上野国立西洋美術館で「ウルビーノのヴィーナス展」

mike-cat2008-05-08



最寄り駅にでかでかと掲げられたポスターに惹かれ、
展覧会閉幕が近づいた上野・西洋美術館へと向かう。
幼い頃は動物園の行き帰りに何度も見た懐かしのロダン「考える人」を横目に、
西洋美術館の中へ。しかし、この近所はいつ訪れてもやや微妙な雰囲気…

展覧会は目玉のティツィアーノ作「ウルビーノのヴィーナス」を軸に、
女神を描いた作品の変遷を追った、なかなか興味深い企画展かと思われた。
しかし、絵を観る人と視線を合わせる、官能的なヴィーナス、というのと、
ほかの作品との違いが明快すぎて、素人的にはちょっと微妙な感も否めない。

しかし、この門外不出とも言われたウフィツィ美術館の名画だけでも、足を運ぶ価値は十分。
正直、美術品としての意義や価値もすごいと思うが、
時代を越えて訴えてくるこの官能というのもものすごい。
同時代の人が芸術作品としてこの作品を観ていたのか、
それとも現代でいうヌード・グラビア的な作品として観ていたのか。
そんなことも考えつつ、思わず魅入ってしまう。


スケベごころも多くの人を惹きつければ、間違いなく芸術である。
上品に来歴を語るのもいいが、ただただその美しさと官能に魅せられるのも悪くない。
なんて、いろいろ言い訳をしつつ、その魅力にはまり込むのだった。