David Zinczenko, Matt Goulding 「Eat This Not That!: Thousands of Simple Food Swaps That Can Save You 10, 20, 30 Pounds-or More!」
シャーロットの空港で見つけた、笑える1冊。
“The No-Diet Weight Loss Solution!”
「これを食え! それはやめとけ!」
“ダイエットしないで、体重を減らす方法”を謳う、
なかば本気、なかば冗談のビジュアル豊富なダイエット本だ。
著者はNYタイムズのベストセラー・リストにも載った、
「The Abs Diet」などでも知られる、「Men's Health」誌の編集者。
外食産業の巨大さでも知られるアメリカの、
主だったチェーン店をほぼ網羅し、
そのメニューの中でお勧め&非お勧めを写真とともに紹介する。
マクドナルドのエッグマフィンは大丈夫?
バーガーキングのワッパーは?
クリスピー・クリームでは何を食べるべき?
そんな疑問に答えてくれる、ありがたくもバカバカしい一冊だ。
根源的な部分で言えば、
痩せたければそういうところで食べるな、で話は終わりだが、
そこはそれ、「食べた〜い! でも、痩せた〜い!」というCMもあったように、
せめてこのメニューを選べば、という選択肢を示されるのは悪くない。
まあ、大体がこの本自体を真に受けて痩せようとするより、
話のタネとして、写真たっぷりで趣向を凝らした1冊を楽しむほうがいい。
A to Z で並べられたチェーン店は多種多彩。
けっこうアメリカの店は知っていたつもりだが、その数にまず驚かされる。
そして、そのメニューたるや、もうすさまじい。
本の冒頭で紹介される、ワースト20メニューは、
一食だけでもう、健康被害を及ぼしそうな高カロリー食のスミソニアン博物館。
眺めるだけで、もう一食分スキップしても大丈夫になりそうなほどだ。
各メニューには、カロリーだけでなく添加物などについての記述も豊富。
「隠された危険」だの、「意外な事実」だのといった、
TIPSがちょこちょこと書いてあってこれまた興味深かったりする。
「わたし、そういうチェーン店には行かない」という、
ハイソな方にもためになるページがあるのでご安心を。
メキシコ料理店やイタリア料理店の典型的なメニューでも、
「これを食え! それはやめとけ!」が詳細に解説される。
家で食べる冷凍食品各種にスナック菓子、アイスクリーム…
こちらも写真をたっぷり使って解説されており、ホント親切だ。
さらに、野球場へ行ったらこうしろ、
イースターではこうしろ、サンクスギビングでは…
といったように、TPOに応じたサジェスチョンも豊富に取りそろえている。
食べることに興味があるなら、まあどんな人にも対応できる楽しさ。
写真もたっぷりだから、ぜひお勧めしたい1冊である。
ふつうに日本のアマゾンでも手に入るので、お試しいただきたいものだ。
オーガスタもお花の季節
アザレアにドッグウッド、そしてジャパニーズ・ウィステリア…
花が咲き誇っている。
ちなみにつつじとハナミズキ、藤だったりする。
地下パイプで温水を通したり、
氷を撒いたりして開花時期を調整しているらしい。
マグノリア(もくれん)が有名な並木もあるが、花はもう終わりの様子。
せっかくのきれいなお花。
トーナメント中は写真撮影禁止だが、
練習日はOKなのでちょっとパシャリ♪とやってみたりする。
こちらは有名な「南無阿弥陀仏の曲がり角」。
右スミの小さな点は、たぶんいま一番の有名人。
こちらは藤の大木が2本並ぶ絶景。
後ろの水面に映るツツジも見事としかいいようがない。
ツツジはここがお勧め。
「水切り」が楽しめる場所としても知られている。
というわけで、ゴルフの本当の価値がわからない人にも楽しめるオーガスタ。
これでゴルフが好きだったら、本当にたまらないだろうな…、と。
オーガスタ!
