二ノ宮知子「のだめカンタービレ(12) (KC KISS)」

mike-cat2005-05-13



午前中、黒門市場へ晩のおかずのお買い物。
といっても、魚も野菜もふつうのものを買いに行っただけなんだが。
いつも思うのは、ここでお魚だとか、変わったお野菜ばっかり買っていたら、
とてもじゃないが、エンゲル係数高くなりすぎる。
高級スーパーとかもそうだが、せっかく素晴らしい選択肢があっても、
先立つものがないと、結局はなかなかうまくいかないものだ。残念。


で、途中思いついて、千日前のジュンク堂書店へ向かう。
もちろん、お目当ては〝のだめ〟の最新刊。
二ノ宮知子のだめカンタービレ(12) (KC KISS)」だ。
駆け上がるように3階のマンガ売り場へ。
「小学生か、おまえは!」と自ら突っ込んでみる。
新刊コーナーをのぞくと、あら、いやだ。
サライネス誰も寝てはならぬ(3) (ワイドKC モーニング)」まで置いてある。

もちろん、2冊手に取ってレジへ。
ウキウキ気分(ワム! みたいだね)で2階の文庫売り場に着くと、
あら、またまたいやだ。(オカマちゃんみたいだね)
おお! ネルソン・デミル最新刊!!

ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)」「ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)」。


そういえばきょう発売だったのを忘れていた。
即、手に取る。ああ、すぐにも読み始めたい。
しかし、いま読んでる「ザ・ハウス・オブ・グッチ」にやや苦戦中。

グッチの内紛と復活を描いたこの本、面白いんだが進まない。
ああ、せっかくのデミルなのに、読み始められるのは何日後か…。


ついでに、買い忘れていた
ミネット・ウォルターズ昏(くら)い部屋 (創元推理文庫)
黒川博行迅雷 (文春文庫)
浅田次郎珍妃の井戸 (講談社文庫)
も買う。ああ、これも読みたい。
しかし、家に積んである古川日出男ベルカ、吠えないのか?」などなどはどうなる…
かくして、何でだか悩みを抱えての帰宅となった。


悩んだ時は、まず読む。読むしかない。
しかし、「のだめカンタービレ」は相変わらず面白い。面白すぎる。
ギャグはもちろん、さえ渡っているのだが、
このマンガのすごさは、やはり音楽そのもの、の表現だろう。
クラシックに造詣が深い読者はともかく、一般的なレベルでは、
ふつう、ショパンだの、バッハだの、リストだのいっても、
そこまで明確なイメージって湧いてこないんじゃないかと思う。
しかし、なのだ。この作品はすごい。
たとえ音楽でも、絵と擬音、そして言葉でしか表現のできない、
マンガというメディアでありながら、何だか伝わってくるのだ。
そう、紙から音楽が聞こえるように。


そして、曲そのものへのアプローチ。
楽譜から何を読み取り、どう表現するのか。
ピアニストや、指揮者ら表現者の視点からの音楽の演じ方、聴き方を、
非常にわかりやすく、ストーリーに織り込んでいく。
難しいレベルのことも書いてあるはずだし、
僕が本当の意味で理解しているか、と訊かれると自信はないが、
音楽を題材にした、非常にオリジナリティあふれるストーリーを楽しむ一方で、
音楽に対する新しい興味もかき立てられる。
加えて、〝のだめ〟の香ばしいまでのダメダメぶりで笑わせる。
なるほど、ベストセラーにならないわけがない、
といまさらながら納得する。ホントにいまさらではあるんだけど…


その勢いを駆って、「誰も寝てはならぬ(3) (ワイドKC モーニング)」。
こちらも相変わらず絶好調だ。
サライネス独特の、ヘンなキャラクターたちが織りなす脱力系ドラマに笑い崩れる。
赤坂のデザイン事務所にたむろすヘンな人たちの、
意外に現実にいそうな微妙な〝ヘン〟ぶりがまたたまらない。
そして今回も、主人公ハルキの飼い猫、利休之介が笑わせる。
ひたすら身勝手なネコっぽい行動の数々に、
相変わらず絶妙な具合で、吹き出しをつけてみせる。
うちのネコたちの行動とも一致するだけに、
ネコ飼いとしては一撃でダウン、という感じ。ああ、かわいい♪
前作「大阪豆ゴハン」が終わった時は、非常に淋しい思いをしたので、
ぜひにこの作品には、ロングラン連載をお願いしたいものだ。


そんなこんなで、結局は満足しまくりの昼下がりだったのだが、
問題は、〝これから〟仕事、ということ。
もう燃え尽きてるんですが、どうしましょう?
ああ、世の中うまくいかないもので…