地方の老舗書店に幽霊騒動?!〟ときた。 駅ビル六階の書店「成風堂」に務める…

梅田ガーデンシネマで「サムサッカー」

〝フツーに心配な僕のミライ〟 親指をしゃぶるクセが抜けないティーンエイジャーの、 漠然とした不安や日々の事件、そして成長を描いた青春ストーリー。 主人公のサムサッカー、ジャスティンには、 ベルリン国際映画祭で銀熊賞(男優賞)に輝いたという新鋭…

シネリーブル梅田で「ハード・キャンディ」

〝赤ずきんが仕掛けるオオカミへのゲーム〟 オヤジ狩りに着想を得たという、話題の〝痛い〟映画が、 大阪では約2カ月遅れでようやく公開となった。 題名は〝硬くなったアレ〟のスラングだとか。 下半身を膨らませたロリコンの援交オヤジが、 少女の罠に嵌め…

西原理恵子「パーマネント野ばら」

〝どんな恋でもないよりましやん−。〟 西原理恵子最新作は、えげつなく、切ない女の生き様を描く。 〝村にひとつのパーマ屋さんは、女のザンゲ室。 そこでは女たちが恋にまつわる小さな嘘を日々告白している。 男に裏切られても、泣いて笑ってたくましく。 …

梅田ガーデンシネマで「カポーティ」

ようやく、本当にようやく公開の、待望の作品だ。 映画の存在を映画ライター、町山智浩氏のブログで知ったのが昨年10月だから、待ち時間は実に1年間。 フィリップ・シーモア・ホフマンのオスカー受賞で、 ますます期待は高まったにも関わらず、 公開は何…