淀屋橋・フレンチ「ラ・ベカス」

mike-cat2006-12-20



ひさしぶりにフレンチを食べよう、ということで淀屋橋ランチ。
関西では評判のいい「ラ・ベカス」に行ってみる。
フランスの有名店「アラン・シャペル」で修業し、
四つ橋界隈でオープン、2005年に淀屋橋に移転したとか。
まずまず閑静なオフィス街のきれいなビルの1階。
落ち着いた佇まいのエントランスに、
「おっ、これはなかなか」と喜びつつ入店する。


エントランスロビーの質感はなかなかいい感じ。
陽光が射し込む店内を、スマートな対応で席まで案内してくれる。
営業時間開始すぐ、この日2組目入店ながら、
なぜか1組目のすぐ隣に案内される、というやや微妙な案内ではあったが、
その後様子を見ても、まずまずは埋まっていたようだし、よしとする。
ここらへん、もう少し散らしながら徐々に埋めればもっといいのに、とは思うが…


食前酒は定番のシャンパンカクテルを頼む。
選択肢はキール・ロワイヤルミモザのみ。
イチゴとか旬だし、もすこしあってもいいんじゃないかとも思うが、これもまあよし。
メニューを見る。
アラカルトのメニューはすべての1皿1皿がランチのコースより高い設定。
昼はコース食べておきなさい、というメッセージかとも思うので、
それもアリかとは思うが、もすこし真ん中の選択肢があってもいいかも。
まあ、それだけランチがお値ごろ、ということだろうし。


しかし、そのコースも、多少のアレンジは加えてくれる。
苦手なものはきちんと、でもさらりと訊いてくれるし、
メインのお肉にはフレッシュのフォワグラを加えることもできる。
説明の口調がやや早口ではあるが、気取り過ぎず、砕け過ぎずのバランスはいい。


で、お料理にありつく。
まずは前菜の帆立貝柱。

イクラなどの海の幸と、ルッコラなどの野菜を散らした一品。
帆立の食感と優しい味わいが、食欲をかき立ててくれる。


魚料理はサワラのポワレ

パリパリと仕上がったサワラの歯応えがたまらない。
ツブ貝のソースも、その楽しい食感にアクセントを加えてくれる。
ちなみに貝が苦手(帆立貝柱はのぞく)な奥さまには、野菜のソース。
ジャガイモに焼きなすのペーストを載せた付け合わせも味が深い。


お肉料理は鴨の胸肉のロースト。

フランボワーズソースが甘じょっぱくて(品のない表現…)美味しい。
血のしたたるような胸肉の味わいも、ギュッと舌に染み込んでくる。
アレンジしてもらったフォワグラのソテーの脂の旨味とのマッチングも絶妙。
付け合わせのスナップえんどうや、きのこも旨味が染み込んでいる。


で、気づくともう、デザートである。
6、7種類から選ぶことができるのだが、選択肢は、
フォンダン・ショコラやクレーム・ブリュレ、フルーツのコンポートなどなど。
迷った挙げ句、僕はフルーツトマトのコンポート・バニラアイス添え、

奥さまはメロンのスープ・蜂蜜アイス添えをいただくことにしてみる。

紅茶はダージリン、アッサム、アールグレーとまずまずの品ぞろえ。


フルーツトマトは、高知から徳谷トマトをお取り寄せするなど、
なかなかうるさい方だが、ここのトマトはなかなか美味しいかもしれない。
コンポートということもあってか、いくらかトマト感の強いものを選んだのだろうけど、
しっかりとトマトを味わわせつつ、コンポートならではの濃厚な甘みも楽しめる。


メロンのスープも、思わずガツガツと食べてしまう美味しさだ。
さっぱりとした甘みと、アイスクリームの濃厚な味わいのマリアージュがまたいい。
願わくば、もう2、3コメロンの玉が浮いたりすると、
また格別だったりもするのだが、まあそれはわがままというものだろう。


これにて、以外とあっけなく終了。
まあ、ランチだし、値段を考えればこんなものだが、
プチフールとか、チーズのお誘い(もちろん、別料金で)なんかもあってもうれしかったかも。
全体的なパンチの足りなさは否めないが、雰囲気もいいし、味もいい。
ワインや食前酒も考慮に入れた上で判断すれば、お値打ちと適正価格の真ん中ぐらいか。
こんど、ディナーで真価を確かめたいお店ではありそうだ。