ジェフリー・ディーヴァー「魔術師 (イリュージョニスト)」
- 作者: ジェフリー・ディーヴァー,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/10/13
- メディア: 単行本
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リンカーン・ライムのシリーズ最新作。
原題は〝Vanished Man〟(消された男)。
神出鬼没のマジックで捜査を攪乱する連続殺人鬼を相手に、
リンカーン・ライムとそのパートナー、アメリア・サックスの推理がさえ渡る。
今回は才能あふれる若手マジシャンのカーラも加わり、
超一流マジシャンの犯人に立ち向かう。
マジックを構成する2つの要素、メソッド(手法)とエフェクト(効果)。
そのメソッドの一つとして、ミスディレクション(誤導)が多用されている。
ミスディレクションといえば、ジョン・トラヴォルタ、ヒュー・ジャックマンの
「ソードフィッシュ」でやたらと強調されていた技法だ。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2004/06/18
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もちろん、ディーヴァーといえば、二転三転するどんでん返しが持ち味。
そう、シリーズ第2作「コフィン・ダンサー」の味わいをさらに濃くした感じだ。
- 作者: ジェフリーディーヴァー,Jeffery Deaver,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/10
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この犯人のイリュージョニスト、ある意味ディーヴァー自身なのでは、と強く感じた。
でも、二転三転の展開もシリーズ5作目。
小説の出来は信頼できても、ストーリーの流れは信用できない「ディーヴァー節」。
信用していいのは、本の残りページだけ、などと思っていたら、
下手すると残り数ページで騙されたりするのだから、油断ならない。
でももう、いいかげんこちらも慣れてるのも確かだ。
この登場人物、本当は…、とか、こういう展開が一番怪しいんだよな…、
などということを常に考えながら、読み進めていく。
裏の裏の裏を読む、みたいなことが、ある意味マンネリ化したシリーズでもある。
ただ、この作家のすごいところは、それでも読ませるところだ。
正直、第1作の「ボーン・コレクター」や、
前述の「コフィン・ダンサー」のような鮮烈さは、もう感じられない。
- 作者: ジェフリーディーヴァー,Jeffery Deaver,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本
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騙されるとわかっているから、用心しているのに、
またミスディレクションに引っ掛かる。一流の魔術師さながらのそのテクニック。
いや、確かにそりゃあざといよ、と思うこともあるのだが、
それでも、ページをめくる手は決して止まることはない。
個人的なディーヴァーのベストは、実は「静寂の叫び」だったりするのだが、
- 作者: ジェフリーディーヴァー,Jeffery Deaver,飛田野裕子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
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読み終わったばかりだが、早く続きが読みたい。
その想いに強く駆られながら、本を閉じたのでありました、マル、ということで。