TOHOシネマズ六本木ヒルズで「ゴッドファーザー」イッキ見ナイト

mike-cat2008-05-23



TOHOシネマズ六本木ヒルズ5周年記念企画、
「ゴッドファーザー」3部作のイッキ見ナイト。
夜の9時から朝の6時まで、537分。
スクリーンでこれを一気に観る機会もそうないだろうし、
機会があってもその体力が何歳になってもあるわけじゃない。
眠気醒ましと腰痛・肩凝り・首痛防止用のクッション持参で臨む。


4年ほど前に1作目だけデジタルリマスター版で公開があったが、
その際も、30年の歳月を経てなお色褪せない名作の感動に打ちのめされた。
文句をつける部分なんて、せいぜいジェームズ・カーン演じるソニーが、
妹のダンナを痛めつける部分で、殴っていないのがわかるぐらい。
ほかの場面は映像の重厚感、迫力だけを取ってみても、
映像技術がこれだけ発展した現在でも通用するクオリティがそこにはある。


以前、パート1、2を時系列に並び替えた特別完全版から、
たてつづけにパート3というのをビデオでやったことはあるが、
パート2はデニーロ=ヴィトーと、パチーノ=マイケルを、
重ね合わせながら観るのが、やはりグッと沁みてくる。
パート3までを通じ、このサーガの大きなテーマの一つでもある、
時代の流れに翻弄されるマイケルの悲哀が、より際立つ気がする。


ウィノナ・ライダーの代役で酷評されたソフィア・コッポラも、
いまあらためて観てみると、そんなに悪い気はしない。
そりゃ、当時のウィノナ人気じゃ、比べるのがかわいそうだったが、
父から寵愛されながら、一方で悲運に翻弄される娘という意味では、
むしろ適役だったんじゃないだろうか、とも思えてくる。
まあ、かたやお洒落監督、かたや万引事件まで起こした落ち目女優、
という、いまの立場がそういう風に見せている、ともいえるのだが…


図柄として必ず登場する結婚式のシーンも、
こうやってイッキ見で観てみると、より一層感慨深く響いてくる。
特にタリア・シャイアダイアン・キートンの変貌ぶりには、
もう年齢がどうこうをはるかに越えて、
ファミリーの女たちとしての労苦の歳月が色濃く映っていて、また哀しい。


そして、マイケルの絶叫とともに終焉していく哀しみのドラマ。
田園風景の中、犬に囲まれながら崩れ落ちるマイケル―
ソニーの早逝こそあったものの、孫と戯れながら逝ったヴィトーとの対比は、
最初に観た時も泣いたが、やはり哀しすぎて涙が止まらない。
寝不足と涙で真っ赤になった目をしばたかせ、朝の六本木を後にしたのだった。