ジョン・ロイド、ジョン・ミッチンソン「常識破壊トレーニング―やわらか頭をめざす100のレッスン」

mike-cat2007-08-27


  • ラソンの42・195キロは、史実にもとづいているわけではない。
  • サンタクロースは北国出身ではない。
  • 世界最大の人工建築物は、万里の長城ではない。
  • 666じゃなくて616が不吉な数字かもしれない。

〝あなたのまちがった知識に、華麗な飛び蹴りをくらわせます。〟
世の中の常識と思っていたあれやこれが覆される、衝撃の1冊。
〝効能=破壊の衝撃によって、脳の活性化を促します。
 世の中が案外テキトーであることを知り、少し大人になれます。〟
ハカイ度100%、50%、10%の3種類に分けられた、
トリビアの泉」ならトリビアガセビアなどとして紹介されそうな、
「ヘェ〜」な出来事を、100のレッスンとして繰り出す、ウンチク本。


BBCでも放送されているというクイズ番組「QI」。
「好奇心」「発見」「ユーモア」の大切さを啓蒙するという、
同名団体のプロデューサー、ディレクターが仕掛けた、
〝The Book of General Ignorance〟を日本版として再編集した本である。
レーニング、レッスン、とはしているが、そのテの自己啓発本ではない。
ただひたすら、その覆される常識を楽しむ1冊だ。
(そんなの知ってるよ! というネタも多少はあるが…)


「マラソンの距離である42・195キロは、ギリシャの史実にもとづく」
「666は不吉な数字である」
なんてやつは、もう故事や映画「エクソシスト」で、
事実として頭にこびりついているせいか、なかなか驚きだし、


「いくらネコでも、ビルのような高いところから落ちると怪我をする」
アメリカという国名は、アメリゴ・ヴェスプッチに由来する」
シャンパンの泡が立つのは、二酸化炭素ガスのおかげである」
「核戦争があっても、ゴキブリだけは生き残るに違いない」
「人間は1日8時間の睡眠を取るのが理想である」
なんかも、これがどうして間違っているのか、すぐには想像がつかないほど。
とりあえず、「高いところから落ちるネコ」ネタには、
「いや、このヒトには絶対無理だろ」と、うちのネコをしげしげと見つめてしまった。


「タイの首都はバンコクという」
「フランスの王妃マリー・アントワネットは、『パンがなければケーキを食べなさい』と言った」
チンパンジーは人間の祖先である」
あたりは、そういえば、そんな話を聞いたことがあるな、とニヤリとできる「ヘェ〜」な話。


やわらか頭とか、トレーニングの効果はかなり疑問ではあるが、
惹句通りに自分の常識が覆されることもなかなか多い、けっこう楽しめる1冊。
カバー絵のチープさに、手に取るのをちょっとためらうが、
早川書房刊なので、見た目ほどにはチープな内容ではないことも保証付きだ。



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