伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

mike-cat2007-12-07



“伊坂的娯楽小説突抜頂点”
JFK暗殺をモチーフにした、伊坂幸太郎のサスペンス。
“首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、
 巨大な陰謀から逃げ切ることができるのか?”
タイトルはビートルズアビーロード」の同名曲から。


伊坂作品ではお馴染み、仙台を舞台にした首相暗殺事件。
平凡な男が突然、犯人に仕立て上げられた。
まるでケネディ暗殺を思わせる巨大な陰謀に巻き込まれた男は、
どうやってがんじがらめの状況を打破するのか―


映画的な迫真に満ちたサスペンスは、
まさかの“助っ人”も登場し、一種独特の雰囲気の中で一気に展開する。
もちろん、伊坂幸太郎作品ならではの、
タランティーノ映画洒脱な会話に、伊坂的な寄り道や主張も盛りだくさん。
切ないまでにキュンとくる感動もあったりして、読み応えは十分。
単なる“いい話”にまとめない、いい意味での破綻も盛り込んである。
オビにある“突き抜け”という表現も、なるほどうなずける快作だ。