川上弘美「あるようなないような (中公文庫)」と森奈津子「ゲイシャ笑奴」。

ゲイシャ笑奴

ゲイシャ笑奴

森奈津子は「からくりアンモラル (SFシリーズ Jコレクション)」なんかと同じ、
〝ゲイ&SMっぽいの好き〟なポルノに、ちょいとSFテイスト、みたいな、
この作者独特の世界が展開されている。
しかし、オンナの人の(それもバイセクシャルの)
書くポルノってのは、つくづくすごい。


オトコの(それもいいかげんな)作家の書くポルノっぽい描写とか、
見ていてしらけるほど安直なんだが、
この人の書くポルノは、ねちっこい。そのうえ、どん欲。
きゃあ、恥ずかしい、と思っちゃうほどえっちだ。
こんなの、電車で読んでいると、「隣から覗かれたら…」と不安に駆られてしまう。
って、電車の中で読むこと自体、間違ってました。すみません。


そんな感じで、引っ越しに疲れたアタマをリフレッシュし終えると、
こんどはふにゃふにゃした、川上弘美の世界に浸る。
蛇を踏む (文春文庫)蛇を踏む (文春文庫)芥川賞を受賞したころのエッセイ集。
このヒトが、「うそ話」と語るカテゴリーの、不思議な話とかが、
けっこう何げなく挿入されていて、一瞬「エッ!?」とかなるけど、
これがなかなか面白い。読んでると、ほわわん、とした雰囲気に包まれる。


ただ、続けざまに読んでいると、疲労度が高いことは確か。
小説の世界のような、どっぷり感とまたちょっと違うので、
気持ちの切り替えが難しいんだろうか。なかなか読み進めなかった。


そうこうしてるうちに、映画は2週間以上見ていないし、
大阪味まくりも、あまり進まないまま、年末を迎えてしまった。
ミステリーベスト10とか、映画ベスト10とかも、
各方面で出そろう中、マイベストもちょっと検討してみようか、というきょうこのごろ。
日記も再開したことだし、またちょっとこの一年分を振り返るべく、
あしたにでも手帳をめくろうかな、と決意。


しかし、この〝あしたから〟。
ダイエットでも、引っ越しの片付けでも、あまりにも濫用が目立つな。
このマイベスト10では、なるべく多用しないよう、気をつけようっと。