旅行7日目&4カ国目、いよいよケルン。

mike-cat2005-11-19



朝7時前にホテルを出発、まだ暗い道を中央駅へ向かう。
朝早くの中央駅は微妙に暗い。
プラットホームの表示が出るまで、
コーヒーやチーズパイなどをぱくつきながら時間を潰す。
ようやく表示が出たホームは、一番端っこ。
汚い列車が入ってきて心配になるが、これは違う列車だった。
ドイツが誇る超特急ICEは、タリスなんか問題にならないきれいさ。
ケルンまでは約2時間半の旅となる。
ここまでのタリスは2等車だったが、さすがに長いので1等車を予約した。
このICEというのは、基本的に自由席、
しかし、予約をしておくと、指定席も取ることができる。


ようやく列車に乗り込み、座席を探す。
しかし、ずらりと並ぶ座席の中に、指定された100番台が見当たらない。
何でかな、と思ってウロウロし、はたと気づく。
もしやコンパートメント? そんなうまい話が…、と思ったらあった。
4席のとてもきれいなコンパートメントが独占状態で用意されていた。
大喜びで座席に座り、ちょっとしたゴージャス気分を味わう。
ふと車窓からの景色を眺めると、横には前日も目にした運河。
しかし、夜明け間もない運河には、美しい朝もやがかかる。

おう、幻想的な光景だ、と感激しながら、自家製のサンドイッチを食す。
クミン入りのチーズはものすごい味になってる。
確かにおいしいんだけど、ほかの味が全部殺されてしまうのが難。
あんまりにも強烈すぎるんで、最後は外して食べるのだが、残り香が…


そういえば、さすがドイツ人と感心したことがある。
清潔な車内、テキパキした車掌もさることながら、
座席のテーブルに用意されたこのICE105号〝専用〟のリーフレットだ。
乗り換え時間から列車の連絡などなど、細かい情報がわかりやすく掲載されてる。
ヨーロッパはもうひとつになった、というけど、
つくづく国民性(地域性?)は違うものだな、と感慨を覚える。


列車の快適さも手伝って、気持ち的には思ったより早くケルンに到着。
雰囲気たっぷりのホームからは、早くも大聖堂が望める。
それもそのはず、このケルンの駅は、何と大聖堂の真横に位置する。
駅を出れば、はい大聖堂、となる。安直だけど、やっぱりすごい。
これまた大聖堂真横、のDom Hotelへ向かう。
しかし、駅から見ると裏側のため、大聖堂横の階段をヒイヒイと上る。
あとで見たらエレベーターがあったりして、すんごく悔しい思い…


まずはホテルにチェックイン。荷物を預け、すぐに外へ出る。
ホテルの横は早くもクリスマス気配だ。
さすがカーニバルで有名なケルン、と勝手に納得。
クリスマスツリーに、銅で作ったキリスト生誕のジオラマ、そして屋台…


ホテルにもサンタクロースが飾られていたりして、これまたナイスだ。
しかし、どうも祭りは翌日から?
ケルンは一泊のみで、翌日午前中には出発という日程が悔しい…


それでも、気を取り直して大聖堂へ。
157メートルを誇る塔の上に、果敢に挑む(自画自賛してみた)。
入り口で2ユーロ也を払い、509段という階段を上り始める。
もちろん、エレベーターなんて俗なものはなし、だ。
しかし、このらせん階段がやたらと狭い。
それも、上りも下りもこの階段のみ、というシチュエーション。
でっかいヨーロッパ人たちと行き違うのは、かなりきわどい。
特に下りる人間が、ステップの広い方を取っちゃうから、
上る方はかなり狭いステップを、ちまちまと上がって行かねばならない。


らせん階段に目が回しながら、ようやく塔真ん中のホールへ。
ここから、鉄骨製の階段を上っていく。
この階段が微妙に頼りなくて、高所恐怖症の人には無理そうなヤバさ。
僕も基本的には高所平気なタチだが、何となく足がすくむ。
足が重くなり始めた頃、ようやく展望回廊にたどり着く。
落書きだらけの回廊を進むと、外へ開ける窓が見えてくる。
そこには、ライン川が一望(いや、全部じゃないが…)できる光景。
この旅行何度目か覚えていないが、またも思わず感激する。

ケルンの街をぐるりと見渡し、今度は鐘楼へ。
正午5分前だったので、ちょっと待って鳴るのを待つ。
大きな鐘を目の前に、ゴオオオオオオーン、という音色を待つ。
さあ正午、さあゴオオ…、と思ったら、違うところから地味めのゴーン♪
えっ、と思うと、横の小さめの鐘が鳴る。
ああ、順番? と思って待つが、結局大鐘は鳴らないまま。
どうも、この大鐘は、単なるお飾りだったらしい。残念…


