西麻布はラ・レゼルヴにてディナー

mike-cat2005-06-03



本日のお目当てはホワイトアスパラガス尽くしの季節限定メニュー。
実は2日後に、個人的行事でまた来店する予定だが、
ホワイトアスパラと聞いて、放って置くわけにはいかない。
昼前から万全の準備を整え、いざ臨む。当然おやつ抜き。


メニューがとにかくかわいい。
素材に合わせてなのか、かなりかわいい書体を使ってる。
タイトルは
〝Transfigration ホワイトアスパラガスの小さな変貌〟
何しろ、〝尽くし〟だから、色んなところにホワイトアスパラガスが使われる。
「そりゃ、変貌もしないと、なかなか〝尽くし〟もできないよな」と、感心したりする。
で、メニューはこんな感じだ。


          シンプルなホワイトアスパラガス
         レモンのコンフィとソースヴィオレット
                 *
         ホワイトアスパラガスのカルボナーラ
              イベリコの生ハム
                 *
          リカールで蒸し焼きにしたイサキ
      ホワイトアスパラガスのスープと香り豊かなサラダ
                 *
           軽くスモークした鴨胸肉と
           コクのある赤ワインソース
       ホワイトアスパラガスのロックフォール風味
                 *
      ホワイトアスパラガスとヨーグルトのシャーベット
                 *
        ホワイトアスパラガスのテリーヌ仕立て
       モスカートのジュレ エキゾチックなパンチ
                 *
              ミニャルディーズ



食前酒は、パッションフルーツシャンパンカクテル。
トロピカルな風味と、酸味が食欲をかき立てる。
いきなり、胃が渇望を訴える感じだ。「早く! 早く!」。
前菜が目の前に出てくると、もう我慢ができない。
あっという間にナイフとフォークを持ち上げ、ぱくつく。


前菜では、シンプルな仕立てでいただく。
素材の甘みとか、旨味がストレートに伝わってくる。
レモンのコンフィチュールの微妙な苦味が、また素材を引き立てたりする。
胃はますます活性化され、空腹度は増すばかりだ。


2品目のカルボナーラは、何とホワイトアスパラをパスタに見立てたもの。
フェットチーネっぽく、薄く割かれたホワイトアスパラが、ソースを絡めて供される。
奇をてらったように聞こえるかもしれないが、全然違和感なし。
むしろ、ホワイトアスパラの淡泊さが、濃厚なソースといいコントラストをもたらす。
これ一品だけで供されるとしたら、同じ量のパスタを絡めても面白いのかもしれない。
ただ、コース全体のボリュームから考えると、
やっぱりホワイトアスパラのみがベストかも。
生ハムと、パルメジャーノ・レッジャーノの風味も抜群で、たまらない一品だ。
うっとり気分は、ますます高揚の一途をたどる。


魚料理♪
リカールというお酒で蒸し焼きにしたイサキ。
柔らかくて、ジューシィで、薫り高い一品だ。
ホワイトアスパラのスープと、これまた絶妙のマリアージュ♪(気取って書いてみた…)。
ワインとの相性も抜群で、口の中で旨味がふわーっと広がる。


そして、おにく♪
カモというだけでたまらないのに、スモークを効かせるなんて…
そして当然ながら、ソースがたまらない。
ロックフォールの濃厚さとホワイトアスパラの風味も最高だし、
それに赤ワインを凝縮した酸味が加わると、もう言葉が出ない。
ただただ、ガツガツとむさぼる。ああ、うまい。
残ったソースももちろん、パンでこそげ取る。
というか「残してなるものか」という執念のレベルだ。


で、もちろんチーズもいただく。
いただいたのだが、名前を失念した。
いや、もうけっこうワイン飲んでたもんで…、と言い訳もしておく。
ちなみに、パルメジャーノっぽいやつと、ウォッシュタイプのやつ、
かなり濃厚なブルーチーズなどなど。ドライフルーツや、はちみつとともにいただく。


満足感をたたえながら、別腹メニューに突入する。
デザート一発目は、ホワイトアスパラとヨーグルトのシャーベット。
ちゃんとアスパラの味がするのに、デザートになっている。
けっこう衝撃。ううむ、不思議というか、何というか。
野菜の甘みとヨーグルトの酸味、と書くと別に不思議はないんだが、
ここに甘みが加わると、何ともいえない新鮮さ、みたいなのが感じられる。


しかし、テリーヌはもっとすごいぞ。
ジュレで寄せたホワイトアスパラは、一見すると完全に前菜。
実際、前菜で出されても、通用するかもしれない。
けっこう甘みはほのか。アスパラの味もくっきり。
だけど、ジュレとの組み合わせの妙か、これもしっかりデザートしてる。
トロピカルフルーツを使ったパンチも、夏っぽくてとてもいい。
強い甘みと酸味が、ここまで食べた満腹感をけっこう散らしてくれる。


ミニャルディーズは、ハーブティーとともに。
きょうはハイビスカスを使った甘い香りのお茶。
ドライオレンジを浮かべ、酸味と甘みを加える。すっきり♪
パッションフルーツと、フランボワーズのゼリーもおいしい。
さくらんぼのリキュール漬けもたまらない一品。
あとはチョコレートにクッキーなどなど…
意地汚くもらう。もう、食いしん坊の性としかいいようがない。


というわけで、きょうも大満足の晩餐となる。
こういう食事を月1回はいただきたいものだが、
そこはそれ、先立つもののこともあるし、ね。
ただ、ここのお店はつくづくコストパフォーマンスがいいと思う。
お店全体の雰囲気、ソムリエの的確なワインのサジェスト、
きめの細かいサービス、そして、なによりも料理…
ひとりアタマ、1〜2万円は上の価格帯でも、これだけのレベルはそうないと思う。
次の次は、この春から始まった、
アラカルトメニューにも挑戦してみようかな、と野望を燃やすのだった。