AMC Desert Ridge 18で「ラスベガスをぶっつぶせ」

mike-cat2008-04-21



“Inspired by the true story
of five students who changed the game forever. ”
MITの学生がラスヴェガスのカジノを舞台に、
とんでもないシノギをやってのけた実話をもとにした、
ベン・メズリックの原作「ラス・ヴェガスをブッつぶせ!」を映画化。
原題は「21」。こっちの方がよくないか?


主演は、ビートルズヴェトナム戦争を題材にしたミュージカル、
「アクロス・ザ・ユニヴァース」(2008年8月公開)にも出演のジム・スタージェス
共演は「ブルークラッシュ」ケイト・ボスワース
「アメリカン・ビューティー」「スーパーマン リターンズ」ケヴィン・スペイシー
マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーン
監督は「キューティ・ブロンド」ロバート・ルケティック


MITからハーヴァード・メディカル・スクールへの進学を狙うベンは、
頼みの綱でもある奨学金の申請を「人生経験の不足」を理由に断られる。
30万ドルの学費を稼ぎ出さなければならないベンに、ある誘いが…
教授のミッキーが切り出した、カジノでのブラック・ジャックでのシノギ
それは、カジノではご法度とされている、カウンティングだった―


カウンティングというのは、映画の中でも触れられるが、
あの名作「レインマン」ダスティン・ホフマンがやっていたアレである。
ある種の特殊能力にも近い才能が必要のようだが、
カードを記憶し、カウントしてしまうことで、
次に出てくるカードが(ある程度?)わかってしまうというやつである。
つまり、偶然性に頼ったギャンブルではなく、
単なる数合わせで確実に勝てる、というカジノのご法度である。


カード(トランプ)を題材にした映画といえば、
近年でも「ラウンダーズ」や、「ラッキー・ユー」などなど、
傑作、佳作が多いのは、やはりカードそのものが映画向きの題材なのだろう。
ゲームの仕組みさえうまく説明できれば、
独特の緊張感とスリル、そしてコン・ゲーム的な要素まで、盛り込める。
この作品でのブラック・ジャックに関しては、もともとが不正なだけに、
勝負のアヤみたいな部分がないのが残念といえば残念だが、
学費稼ぎから始まったゲームを越えたシノギが、
いつしかとんでもない結末を巻き起こしていく様がなるほど面白い。


出演陣を見渡すと、ベンを演じるスタージェスが、かなりいい。
いい感じのギークっぽさとクールさが入り交じり、説得力を感じさせる。
悪だくみを持ち掛けるMITの教授ミッキーを演じるスペイシーや、
カジノの不正監視員を演じるフィッシュバーンの迫力もなかなか。
そして、何よりケイト・ボスワースだろう。
単に好みなだけかもしれないが、抜群にキュート。
全体的なキャストのバランスは、上々といって差し支えないだろう。


ストーリー全体の流れを見てみると、
2時間を越える尺は少々長い気がしなくはない。
もう少し端折ってもいいエピソードはあるような気もするが、
だからといって、退屈するような展開にはほとんどならない。
もったいないのは、終盤に話がやや見えてきてしまう部分か。
とはいえ、それで爽快感が欠けてしまうわけでもない。
ちょっと気楽にスリルを味わえば、十分楽しめる佳作だと思う。
ちなみに日本では5月末公開。