塔を下り、有名らしいステンドグラスを見ているうちに、お腹が減ってきた。
先ほど見かけた、駅構内のソーセージ屋へ向かう。
やっけにチャキチャキのバアちゃんが次々とソーセージをボイル&ソテーする。

英語はまったく通じないので、指さしで「アレください」。
比較的プレーンなソーセージがボイルされ、
たっぷりのマスタードとカイザーロールを添えて供される。
おう、ドトールコーヒーのジャーマンドッグだね。
しかし、味は全然、まったく、明らかに、やたらと違う。やたらと、ってヘンだぞ…


パツンパツンに張った皮がプッツリと破れると、
口の中にはジューシーな肉汁が口の中にあふれる。
かすかなスパイスと、肉の濃厚な味わいがぶわっと広がる。
さすがドイツ、ソーセージの本場(イメージ)だ。
たまらん、もうひとつ食いたい。
Curry Wurst(これは翌日食べたが…)というのもある。
いったい何? と思いつつ、横のおっさんが頼んだのを注視する。
何だか、デンジャラスな一品。とりあえずスルーし、ほかのものに移行する。


とりあえず、甘いものも食べたいので、
構内に立ち並ぶお店の中から、ウィーン風のブーランジェリー&カフェをチョイス♪。
店頭に並ぶパンのショーケースには、やたらとそそるアップルパイが!
ブッシュ・ド・ノエルのスライスとともにコーヒーなども注文し、すぐに貪る。
おう、こいつもやたらと美味しい。甘いんだけどね…


気分をよくして歩いていると、ヘンな青ユニフォームを着た面々が…
朝からチラホラ見かけた、
歌っている、がなっている、酔っぱらっている人が大繁殖している。
ああ、そういえばきょうは土曜日だった、と気づく。
そう、つまりサッカー、ブンデスリーガの開催日。
地元1.FCケルンのきょうのお相手はシャルケ04らしい。
シャ〜ルケ〜、シャ〜ルケ〜♪ と道行く人に訴える。
ケルンのサポーターもそれに応えたりしてるのだが、
サッカー場ならともかく、駅構内ではどう見てもこの人たち、鼻つまみ者…
みんな、迷惑そうに避けて通る。
何だ、いくら本場でも、やはりサッカーに関係ないところでは、
〝困ったちゃん〟扱いなのか、とこれまた妙な感心をしてみたりする。


ここからは、酔っぱらい(まだ午後1時前後…)をよけながら、駅の構内探検。
ブレーメンが本店、という紅茶屋さんをのぞく。
マリアージュとかでもいつもそうだが、あまりにフレーバーが多くて、迷ってしまう。
いくつか香りをかいでから、マンゴーのフレーバーの紅茶に決定。
かぐわしいほどの甘い香りがたまらない(ちなみに飲んだのは帰国後)。
ちなみに、駅構内のクリスマスの装飾も鮮やかで、また気分が高揚してくる。


ここから繁華街方面へ向かう。
途中、クリスマスオーナメントや飾りなどが置いてある小物の店へ。
ここがもう、ちょっとしたミュージアム。宝石箱のような逸品ぞろいだ。
ここだけでも1時間くらい過ごせそうな店内を、ワクワクしながら眺める。
ワレモノ問題も考えつつ、
買ったのはマッチ箱に入った小さな人形たちと、
猫を抱く天使とウサギのプチ置物の計3点。

ケルン製、ではなくドレスデン製なのだが、ドイツみやげ、ということで許可。
しかし、デパートやほかの店でも思ったが、
ドイツはクリスマスグッズがえらく充実してる印象だ。
また、クリスマスの直前(当日は微妙な気が…)に訪れてみたいものだ。


で、続いてはせっかくなのでライン川を見に行こう、と橋の方へ。
途中、そこかしこで祭りの準備が進められているので、とりあえず目で楽しむ。
川沿いに出ると、そこにはライン川の遊覧船が。
雄大な流れに浮かぶ遊覧船、川面に映る対岸の景色…
これだけでも十分、ケルンに来た甲斐がある、といい切れる。


ここで凍えてきたおくさまが手袋を取り出そうとすると、片方ない。
きた道を戻ったりしても、見つからない。
この寒さで手袋なし、というのはちょっとまずいので、手袋を買いに…
いけない、一番最初に見つかったのが「H」のマークのお店。
まあ、危険なお店ではあるが、このお店なら、
きっぱりあきらめられる値段だろう、と思い、とりあえず革手袋を見せてもらう。