デンバー、シャーロットを経由し、オーガスタへ。
ゴルフを愛するものなら、誰もが一度は訪れたい土地。
それがジョージア州のオーガスタである。
オーガスタ・ナショナルで行われるマスターズのチケットは、
入手困難さでは、あのスーパーボウルを凌駕するともいわれる。
しかし、問題がひとつある。
「ネコに小判」「ブタに真珠」とはよくいったもので、
ありがたみがさほどわからない人間が来てしまうと、なかなか微妙な感が否めない。
ギュウギュウ詰めの飛行機でオーガスタ空港に到着。
雰囲気たっぷりの空港に感動しつつも、
これから待つ1週間のことを考えると、やや憂鬱にもなる。
何せ人が多い。多すぎる。息する以外はすべて行列、みたいな勢い…
すこしでもその有り難みを汲み取ることができるよう、努力したいな、と。
Regal Cinemas Rancho Stadium 16で「紀元前1万年」
“誰も見たことのない世界は、「過去」にあった。”
日本ではGW公開の、マンモスが登場する紀元前アクション。
監督は「ID4」、「デイ・アフター・トゥモロー」の、
ローランド・エメリッヒ。製作・脚本も兼任している。
主演には新鋭スティーヴン・ストレイトを大抜擢、
共演は「ストレンジャー・コール」のカミーラ・ベル。
時代はマンモスが闊歩する紀元前10000年前の世界。
幼い頃に家族を捨てた父のおかげで部族で孤立する、
若きハンター、デレエはマンモス狩りでの功績を認められ、
伝統の「ホワイト・スピアー」と、憧れの幼馴染みエヴォレットを射止める。
だがある日、村は謎の部族の襲撃を受け、エヴォレットはさらわれてしまう。
エヴォレットを取り戻すため、遙かな旅に出たデレエが見たものは…
まあ、エメリッヒと聞いただけで顔をしかめる映画ファンも少なくないだろう。
時代考証だの、ストーリー上の整合性だの、そんなものには興味なし。
ドカンとやって、ボボーンと弾けさせて、ウワーッとラストになだれ込む。
まさしく、悪い方の映画職人といってもいいエメリッヒだが、
この作品でもばっちりとそのテイストを味わうことができる。
とにかく勢いだけで押し進む109分の、
最大にしてほぼ唯一といっていい見どころはマンモスだ。
サーベルタイガーやモアらしき怪鳥のCGの雑さとは、別の映画を観ているかと思うほど、精巧に描かれる。
序盤のマンモス狩りは、狩りそのもののリアルさはともかく、
迫力という点だけにおいては、一見の価値はある映像に仕上がっている。
子どもの頃に、家族を捨てた父がらみのエピソードは、
まあまあうまくストーリーの横軸として機能はするのだが、
何せ脚本そのものが雑としか思えない進行ぶりで、退屈な時間はやや多め。
各紙誌やネット批評で、散々の評価を受けている理由はよくわかる。
いっそのこと、半端な時代考証とかは完全に無視して、
あの「恐竜100万年」
みたいな無邪気さで、
マンモスだ! モアだ、サーベルタイガーだ! とやれば、もっと楽しめたはずだと思う。
何はともあれ、エメリッヒの雑さが悪い方向に発揮された作品。
マンモス目当て以外では、正直あまりお勧めはできないかもしれない。
Regal Cinemas Rancho Stadium 16で「The Bank Job」
“The true story of a heist gone wrong...
