西原理恵子+母さんズ「ああ息子」

mike-cat2006-02-05



毎日新聞の好評連載「毎日かあさん」から飛び出た企画。
ちなみに「毎日かあさん」、ご存じない方はこちら↓
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/women/etc/riezo/
虫を、鼻くそを、カーテンを食ってた…、家中にサラダ油をばらまいて滑ってた…
どぶに、洗濯機に、穴にはまってた…
そんな息子たちの〝異次元〟体験。
「どうしてそういうことするの」という母の叫びを投稿で集めた一冊だ。
書き下ろしのマンガを交え、
毎日かあさん カニ母編」「毎日かあさん2 お入学編」同様、
呆れつつも温かい視点で、子どもたちの異次元行動を見守る(見放す?)。


「家の章」「穴の章」「恋の章」「虫の章」「下(しも)の章」など、
それぞれのテーマにしたがって、西原理恵子が選んだ88編。
自らのこども時代の蛮行愚行を思い出しつつも、大笑いする。
読んでいてつくづく感じるのは、
りえぞうセンセイのお子さんのすさまじさではあるのだが(いや、ホントすごい)、
まあ、男の子の親の苦悩というモノが、切実に伝わってくる。
やっぱり、鼻くそがらみとか、たまらんもの…


もちろん、笑ってばかりでいられないケースも多々ある。
たとえば、ある程度の年齢に達しても、
公共の場と家の中との区別のつかない行動を取る子どものケース。
これは苦笑とかどうこうより、十分なしつけを親が怠っているだけで、
「まったく男の子ってヤツは…」と投稿する前に、親が自省すべき話題だ。
これに関しては、はっきりいって全然面白くない。
あと、かなり気になったのが、
20歳、15歳、13歳の息子が、洗い立ての洗濯物を踏み付ける、というケース。
この歳になって、人に対する思いやりとか、相手に対する敬意を欠いている人間は、クズだ。
これを面白がっている親も、相当な問題だ。
微笑ましい&呆れてしまう投稿の中で、こういう勘違いが散見するのはかなり残念だ。


全般的には悪くないのだが、
まあ正直言って「毎日かあさん」ほど楽しめるか、と言われるとちょい微妙。
もちろん、りえぞうセンセイのマンガのキレは相変わらずだが、
マンガだけが目的で読むには、838円で元が取れるか分量的にかなり微妙かもしれない。
とりあえず、読んでの収穫はひとつある。
僕もこども時代のことはいろいろ言われたクチなのだが、
この投稿と比べると〝まだまし〟どころか〝全然まし〟だったのだな、と。
優越感じゃないが、そんな安堵感とみたいなものを感じたのだった…