秋の紅葉めぐりin泉涌寺&東福寺

mike-cat2006-11-22



秋も深まり、ようやく紅葉シーズンに突入。
昨年は清水寺延暦寺などに足を運んだが、
ことしは京都・洛南、御寺泉涌寺と、
通天橋で有名な東福寺へ向かう。
モーツァルト北浜〟の登場で盛り上がる
おけいはんこと京阪に揺られ、「東福寺」へ。


ガイドなどによれば、駅から10分少々で泉涌寺
しかし、坂、なんである。お寺さんが近づくにつれ、傾斜は強まる。
距離的にいっても、若い人間の健康な足でも15分弱といったところ。
ご年配の方だと、この坂を登って本堂にたどり着くまでには20分は軽くかかりそうだ。


「意外に遠いな…」と苦笑いしつつ、ようやくお寺に到着。
500円也の拝観料を納めると、
有名な(らしい)楊貴妃観音を拝むよう、強く推奨される。
入り口すぐ横の観音堂には、中国・南宋時代の観音菩薩像が。
何でも〝美人の神様〟というのがキャッチフレーズだとか。
お堂の中が暗いので、実際にはよく見えないが、写真を見る限りそんな感じだ。
しかし、そのお堂の横にある紅葉がなかなかにいい感じの色になっている。

これは、これは…、という感じで、紅葉気分がぐいぐい盛り上がってる。


お次は仏殿へ向かう。
清少納言の碑という灯籠の横にも黄色く色づいた木が見え、こちらもなかなか。
だが、観光ツアーの一団が登場すると、珍しい光景が。
「こちらが本堂だよ。こっち見ていかないの?」
ツアーガイドに向かって、〝客引き〟をしているのが、何とお坊さん。
へぇ、そんなことするんだ、
と思って見ていると、ツアーガイドがこれをほぼシカトする。
どうも、お目当ての御座所庭園を前に、1分でも時間を節約したいらしい。
お坊さんへのあんまりな仕打ちに、代わって僕らが仏殿を拝観。
独特の柱の配置や、根元が皿状の石で固定された形状がなかなかお洒落だ。
ウィキペディアによれば、典型的な禅宗様式になるということらしい。


で、いよいよ、御座所庭園へ。
ここに入るのは別料金。入るのを躊躇っている人もいたりする。
しかし、ここに入らないと、正直ここまで来た価値はほとんどないに等しい。
300円也をおさめ、中に入ると、微妙な屏風絵の数々が並ぶが、これは放置。
グイグイと順路を進んでいくと、名高い評判のお庭に達する。
ひとこと、圧巻だ。

作り込まれた日本庭園の小宇宙が、そこには展開されている。

赤、黄色、そして緑のコントラストも鮮やか。

何より、その赤の発色のよさといったら、近年記憶がないほどの鮮やかさ。
まずは思わずホーッと見とれ、デジカメを構えるのを忘れるほどだ。
もうこれだけで帰ってもいい、ぐらいの満足感を胸に、泉涌寺をあとにする。


東福寺へと向かう道すがら、今熊野観音寺に立ち寄る。
知らなかったのだが、こちらでは「紅葉まつり」を開催中。
失礼ながら、あまり期待していなかったが、こちらの紅葉もなかなかにイケる。
本堂裏手の塔に、紅葉が重なる光景は、とても自然な感じだ。

階段上からは、思わず飛び込みたくなるような、紅葉のベッドも望める。

全体的にはやや早めの感もあったが、
色合いの多彩さが、それもよし、という感じで、楽しめた。


そして、いよいよ東福寺の誇る紅葉の名所、通天橋へと向かう。
今熊野観音寺から歩くこと10数分。
次々と到着する観光バスと立ち並ぶ屋台に不安を感じながら、東福寺へ近づく。
道には見渡す限りのかしましいオバ、オバ、オバ…
平日であったことを忘れるぐらいの人出にげんなりしつつ、いよいよ到着。
通天橋を望める入り口の橋で、いきなりツアーの一団が滞留している。
しかし、後続のツアーガイドの容赦のない一喝でやや分散。
その間隙を縫って、すかさず通天橋が見えるスポットに入り込む。

ゆっくり楽しむ余裕はとてもないが、この後が期待できそうな光景が目前に広がる。


トンカチ状の判子で、チケットの裏に検印をしてもらい、いよいよ通天橋へ。
橋の手前に広がる一面の紅葉も、いきなり見事。

鮮やかに色づいたしだれモミジが、思わずため息を誘う。


そして、いよいよ紅葉に埋め尽くされた峡谷を望む通天橋へ。
戦後の食糧難を思わせる押し合いへし合いを演じるオバに圧倒されながらも、
ようやく最前列にたどり着くと、そこにはまさに絶景が待っている。

休日は身動きすらできない混雑も予想されるが、この景色なら仕方ない。
先ほどの泉涌寺とはまたひと味違う、圧倒的な紅葉に、言葉を失う。


雑踏から抜け、通天橋を越えると、あとは峡谷の下への向かう道。
しっかりと色づいたモミジなどを間近にしながら、晩秋の佇まいを楽しむ。

まあ、あんまり近くで見ると、色がばらついたり、虫食いがあったり、と、
お花や紅葉は、つくづく美人と一緒だったりするのだが、それもまたよし。


こんな感じのゆっくり散策で、だいたい3時間弱。
色づき具合もちょうどいい感じで、まさに紅葉を満喫した、という小トリップとなった。
あとは四条から先斗町駿河屋でわらび餅を買い求め、
木屋町三条・高瀬川沿いのキル・フェ・ボン(quil fait bon)へ。
(大阪にはないのだ、このお店…)
さつまいも、柿とショコラ、シブースト、
マンゴープリン、フレッシュ・ブルーベリー、季節のフルーツと、
6種類のタルトに加え、黒コショウとオレンジのクッキーを購入。
(実は2人分のデザートなのだが…)
三条の明治屋で夕食の買い物をすませ、家路へと着いたのだった。