西麻布のフレンチ、ラ・レゼルヴ。

mike-cat2005-05-09



私用のため帰京。
ちなみに写真は、サイトから引用させていただいた、あくまでメニュー例。
僕がいただいたのメニューは、まったく別のやつ。
写真はあくまで、イメージなので、あしからず。


2月の帰京以来だから、けっこう久しぶりになる。
〝食いだおれ〟といわれる大阪だが、
残念ながら僕の求めるような味は、ほとんどないもので、食べ歩きもほとんどなし。
だから、もう楽しみでならなかった。
もう、席に座る前から、舌が、頬が、胃が、「早く、早く!!」とせき立てる。


まずは食前酒。
ジュニパーベリーってご存じですか?
僕はかすかに聞いたことがあっただけ。
ちなみに〝ねずの実〟だそうだ。これのシャンパンカクテル。
桃だとベリーニ、オレンジだとミモザ、になるやつだ。
あみゃくておいちい。ああ、表現力不足…。
しかし、舌の上で、口の中で、フワーッと広がる
香りといい、味といい、何とも言えない鮮烈な印象だ。


で、前菜にラングスティーヌ(アカザエビ)のコンフィ。
キャビアを使ったソースに、薄く焼いたガレットっぽいのが添えられる。
えびのコンフィは初めて食べたんだが、すごい。
美味しすぎる。えびに特別な思い入れはないんだが、もう、たまらない。
生のものよりも、香りは引き立つし、味も濃厚。
火を通しきったものより、舌触りは繊細だし、身はジューシー。
コンフィって、まさにいいトコ取りの調理法だな、といまさら感激してみる。


続いてフォアグラのソテー。
ジャガ芋の泡立てたスープに、定番ながら欠かせないトリュフ添え。
美味しいお店でフォアグラを食べるたびに思うのだが、
どうでもいいトコで食べると、脂っぽくて閉口するだけの
いわゆる〝脂肪肝〟が何でこんなにふわふわして美味しいのか…
トリュフとの香りのマリアージュ(カッコつけて書いてみた)も、もちろん最高。
で、ジャガ芋のスープの優しい味わいが、フォアグラの旨味を引き立てる。
ホント「何でこんなに美味いのか…」と、つぶやかずにはいられない。


続いてお魚料理。
ディルのソースをきかせた、イサキのムニエール。
ムニエルと書くと、子供のころマンガで読んだ〝舌平目のムニエル〟なんだが、全然違う。
おう、ムニエールすると、こんなに旨味が凝縮されるのか、とまたも感激。
ディルのソースが微妙に濃厚で、イサキの味とマッチする。
うみゃい。たまらん。こればっかりだ。
ちなみにフランス語メニューには〝ISAKI〟とある。
フランスにはいない魚なのかしら、などともの思いにもふけってみる。


さて、おにく。
佐賀牛ロースのフュメ・グリエ。レモンとタマゴの黄身を使ったソースでいただく。
いや、ロースってあんまり興味のない肉種なのだが、
こんなに美味しいなんて、とまたも感激しまくる。
たぶん、僕が生涯食べた牛肉史上最高。
これまでは、豊後牛の網焼きが最高ランク、
昨年食べた佐賀牛のカイノミ(サーロインの真下のハラミ)が次点、という感じだったが
テイクオーバーですな。ぶっちぎり。本当にすごい。
さらにフュメ・グリエという調理法もすんごいのだ。
軽いスモークをかけた後にグリルするのだそうだが、
これによって、ヘタするとストレートすぎる味わいのロースが、複雑な深みを携える。
で、この強烈な旨味を放つ脂が、レモンを使ったソースでさらに鮮烈になる。
ここまでのコース、ワインもけっこう飲んでるので、
量的にはそれなりにヘビーなはずなのだが、全然重くない。
次々と箸が進む。
いや、ナイフとフォークなんだけど、こういうの、英語では何というのだろう。


これで満足しまくってると、デザートの前に軽い口直し。
グレープフルーツを使った、絶妙な融け具合のシャーベット・スープ。
これでまた胃が軽やかになってしまう。何度もいうけど、ホントすごい。
で、デザートには、ベリーをたっぷり使ったバニラのムース。
ベーシックな味わいだが、ムースがとにかく繊細。
口の中でとろける味わいにまた、うっとりする。
そうそう、きょうは諸事情により、僕らはチーズなし。
いつもだったら、フロマージュ・ブランとか頂くのだが、まあしかたない。


あとはミニャルディーズと、ハーブティー
トレーに並べられたミントやハーブ、ドライフルーツから、
好みのハーブティーを作ってもらえる。
ちなみに、わからない時は素直にお聞きするのが◎。
僕のように、カモミールをマトリカリヤですか? とか訊いてしまうこともなくなる。
いや、ホールのカモミールってあんまり見たことなくて…
で、結局オレンジの香りをほのかに効かせたミントティーをいただく。
さわやかさにほのかな甘さが加わり、もう至福の時。
ミニャルディーズは、ラベンダーを効かせたイチゴに、
ラズベリーパッションフルーツのゼリー、ロースト・ピスタチオのホワイトチョコ掛けなど…
許されるなら、「もう1トレー、おかわりください」といいたくなるくらい、後を引く美味しさだ。


ちなみに、きょうはちょっと早めのサプライズ誕生日ディナーだった。
サプライズを演出してくれた気遣いと、最高に美味しい料理にまたも感激。
スタッフの皆様にまずは感謝。
そして、奥さま、ごちそうさまでした。最高級の感謝。ホントにありがとう♪