和田靜香「ワガママな病人VSつかえない医者 (文春文庫PLUS)」

mike-cat2007-05-27



北尾トロ絶賛!
 「日本一の病院マニア」は観た!〟
病院依存症ともいうべき作者による、
ダメ病院&ダメ医者たちの、驚くべき生態。
〝だまされたと思って買ってください。笑えます。〟
自費出版が話題を呼び、文庫に収録されたという評判の1さつ。
ちなみに北尾トロによる惹句はこんな感じ。
〝病院マニア指数&ダメ医者的中率&爆笑しつつ共感度、以上推定日本一!〟


自律神経失調症子宮内膜症、偏頭痛、突発性難聴に加え、
脳腫瘍を疑ったかと思えば、渋谷で尾骨を転倒骨折、救急車を呼ぶか呼ばぬか煩悶したり…
R.E.M.をこよなく愛する洋楽系の音楽ライターが、
そんな病院通いライフを綴った、ちょっと笑えてゾッとするコラムである。
子供の頃から強迫観念を抱いていたダイエットや、
病院依存症に陥った作者が海外旅行で、どう困るか、なんて話題もなかなか笑える。


老人天国の整形外科に、デリカシーに欠ける婦人科医なんかは、
〝お医者さま〟の無神経ぶりに、思わずうんうんと納得する。
思えば、内科などでも、調子が悪くて病院に足を運んだのに、
病院を老人サロンにして憩っている連中のせいで、何度ムダな待ち時間を過ごさせられたか。
治してもらいに行ったはずが、気づくともっと調子が悪くなっている始末である。
まあ、それはまだ100%医者の過失ともいえないが、
ろくに説明も聞かず、いいかげんな治療をする医者は、確かにいる。
この本の作者の場合、北尾トロが言う通り、
その遭遇率が異様に高いのが、健康面では不運、ネタ面では幸運、というところか。


文章そのものは、ちょっと書き殴りっぽいというか、
メールでグチを聴かされているような、そんなカジュアルさが微妙でもあるが、
それは読みやすさでもあったりして、あっという間に読める。
オビで絶賛されているほど、大爆笑、というわけにはいかないが、
小説に没頭できるほど頭がはっきりしておらず、
なおかつ中途半端に暇な時は格好の1冊かもしれない。



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