沙羅双樹が見ごろとの情報で、京都・大原、宝泉院へ。

mike-cat2005-07-03

もちろん、大原といえば、の三千院にも行ったけどね。


朝6時台に起きて、京阪・出町柳へ向かう。そこから京都バス。
まずは終点大原の2つ前、「野村別れバス停」で下車、
大原ふれあい朝市をのぞく。毎週日曜開催らしい。
地場野菜や民芸品などなど、こぢんまりながらなかなかの活気。
しかし、きょうのスケジュールを考えると、
買い物はちょっと微妙なため、断念する。


で、ふたたびバスで終点大原へ。
しとしと雨が降る中、宝泉院に向かう。
http://www.hosenin.net/
朝九時のオープン、じゃなくて拝観時間開始に到着、うれしい一番乗りだ♪
いわゆる観光地っぽくない、まずまずひなびた雰囲気がなかなかいい。
隣の勝林院から読経らしき声が聞こえる中、誰もいない境内。
まずは前庭で桔梗が出迎えてくれる。
数がさほどないのと、見ごろ的にはやや早めだったけど、わびさびって感じのいい風情。

そして、客殿に上がり、鶴亀庭園をのぞく縁側へ。
お目当ての沙羅双樹に臨む。
平家物語の、諸行無常の響きあり…のくだりあたりで出てくるとか。
開花と落花を繰り返すあたりが、いかにも諸行無常なんだろう。
種類的には、いわゆる夏椿、らしい。
言われてみると、花は確かにツバキと同じだ。なるほど、ね。
しかし、なかなか資料写真とかで見るようなベストアングルはなかなか難しい。

庭園には、まだ見ごろの螢袋も。
一本だけだったが、これまた、なかなかの風情だ。

そして、客殿の広間にて、拝観料でセットになっている、抹茶とお菓子をいただく。
その際、広間から見える額縁の庭園、というのがこれまた名物だとか。
柱と天井を額に見立て、中に見える風景を楽しむというやつ。
どうも、西に見える竹林がメインらしいのだが、
南に見える、樹齢700年の五葉松がとっても風雅、というかいい感じだ。

じっくりとお茶をいただきながら、風景を楽しむ。
聞こえる音は、降りしきる雨音のみ。
だらだらと写真も撮りつつ、和む、和む、和む…
ここまで、日曜日だというのに、実は貸し切り状態。
腰を上げかけたあたりで、観光ツアーの方々が到来し、一気ににぎやかに。
「早く来てよかった」。
〝早起きは三文の得〟という言葉を思い出し、にやりとほくそ笑む。


宝泉院を後にし、大原の〝定番〟三千院へ向かう。
こちらは宝泉院と比べて、だいぶアレですな。
観・光・地♪って感じで。と、自分だって観光客のクセに、ひとりごちる。
客殿に入ると、そこには「買え! 買え!」の眼力鋭いおじさんがいる、土産もの売り場。
何だかなぁ、と思いつつ広間に出ると、
庭園のいっちばんきれいなトコが見えるあたりの縁側には、ごていねいに緋毛氈が…
どうも、お茶500円なりを注文しないと、景色は十分に楽しめない。
「世の中、カネや」と、声に出して揶揄しつつ、先に進む。
今度は「感謝」だの何だのが挿入された、〝相田みつを〟っぽい標語が掲げてある。
まるで、新興宗教
ま、日本の仏教だって長い歴史で見れば〝新興〟だけどね。何か違和感。
ざざざっと、一気に苔庭に向かう。
ここは、パンフレットにある通り、紅葉とセットがポイントじゃないかな、と。
この季節は、「ああ、一面に苔が生えてるね」以上でも、以下でもない。
風情はあるけど、プレステージ感は全然ないかな。
ここでもたくさん商売してるし。
こういうのと、仏の御心の関連をぜひ知りたいものだが、まあよしとする。


で、ようやくお目当てパート2、紫陽花の咲く庭園へ。
普通に考えると、かなり見事な庭園だと思う。
空梅雨で痛みかけていた花びら(いや、ガクだけど)も、ここ数日の雨で復活。
数千本(らしい)のアジサイも、紫陽花街道とかいうのがあって、いい感じで眺められる。

