サラ・イネス「誰も寝てはならぬ(6) (ワイドKC モーニング)」
〝読むと寝るよ。〟
昨年4月に出た前巻の告知では〝今秋〟となっていたが、
なぜか延びに延びに延びに延び、実に1年ぶりの最新刊。
〝まじめな9時5時ぐらしの皆様に贈る、
ちょいダメ大阪人と愉快な仲間達のお気楽都心ライフ。
さあ、趣味と恋に興じましょう!!(古ーッ)〟
まじめじゃないし、9時5時でもないけど、謹んで読ませていただく。
今回のお話は、巻頭カラー〝春の「持ち物検査」〟でスタート。
ハルキちゃんとヤーマダ君のナイトスナックに、
あの大塩さんが繰り出す恐怖の〝大塩漢方〟
オフィス「寺」の面々の子供の頃の(フツーじゃない)夢の数々、
ハルキちゃん版「初めての(じゃない)おつかい」の問題点、
ハルキちゃんのネコ、利休之助ちゃんと「寺」の面々のお付き合いに、
天才画家の血を引く、ハルキちゃんが受けた子ども時代の〝英才教育〟
あの会員制書店(カレー缶詰アリ)を営むヤバい爺さん、下矢凪さんをめぐる意外な展開、
近ごろの流行にまつわるヤーマダくんの悩みに、「寺」の社員旅行…
まあ、これだけ盛りだくさんなら、1年待った甲斐もあるといったところ。
何だかユルくてダメダメ、だけど何だかうらやましい「寺」の面々はもちろん、
利休之助をめぐるアレやコレやなんかは、
うちの3匹のネコたちを思い起こさせ、これまたナイス。
ああ、これやるんだよな…的なネタの連続で、もう笑いが止まらない。
読むと寝るよ。のコピーの意味が、退屈ではなく、リラクゼーションにあることは言うまでもない。
大爆笑! というのとはちょっと違う、深みのあるユルい笑いが何ともうれしい。
そんな第6巻はダジャレ寒気に包まれたまま、終了。
またも〝今秋〟発売となっている第7巻に、乞うご期待、ということだ。
モーニング本誌を読んでいないので、事情はよく知らないのだが、
こんどこそ秋に最新刊にありつけることを信じ、とりあえず本を閉じる。
ちなみに、名作「大阪豆ゴハン」の文庫4〜6巻も発売され、あちらは完結。
それを記念して、サイン入り「もらって嬉しいかビミョーなもの」プレゼントも実施される。
むむむ、欲しいと思いきや、応募券は2枚必要という悲しいお知らせ。
「豆ゴハン」はワイド版で全巻持っているし、2冊買うのもどうか悩みどころだ。
文庫判で全部買い直すって言うのもテだが、応募券欲しさに買うのも…
そんなわけで、うれしくもあり、微妙な余韻もあり、の第6巻となった。