大相撲観戦、春場所4日目


大相撲の升席チケットを戴いたので、いそいそと出かける。
まずは腹ごしらえしてから、というのことで、心斎橋の京懐石「美濃吉」へ。
春のお勧めコースをいただくことにする。


前菜は白魚の梅肉和えや、菜の花など5種。
ひな祭りっぽい器がなかなかにかわいい。

寒の戻りが厳しい今日この頃だが、気持ちだけでも春気分だ。


続いては本日最大のヒットとなった、豆乳鍋

美濃紙らしき紙鍋に豆乳、水菜に白魚、豆腐、湯葉などを浮かべた一品だ。
白魚と水菜のほろシャキ感も抜群なのだが、
煮立ってほこほことかたまり始めた豆乳もまた格別。
思った以上にたくさんの白魚が潜んでいて、かなりうれしい。


続いて桜鯛のお造りに、メインは牛ヒレ照り焼きか桜鮭木の芽焼きをチョイス。
たけのこご飯と赤だし、菜の花なども入った京漬物で、いい感じにご満腹♪
白玉ぜんざいにフルーツのデザートで、ナイスなランチと相成った。


で、いよいよ大阪府立体育会館に出陣。
賑やかなお茶屋さんが並ぶ中を、体育館の中へ。
午後2時すぎの館内は、ややまばら。
やや照明を落とした中で、幕下の取組が続く。
いまだ髷が結えない、昇進の早い有望力士がちらほらする一方で、
完全にここらへんの位置に〝定着〟してしまった、なんだか冴えない力士も。
聞いた話では、どうもこの幕下上位というのは、なかなかに居心地がいいのだとか。
なるほど、やはり国技の世界にも、そういう不思議なポジションというのは存在するようだ。


そうこうしてると、頭のてっぺんに変なトンガリのある人が溜まり席に登場。
はなわ〟である。「はなわ」コールが起きるが、特に芸はなし。当たり前か。
そうこしてるうちに、パッと照明が明るくなって、十両の土俵入り。
幕下上位5番に、十両取組を終えると、いよいよ幕内土俵入りとなる。

どこかやる気のない感じで、だらんだらんと入ってくる幕内力士たち。
ま、この時点であまり気合いが入っているのもなんなので、いいのかも。
しかし、土俵に並び、一連の動作を行うときの、動きのそろわないことといったらない。
合わせる気がまったくないのではないか、と思わず失笑してしまう。


場所前に八百長騒動で揺れた朝青龍横綱土俵入り。
貫録はあるけど、どこか所作に美しさがないのが、やはり寂しい。
歌舞伎と相通ずる伝統文化を担うものとして、もう少しこういう部分を磨いて欲しい。
まあ、曙や武蔵丸なんかと比べると、全然ましだとは思うけど。


ロシア出身・白露山の大銀杏ならぬ〝小銀杏〟などを眺めつつ、中入り後の前半。
やや淡々と取組が進む中、土俵上の動きとは別のところでどよめきが起こる。
〝お茶漬けロボコップ〟の高見盛である。
土俵上をまったく無視した、遠慮のない笑いの中、ズイズイと控えに進む。
にわかに前座と化した取組が終わると、高見盛登場。

懸賞はひたすらお茶漬け、お茶漬け、お茶漬け…と、
「きょうもいいことあったから♪」の永谷園が5本。なかなかに圧巻。
露鵬にグイグイと押し込まれ、土俵際崖っぷちまで追い詰められるが、ぎりぎり逆転の上手投げ。
結局、この日最大の盛り上がりはこの一番。しかし、完全悪役の露鵬はややかわいそう…


その後、キティちゃん懸賞も登場し、会場にはややどよめきが起こる。

上位陣は琴欧州が不甲斐なく2敗目。
白鵬安馬に手こずったが、何とか白星。
引退危機だった栃東が、何と初日から4連勝したり、
こちらもやや危険な兆候を見せつつある魁皇は負けてしまったり…
そしていよいよ結びの一番は、初日から2連敗の後、3日目で初白星の横綱朝青龍

3連勝と波に乗る期待の若手豊ノ島だったが、ガッチリ腕を決めて寄り倒しで完勝。
ちょっと波乱も期待したのだが、まあしかたない。
結局、座布団は舞うことなく、この日の取組はおしまいとなった。


琴欧洲  寄り倒し 旭天鵬 ○
安馬   押し出し 白鵬  ○
千代大海 押し出し 稀勢の里
琴光喜  押し出し 栃東  ○
琴奨菊  寄り切り 魁皇  ●
朝青龍  寄り倒し 豊ノ島 ●


やはりテレビとは違う迫力と、独特の雰囲気は、場所ならではの味わい。
とても音痴な呼び出し「次郎」や、趣味はビーズというベテラン北桜なども楽しめて、満足の一日となった。