テアトル梅田で「ダーウィン・アワード」

mike-cat2007-12-04



〝うっかり死んじゃいました〟
バカバカしい死に方でこの世を去った人たちに贈られる、The Darwin Awards(ダーウィン・アワード)を題材に、
そのバカバカしい生き方に取り憑かれた人々を描くスラップスティック・コメディ。
原作は「ダーウィン・アワード 死ぬかと思ったインターナショナル」。
主演は「恋に落ちたシェイクスピア」ジョセフ・ファインズ
共演は「17歳のカルテ」ウィノナ・ライダーに、
ジュリエット・ルイス、デヴィッド・アークエット、
ティム・ブレイク・ネルソン、クリス・ペン、D.B・スウィーニーら。


サンフランシスコ市警でプロファイラーを務めるマイケル・バロウズは、
子供の頃から悩まされていたヘマトフォビア(血液恐怖症)が原因で、
一度は捕まえかけていた連続殺人犯を取り逃がし、警察を追われることに。
ヒマを持てあましたマイケルは、以前から興味を持っていた、
もっともバカな死に方をしたヒトに与えられる「ダーウィン賞」にはまる。
再就職を目論んで訪ねた先は、保険会社。
保険条件に「ダーウィン賞的要素」を加えるべきと訴えたマイケルは、
会社側から、その研究リポートをまとめるように依頼されるが…


ありがとう、そのアホな遺伝子を絶やしてくれて…
極論すれば、人類の進化に寄与したともいえる人たちに贈られるダーウィン賞。
以前、「死ぬまでにしたい101のアラ技」で取り上げたが、こんな人たちである。
サマータイムのときに設定した時限爆弾を、
 スタンダードタイムに切り替わったあと運んだために爆死したテロリスト」とか、
ベンガル虎の首に花輪をかけた人々」とか、
「バーに持ち込んだ地雷を順番に踏みつけたカンボジア人の男たち」…


映画に登場する面々も、そんな連中ばかりである。
車に大型輸送機用のロケットを取りつけてみたり、
たった1ドルあまりをけちって、自動販売機の下敷きになってみたり、
防弾ガラスの性能を証明するために、高層ビルの窓に突撃してみたり…
たいてい、こういったネタもの映画というと、
そのアイデアだけで満足してしまい、ストーリーはおろそか、
というのが定番だが、この作品ではそういったネタをうまく使い、
そんな「ダーウィン賞オトコ」たちに魅せられていく元警官を描く。


ダーウィン賞を保険条件に結びつける発想も面白いし、
ファインズ演じるどうにもダメダメな元警官と、
ライダー演じるガラッパチな保険調査員(ウィノナ、最近こういうの多いな…)の、
何となくへなちょこなロマンスもなかなかロマンティック。
ところどころに織り込まれるジョークのセンスもけっこういいし、
けっこうシブどころを取りそろえた共演陣もうまくドラマをもり立てる。


ダーウィン賞自体のシャレのきつさも手伝って、
決して大ヒットを望むのは難しい作品かとは思うが、
間違いなく掘り出し物の1本だといえる。
単なる企画モノ、とバカにせず、まずは観てみることをお勧めしたい。