in all the right ways. ”
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」、
「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム最新作は、
実話をもとにした、クライム・サスペンス。
ロンドン、ベーカー・ストリートを舞台に、
銀行の金庫破りが巻き起こした騒動の顛末を描く。
ロイヤル・ファミリーのスキャンダルも取り沙汰され、
逮捕者が一人も出なかったという奇妙な事件が題材。
ロンドンでカー・ディーラーを営むテリー=ステイサムは、
ある日旧知の美人モデル、マルティンから、
ベーカー・ストリートの銀行の貸金庫破りの話を持ちかけられる。
事業の金策にも困っていたテリーは、
生涯一度のチャンスと飛びつき、まんまと金庫破りを成功させた。
しかし、その貸金庫に詰まっていたのはトラブルの種だらけ。
ギャングにMI5、ロイヤル・ファミリーまで巻き込む大騒動に…
率直にいうと、英国訛りがうまく聞き取れず、
おそらくウィットを効かせたジョークとか、
英国流のきついシャレが満載だったはずなのだが、やや理解できず。
もともとが、「トランスポーター」や「アドレナリン」みたいなおバカなノリのアクションを期待して観に行ったので、
かなり違和感を覚えながらの観賞とはなった。
しかし、やや暗めの画面の中で、
それぞれの登場人物が暗躍するサスペンスフルな展開はなかなか。
アクション的に派手さはなくても、静かな緊張感が満ちあふれる。
サフロン・バロウズ(「再会の街で」)の、あやしい感じの美女ぶりもいいスパイス。
次々と登場するひと癖も二癖もある連中との、コントラストも見事だ。
やや安直にも思えるラストも、実話がもとと思えばあきらめもつく。
ストーリー進行のテンポも含め、全体的なバランスのいい佳作といえそうだ。
ふたたび砂漠へ
半年ぶりの砂漠へ向かう。
LAX経由でパームスプリングスへ。
予想通り、国内線の乗り換えに時間がかかり、車で行けばよかったと後悔。
もともとは渋滞がイヤでこのプランにしたことをすっかり忘れている…
諸処の用事をすませ、閉店間際のCABAZON OUTLETへ。
相も変わらず、ファイナルセールがそこかしこでやっている。
ファイナルじゃないことがあるのか、一度確かめてみたいが、
まあ安いのに越したことはないので、よしとしておく。
砂漠滞在は一週間。
長くなるのか、短く感じるのか―
ほとんど風任せみたいなものなので、やや恐ろしいが…
TOHOシネマズ六本木ヒルズで「燃えよ!ピンポン」
“「ナイト・ミュージアム」のスタッフが贈る
時速120kmのデスマッチ”
「ナイト・ミュージアム」の脚本などを手がけたロバート・ベン・ガラント監督による、
卓球アクション・おバカコメディの快作。
主演は「Horton Hears a Who! 」などのダン・フォグラー、
共演に近年では「ヘアスプレー」などでの怪演も目立つ、
「ディア・ハンター」のオスカー俳優クリストファー・ウォーケン、
「ターミネーター2」のロバート・パトリック、
「M:i:?」のマギーQら。
かつて、12歳で五輪出場を果たした若き天才ランディも、
無残な敗戦ですっかり勢いを失い、いまや単なる肥満中年。
だが、そんなランディのもとをある日、FBIのエージェントが訪れる。
FBIがランディに依頼したのは、悪の組織を率いるフェンが開催する
アンダーグラウンドの卓球デスマッチ世界大会に潜入し、
フェンが闇で操る組織犯罪の証拠をつかむことだった―
何といっても見どころはトニー賞などにも輝いた才人ダン・フォグラーだろう。
ジャック・ブラックとも見紛うようなおデブっぷりから繰り出すアクションは、
独特のキレと圧迫感で、それだけで笑いを誘う。
予告で散々ネタばらしされ、見どころがなくなってしまった「ナイト・ミュージアム」と違い、
いい感じにB級感あふれる日本公開とあって、笑いの場面には事欠かない。
ウォーケンのコメディ演技も近年ではお馴染みだが、
やはりこのヒトの仏頂面とおバカ映画の相性は抜群だ。
何だかいるだけで笑ってしまうのは、名優に対して失礼かもしれないが…
お色気担当のマギーQも、本人はどう思っているか微妙だが、
コメディエンヌとして、悪くないクオリティを醸し出している感じだ。
ストーリーは単純明快。
スポ根ものの王道を行く展開に、手ごろな笑いをまぶした絶妙なバランス。
決して退屈することなく、90分間が流れていく。
意外性という意味では、何ら新しいものは感じられないが、
観て損はないはずの1本。
少なくとも、DVDでチェックするだけの価値はあるはずだ。