しかし、先日見た三室戸寺アジサイと比べると、
景観、ボリューム、種類…、どれをとっても、やはり数段落ちる。
もちろん、きれいなんだけど、三室戸寺があまりにもすごかったので…
しかし、ホシアジサイはなかなかナイス。とてもかわいい。
本日のベスト・アジサイ賞を差し上げることにする。

三千院を後にし、参道を大原バス停に向かう。
行きにちょっと気になっていた、河童ちゃんの看板に書かれた〝アイスキュウリ〟。
冷やした浅漬けキュウリの丸かじりだ。1本150円、2本で200円。
けっこう楽しみにしていたのだが、化学調味料きつい。かなり、きっつい。
いつも思うことだが、化学調味料を使ってない京漬物は絶滅したの?
野菜の味のしない漬物なんて、すごい無意味に思うのだけど…、
と、「美味しんぼ」の教えを、あらためて実感する。


そろそろ食事どき、ということで、バスで三条京阪へ。そこから徒歩にて錦市場へ向かう。
以前から行ってみたかった、「かね松・やお屋の二かい」
http://www.dbn1.net/maehara/home/link_kanematsu.htm#nikai
1階の八百屋さんは、いつも眺めていたけど、お食事はお初だ。
長寿ランチ(¥2100)、というやつをいただく。
茄子の揚げ浸し、トマトに煮崩した冬瓜を和えたもの、
長いもとキュウリを和え、ゴマだれをかけたくずし豆腐、小松菜とエノキのお浸し、
とうもろこしごはん、タマネギとキャベツのおみそ汁、お漬物…
ヒットは、くずし豆腐かな。長いもとキュウリ、豆腐の食感の組み合わせがたまらない。
こんど、真似してみようと決意する。よくやるパクリ…
あとは、とうもろこしごはん。
刻んだ壬生菜の漬物が載ってなかなか気が利いてる。
トマト&冬瓜もよかったな。やさしいお味。


デザート付、だ。
ブルーベリーを寄せた〝ブルーベリー羹〟と、枝豆餡の葛包みをいただく。
ブルーベリー羹にかかっている、長いもを使ったと見られるソースが不思議。
あんまり長いもっぽい味はしないけど、食感が面白い。
ブルーベリー羹自体は、なかなか酸味が鮮烈。悪くない。
枝豆餡は、ずんだ餅ほど濃くない。軽い感じで、葛とも合う。なかなかだ。


お店がどんどん拡張されていて、
だいぶ観光地っぽい感じにはなってるけど、お味の方は一定の水準を保っている印象だ。
コストパフォーマンス的にも、まずまずといっていいんじゃないかと思う。
錦市場の雰囲気を楽しむついでに、寄ってみて損はないかな。


食後はかね松でちょいとお買い物。
まずは店頭の〝黄色いサクランボ〟に衝撃を受ける。
10数個で4800円。あらららら…
見なかったことにして、トマト売り場へ。
ほおずきトマトとか、ミニチュアトマトとか、徳谷トマト(フルーツトマトのブランド)…
これまた高いので、見なかったことに。
地場産トマトを手に取り、次に進む。
ミニチュアパイン発見。かわいいので、これまたおひとつ。
続いてプラム。〝福岡産〟だったりしたけど、おいしそうなので、よしとする。
ほかに、塩ぽん酢、かぼす醤油、国産ピーナツを使ったピーナツバターなど購入。
もちろん〝男の趣味料理〟に最適な魅惑の野菜が多いのだが、
気になるごとに買っていったら、きりがない。
冷静なこころを思い出し、今夜の食材選びに気持ちを切り替える。
結局? いや、丹波産地鶏の竜田揚げ。美味しゅうございました。


その後、同じく錦市場の花屋さんにて、
カラーと珍しい種類のガーベラ(スパイク何ちゃら、とか)、苔サンゴなどを購入。
あとは、何だかやたらと新しい店が増えてる寺町京極を冷やかしつつ、京阪三条へ。
午後三時。早起きのダメージがそろそろ、体を蝕む。
平たく言うと、眠いので帰ることにする。
しかし、〝お花と京都〟ツアーはやはり格別だ。
お食事も美味しかったので、満足感はかなり高♪。
次の目標は、睡蓮。ああ、楽しみだ。