ノンフィクション
舞台は19世紀末、万博を控えたシカゴ。 工場の煙と汽車の喧噪のさなかに二人の男が住んでいた。 ひとりは建築家、ひとりはシリアルキラー(連続大量殺人犯)。 二人とも、激しい勢いで二十世紀になだれこもうとしていた アメリカならではのダイナミズムを…
ちょいと前に観たばかりの映画「ザ・コーポレーション」原作本。 http://d.hatena.ne.jp/mike-cat/20060414 搾取だけにとどまらず、環境破壊にメディア操作、健康阻害… 悪の限りを尽くし、わたしたちの社会を支配する、 「企業」の手口を暴き出し、分析を加…
英BBCでTVドラマ化(それも大人気!)されたという、 ベテランホテルマンによる匿名の裏側暴露、である。 文春文庫で出てたジェフリー・ロビンソンの 「扉の向こうに隠された世界 ザ・ホテル (文春文庫)」というのもあったが、 あちらはあくまで、ノン…
わが家の本棚で長らく?積ん読?になってた1冊(上下巻で2冊だが)。 ようやく「ホテル・ルワンダ」を観ることができたので、ついに本を開く。 スティーヴン・キングの作品を思わせるおどろおどろしい表紙からは、 ホラーの佇まいを見せているが、れっきとし…
原題は?THE RESCUE ARTIST? 夢中で読み終えたと思ったら、19日付の日経書評で取り上げられてた。 ?ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ムンク− 名画はなぜ盗まれるのか? 巨財な犯罪市場を形成する美術品盗難の世界を、 ロンドン警視庁の囮警察官の視点から暴いたノンフ…
「映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)」に続く第二弾。 「映画秘宝」の好評連載「Yesterday Oncemore」 を大幅に加筆修正した、文字通り〝映画の見方が分かる本〟である。 名だたる傑作、名作…
「このミステリーがすごい!」「本の雑誌」など、ベスト10が出そろい始めた。 で、読みたい本はもともと山ほどたくさんあるのに、 それが倍増、3倍増とさらに苦しくなってくるのがこの季節なワケだが、 何号か前の「本の雑誌」で見て以来、気になっていた…
これまた旅行前から気になっていた一冊。 〝わたしは自分の歳を言うとき、戸籍上の年齢から三つ引くことにしている。 三年間はロスだったからだ。しかも二十歳から二十三歳までの、華の三年間だ。〟 こう語る、著者がその3年間何をしていたか、というと、 …
原題は〝Men and Dinosaurs〟直訳すれば、男たちと恐竜。 〝6400万年前に絶滅した恐竜たちの姿を甦らせた男たちの物語〟だ。 1822年、イギリスのマンテル夫妻が見つけた、先史時代の歯の化石。 トカゲのような爬虫類と思われるその化石こそ、 世界で…
2001年9月11日の米同時多発テロで、全世界を衝撃に陥れた 世界貿易センター(WTC)への旅客機突入、崩落事件を再現したノンフィクション。 あの衝撃の映像は、いまでも脳裏に焼きついているし、 テロの裏にあった巨大な陰謀は、もうマイケル・ムー…
〝魂の暗部を抉りつくすノンフィクションノベルの金字塔〟 金字塔、の前には「言わずと知れた」のひと言を添えてもいいだろう。 とか、言う割に実は読んだことがなかったのだ。 言い訳になるのだが、いわゆる〝古い翻訳〟がどうにも苦手。 たとえ、名訳と言…
マクドナルドの食事だけで一カ月暮らしたらどうなるか? で話題を呼んだ「スーパーサイズ・ミー」のスパーロックによる詳細版&後日談。スーパーサイズ・ミー [DVD]出版社/メーカー: TCエンタテインメント発売日: 2005/07/08メディア: DVD購入: 1人 クリック…
「本の雑誌」の巻頭で紹介されていた、 版権切れで新訳相次ぐ「星の王子さま」関連本。 1944年、自ら操縦する偵察機で飛び立ったまま、二度と戻らなかった、 「星の王子さま」の作者、サン=テグジュペリの謎を追った、 日刊紙《ラ・プロヴァンス》の記…