黒いカーフの手袋は、色目も形もとっても素敵。
シルバーとゴールドが選べるセリエ(ボタン)には、あの「H」のロゴが…
じゃあ、お値段も素敵でしょう、と訊ねると、意外にまともな価格。
あっ、高いけど買えなくない、というか何というか…
しかし、モノはいいし、買っちゃえ、ということで即ご購入してしまう。
いや、もうちょっと高ければ、すっぱりいけたのに(苦笑)…


で、せっかくだから、ライン対岸からも大聖堂を眺めようと、川を渡る。
寒い。ムチャクチャ寒い。
さすが橋の上、気持ちがいいほど風が抜けて、身は凍える。
しかし、渡るだけの甲斐はある。ライン川越しの光景もまたすばらしい。
少し傾き始めた陽も、またいい感じの雰囲気を醸し出し、ロマンチックのひと言。
遊覧船が目の前を通り過ぎると、ポストカード顔負けの光景が展開される。

感激しつつ帰りの橋を渡っていると、鳴らしっぱなしのクラクションが…
振り返ると、〝Just Married〟(ドイツ語わかんね)の車が走ってくる。
運転席には新郎(これは普通)、助手席にはクラシックなドレスに身を包んだ花嫁さん♪
後ろにくくりつけられた缶からの音も鮮やかに、ふたりは去っていく。
いいもの見せてもらった、とまたもお得気分を味わってしまった。


戻ると、すっかり陽は落ちて、イルミネーションがまたたき始める。
ライトアップされた大聖堂とともに、見るもののこころをときめかせる。
ここから繁華街をふらふらと歩く。
街の雰囲気は、ここまで、ユトレヒト含め5都市の中でもっともきれい。
デパートの装飾もなかなかいい雰囲気で、これまた気分が浮き立つ。
デパートのショーウィンドウには、テディベアで有名なシュタイフのディスプレイ。

クマたちが織りなす、様々なテーマのディスプレイには、思わず足が止まる。


そんな浮き立つ気持ちをぶつけるのは、もちろん食べ物。
デパートの軒先に出店しているソーセージ屋で、ガッツリいただく。
こんどは超特大の焼きソーセージに、渦巻き状に巻いてある白ソーセージ。
よだれを垂らしそうになりながら、供されるのを待ってると、「どっちだ?」と訊かれる。
何が? と思ってみると、ケチャップとマスタードを指さしている。
いや、そんなの「両方」に決まってる。
しかし、英語でそう伝えると「何いってんだ?」という表情。
〝両方つける〟のがダメなのか、英語が通じないのか、強引に2者択一を迫られる。
もしかして、ドイツってあんまり英語通じない?
仕方ないので、マスタードをチョイス。ま、美味しかったからよしとする。
香ばしく焼かれたソーセージの味は、これまた最高♪
口いっぱいに頬張り、しばし愉悦の時を過ごす。カロリー? 気にしない。


繁華街の外れまで行ってしまったので、ホテルの方向へ戻る。
やたらと寒いし、時計を見たらもうそこそこの時間だったりする。
さあ夕食だ、ということで、レストランが立ち並ぶ通りへ。
そこでまたもや、はたと気づく。
どうも、サッカーの試合が終わったらしい。
そうとなれば、結果は明白だ。サッカー帰りの観客で、レストラン満杯…
どこに行っても満員、満員、満員…
けっこう高飛車に断ってくる店も多くて、けっこうムカつく。


しかし、あんまりヘンなとこも〜なんて迷ってるうちに疲れてしまう。
結局いいかげんなステーキハウスに入って、食事をすます。
美味しかったか? 訊かないでちょうだい…
お口直しは、この旅行で初めて見かけたスタバにて。
店の外に出て、再びクリスマスツリーを見物。
霧に煙って幻想的な雰囲気すら漂わす大聖堂にまたもクラクラする。


で、ホテルに戻ろうとすると、同じ敷地内にルイ・ヴィトンが…
あれ? この前パリでは見かけなかったトートバッグ発見。

(いわゆるクルーズラインの2006年モデル、ね)
あっ、まずい。かなりこれはキテるかもしれない。
ヴィトン好きの奥さまはもちろんのこと、
かつてはアンチ・ヴィトンだった僕まで欲しくなってしまった。
トランペットの欲しい子どものようにショーウィンドウを眺め、
とりあえず、「もう閉店していてよかった…」と、問題を先送りにする。
しかし、ブームになるはるか前、だいたい15年前からトートバッグを愛用し、
サンフランシスコ(名物らしい、のだ)ではバカのように買いまくった僕としては、
あれはどう見ても〝買い〟に相当する。
値段が値段なのだが、これからパリに戻っての4日間、ガマンしきれる自信なし。
結局どうなったかって? まあ、それは後日のブログにて…