奥武島「奥武島海産物食堂」


南部・奥武島にちょっと足を伸ばしてみる。
ちなみに名護や久米島、慶良間にもあるそうで、
かつては死者を弔い、崇められた島だったりするらしい。
「手ごろに離島気分」がウリだそうだが、
まあそこまでグイグイと迫ってくるような感じはなし。
橋を渡り、島に到着すると、すぐ左に港が見えてくる。
港の公園のほど近くにお目当ての「奥武島海産物食堂」が登場。


あまりに素っ気ない名前が示す通り、地元感の強い食堂だ。
メニューもかなり素っ気ない。
ガイドとかには「プリプリのお魚が…」とあるが、
いかにも沖縄らしいメニューは「アバサー汁」と「ミーバイ汁」ぐらい。
以前、名護の居酒屋にあった「イルカ炒め」だの「ぐるくん」だの、
本土でなかなかお目にかかれないメニューがズラーッ、ではない。
いわゆる黒板メニューみたいなのもないので、選択肢は自然絞られる。
じゃあ、食べたことのないアバサー汁を注文。
いわゆるハリセンボンのお汁仕立てである。
しかし「きょうはないんです」ときっぱり宣言される。


仕方がない。食べたことあるけどミーバイに変更。
「ミーバイ汁定食」をいただくことにする。

ミーバイのお汁仕立てに、刺身ともずく。
刺身はきはだまぐろの赤身に、マダイとイカ
確かに美味しいけど、沖縄ならでは、じゃないのが残念。


ミーバイはいわゆるハタである。
クエだとか、博多でいうアラも同じ仲間。
見た目はなかなかきわどいが、上品な脂が乗った最高に美味しい魚。

レタスがたっぷりと入ったスープの中から、ぶつ切りとなった魚を取り出す。
これは旨い。骨までしゃぶり、ねぶりつつ堪能する。
博多のアラ鍋なんかと比べると、御馳走感には乏しいが、
その分、カジュアルな美味しさが楽しめる、なかなかうれしい一品だ。


食後は周囲1・6㌔という島を軽くドライブ。

曇ってはいるものの、ビーチからの眺めも気持ちいい。
ニライカナイは当然見えたりしないが、
何となくいい気分にさせてくれる、いかにもな南の海である。
那覇市内から約30〜40分。
ひめゆりの塔や、玉泉洞に行くついでに寄ってみるぐらいの価値はあるはずだ。