機内映画で「Walk Hard: The Dewey Cox Story」
“Life made him tough.
Love made him strong.
Music made him hard. ”
「ブギーナイツ」、「シカゴ」のジョン・C・ライリー主演。
時代を越え、浮き沈みを繰り返した伝説の(もちろん架空)ミュージシャン、
デューイ・コックスの半生を描く、伝記風コメディ。
共演は「俺たちフィギュアスケーター」のジェナ・フィッシャー。
監督・脚本は「ゼロ・エフェクト」のジェイク・カスダン、
共同脚本に「40歳の童貞男」のジャド・アパトー。
幼い頃の哀しい記憶と、父との確執を乗り越え、
全米屈指のスターにのし上がったデューイ・コックス。
411人の女性と浮名を流し、3度の結婚で22人の子どもを設けた、
稀代のプレーボーイとしても知られたコックスの半生を描く。
近年、「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」や「Ray/レイ」など、
秀作の多いミュージシャン伝記物だが、
それらに共通する不幸な生い立ちや、破壊的な人格などなど、
ミュージシャンならでは、の要素をたっぷりとパロディで盛り込んだ快作だ。
ベタなギャグもたっぷりと織り込まれてはいるが、
いきなりまさかの展開で紹介される忌まわしい記憶に、
執拗にコックスの非をあげつらう父との関係は、
深いドラマのようでいて、どこか滑稽で笑わせる。
そのテイストに、ライリーの暑苦しい顔も見事に生かされていて、
とにかく飽きさせない構成になっているのが、なかなか侮れない。
バカバカしいと思いつつも、ついつい引きずり込まれてしまうのだ。
ジェイソン・シュワルツマン、ジャック・ブラックも、
ビートルズ役で出ていたりするのも、お楽しみのひとつ。
ほかにも、僕にはわからないレベルの細かいお笑いは、
そこかしこに散りばめてあるはずで、とにかく気の抜けないおバカ映画。
日本公開は著しく難しい気もするが、どうなんだろう…