〝浴室一面に広がる血糊、壁に張りついた脳みそ、飛び散った頭蓋骨、 ソファに染みこんだ腐った体液、ハエの大群と蠢くうじ虫、 道路に点在するピューレ状の肉体、腐敗臭を放つゴミ屋敷……。〟 こんなオビを見て、その本を買うなんて、どうかしてる。 そう指…
1923年9月1日午前11時58分、それは起こった。 文字通り大地を揺るがし、大火災を巻き起こし、14万人もの命を奪った。 そう、関東大震災だ。 1967年、外国人記者によって、世界で初めてまとめられたドキュメンタリー。 当時の記憶を持つ人も…
ノルウェーはオスロ在住の戦場ジャーナリストが、 アフガニスタンで書店を営む、ある家庭の物語を、 タリバンによる圧制の時代から、 米国による〝解放〟後まで詳細に再現した、ノンフィクションだ。 主人公は、家父長として君臨する書店主のスルタンと、そ…
広島への原爆投下のカウントダウンを、多角的に再現したノンフィクション。 ニューメキシコ州での実験から、運命の日、1945年8月6日までを、 J・ロバート・オッペンハイマーら、ロスアラモス研究所の科学者たち、 ポール・ウォーフィールド・ティビッ…
サブタイトルは〝ノーベル賞受賞者精子バンクの「奇妙な物語」〟 トンでもないストーリーだと思いきや、のノンフィクション。 内容の面白さに加え、読みやすさもなかなかだ。 ノンフィクション独特の重たさもないし、自信を持ってお勧めできる一冊だ。 19…
平たくいうと、本のタイトル通りそのまんま。 ニュージャージー沖の海底で発見された、二時大戦中のUボートの残骸。 戦史をひもといても、なぜか記録にないこのUボートは、 どこから来たのか、そしてなぜこの海底に沈んだのか。その謎に挑んだ、 ディープ…
フェリシティ・ローレンス「危ない食卓 スーパーマーケットはお好き?」。 こちらも、なまじっかのホラー小説よりずっと怖いノンフィクションだ。 食の現場にはびこる欺瞞、そして犯罪的な行為の数々… グローバリズムの弊害で、危険な兆候を示す〝食の現状〟…
きょうから沖縄。 蒸し暑い。モノレール便利。とりあえず、以上。 で、本は全然関係なく、 言わずと知れた〝欲望百貨店〟(by三浦しをん)伊勢丹のお話。 いわゆるビジネス書って嫌いだけど、 伊勢丹と聞いてだまってはいられない。 母親は3姉妹そろって…
フランス、パリの3つ星レストラン「タイユバン」に アメリカのフードライター(エディターかも…)が、 見習いコック&ディナーとして飛び込んだ体験記だ。 シェフのフィリップ・ルジャンドル、そしてパティシエ (本ではペストリー・シェフ、とある)のジル…
「スパイの世界史」「陰謀の世界史―コンスピラシー・エイジを読む」 の姉妹編、という扱いになるらしい。 オビがなかなかそそる。 「その時、禁じられた絆が歴史を動かした ギリシャ・ローマ時代から現代まで− 世界史の闇に隠されたホモセクシャル・コネクシ…
ようやく読み終えた。 言わずと知れた、あのファッションブランド、 GUCCIの誕生から、家族の内紛、そして復興、 そして投資ビジネスの世界での苦闘を描いたノンフィクションだ。 2004年9月発行、けっこうすぐに買っていたのだが、何だかとっつき…
僕の頭の中じゃないよ。そりゃ空白だけど、恐るるには値しない。 19世紀半ば、初のオーストラリア大陸縦断を果たした、 ロバート・オハラ・バークと、その若き相棒、ウィリアム・ジョン・ウィルズたち。 その過酷を極めた探検の様子をまとめたノンフィクシ…
で、本日のご本はアントニー・ビーヴァーの「ベルリン陥落 1945」 二次大戦下のドイツが敗れた際の、ソ連赤軍連中のベルリン進攻の様子を中心に、 当時を振り返ったドキュメントものだ。 これが重い、ひたすら重い。本自体の目方もだけど、内容はもっと重い…