仁和寺&竜安寺、桜の旅


春の桜めぐり第2弾で、京都、仁和寺竜安寺を訪れる。
開花情報などを検討した結果、いまならここがベストかな、と。


仁和寺といえば、徒然草の一節「仁和寺にある法師〜」で有名だが、
その〝〜〟の部分はまったく知らないまま、これまで過ごしてきた。
せっかくなんで、いまさっき調べてみたら(ネットって便利だこと…)
長年の願いでもあった、石清水八幡宮参拝に出かけた法師が、
山の上の八幡宮があることを知らないまま、
下のお寺や社だけで満足して帰ってきてしまった、というお話だと。
〝すこしのことでも詳しい人の案内が欲しいものだ〟みたいなことらしい。
なるほど、勉強になったというか、何というか…


まあ当日はそんなことはつゆ知らず、仁和寺に行ってみたわけだ。
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/ninnaji/index.html
阪急京都線の大宮から京福電鉄嵐山本線へ。
帷子ノ辻北野線に乗り換え、御室で下車すると、駅の正面から仁王門が臨める。
そそくさと中に入ると、ちらほらと桜の木が見えてくる。

入山料300円也を払って、境内に入ると、すぐ左に名勝「御室桜」が控えている。

起源は遙か平安の時代に遡るという名勝らしい。
仁和寺のサイトによれば、有明など十数種が約200株。

背の丈と同じ高さの桜が、一面に広がっていて、なかなか風流だ。
木のベンチみたいなのがそこかしこに置かれているのだが、席料1人500円也。
ブルーシートでのお花見席がないだけマシだけど、
桜があったら必ず飲食しなければいけない、みたいな風潮、何とかならないの…


気を取り直して右を見ると、五重塔と重なるピンクの桜がきれい。

近くに寄ると石楠花(しゃくなげ)なんかも咲いていて、なかなか豪華だ。
ここからぐるりと境内を回ると、こんどは鐘楼を囲むしだれ桜がまた見事だ。

御室桜の中をめぐり歩くと、足元にはたんぽぽも咲いていて、思わず心が弾む。
これで飲食の客がいなきゃね…、とまたも思いつつ、仁和寺を後にする。


ここでバスに乗り込み、竜安寺へ。
歩くとやや面倒臭い距離だが、バスだとあっという間で到着する。
http://www.ryoanji.jp/
山門をくぐり抜け、境内に入ると、まずは鏡容池がお出迎えしてくれる。
すぐに目に入るのは雪柳、浮島には桜も咲き、幻想的な光景が広がる。
それを横目にまず向かうのは奥の方にある、枯山水の石庭。
しかし、その手前に見事なしだれ桜を発見。
次々と行き交う花見客(自分もそうなんだが…)の合間を縫ってまずはパチリ♪

さらにこちらの石楠花も見事なので、こちらもパチリ♪ といってみる。

さあ、石庭だ。と思って入っていくと、まあ何というか…
来歴もいろいろ、「虎の子渡し」だとか「七・五・三の庭」だとかあるらしいが、
仁和寺にある法師」同様、不案内であんまりよく意図が伝わってこない。

もちろん、桜とのマッチングは見事なんだが、
これが「ひとつの小宇宙だ!」みたいな感慨は湧いてこないままに終わる。無念。


石庭を離れ、再び鏡容池を回る。
ふらふらと歩いていると、思わず「おう♪」と感嘆の声が漏れる光景に出くわす。

水面に映った桜があまりにもきれい。なるほど〝鏡〟の理由がわかった。
仁和寺の御室桜ほど期待していなかったせいもあって、満足度はかなり高め。
どうも季節によっては、藤や睡蓮、紅葉なんかも楽しめるらしい。
また来てみたい、と思わせる、ナイスなお寺に出会ってしまった。


ここから相変わらず運転がやたら乱暴な京都市バスで三条に向かう。
新京極の鰻料理「かねよ」で、白焼き&鰻丼を賞味し、MOVIX京都へ。
http://www.jin.ne.jp/kaneyo/
プロデューサーズ」に大満足しながら、先斗町を抜け、四条へ向かう。


四条大橋を渡り、祇園のみたらしだんご「みよしや」へ。
しばし行列に並び、焼き上がりの風景を眺める。

炭火で軽く焦げ目をつけ、独特のとろみをきかせたタレにつける。
そのままたべるもよし、きなこをかけてもらうもよし。
持って帰って食べても硬くならないのがここの特長だが、やっぱりアツアツをいただく。
とろりとろりとタレをなでつけ、小さめの団子にかぶりつく。
香ばしさと優しい甘み、そしてきなこのハーモニー。
10分20分並んでも、食べる甲斐のある(行列は嫌いだが…)逸品である。

ご機嫌で京阪に乗って大阪方面に向かう。
きょうも充実の一日だったな、と思う間もなく、車中での眠りを貪るのだった。