雁屋哲, 花咲アキラ著「美味しんぼ (90)」

不滅のマンネリ…



90巻にも関わらず、相変わらず買ってますことよ。
飽きもせず、っていうか飽きてるけどまさに惰性かも。
こち亀」買うのをやめられないヒトの気持ちがわかる。
同じような題材、同じような登場人物、同じようなストーリー展開、
そして、延々と繰り返されるメッセージ…
連載開始当初から変わらない挑戦的な姿勢は、評価できるんだが、
最近はどの巻呼んでも、同じことの繰り返し、って感じは否めない。


いや、それなりに面白いんで、別に何の問題はないんだが。
ただ、あの連載開始当初のフォアグラ対アンキモの対決だとか、
揚げるまでの作業だけで天麩羅のうまいまずいを判断するとか、
中華街の有名店で食べた〝不誠実な〟トンポウロウに激怒したりとか、
背中が金色に光る、幻のサバの話だとか…
おかげさまで、食べ物に対するこだわりとか、
かなりの部分で洗脳されてしまった気がする。
そう考えると、それくらいのカルチャーショックがもう得られないのは、
しかたがないけど残念でもある。


今回のお献立は
「貝柱のおじや、カキの唐揚げのせ」
「ショウガ焼き丼、赤ムツの煮物、生シラスなど、葉山の海の幸」
モリーユ(きのこ)のクリーム煮ほか、乾物料理」
「コーンブレッド、とうもろこしのお焼きなど、とうもろこし料理各種」
「普段着フレンチと、自家製きしめんの焼きうどん」
「シシトウのしょうゆ炒め、牛肉のつくだ煮など、お総菜各種」


食べ物がすべてを解決する、の精神はもちろん、今回も健在だ。
麻雀漫画と同じですな。「だったら麻雀で勝負だ」で、すべてを決める。
シンプル・イズ・ベストとはいうが、ここまで単純化されると、
マンガとはいえ、笑ってしまうんだが。
むかし、いじめとかも解決してたな、料理で。さすがに無理だろ、それ。
で、今回は、死に取りつかれたオトコとか、
女性の価値がわからなくなったオトコとかが、
山岡士郎の料理に救われる。おめでとう、よかったね。


でも、葉山の海の人工リーフ反対運動を取り上げるなど、
食いしんぼの視点からの環境保護運動支援も、依然続けている。
そういえば、長良川河口堰とか、四万十川とかもやってたな。
ビール、ウイスキーなどメーカーの欺まんなどを糾弾したりとか、
商業誌でよくぞここまで、の姿勢はやっぱり一貫してる。
ここらへん、人気連載ならでは、の部分もあるけど、本当に頭が下がる。


などなど、思い浮かんだことはたくさんあったが、
意外と今回は「あっ、これ食べたい!!」度の高いメニューは少なかったかな。
もちろん、食べたいのはたくさんあったけど、
「えっ、こんなの知らなかった!!」っぽい衝撃度引低し。残念。
でも、貝柱おじやは試してみようかな、という気もする。
カキの唐揚げがちょっとカロリー高いかな、と思いつつ。
ま、とりあえずは作ってみようってことで。