Regal Augusta Exchange 20で「The Ruins」
“Terror has evolved.”
先日、原作が邦訳されたばかりの、
スコット・スミス「ルインズ 廃虚の奥へ」
がこちらではすでに映画化。
主演は「告発のとき」のジョナサン・タッカーに、
「ドニー・ダーコ」のジェナ・マローンら。
原作の悪趣味テイストを徹底的にビジュアル化した、痛さ爆発のホラーだ。
監督は新鋭のカーター・スミス。脚色はスコット・スミス自らが手がけた。
メキシコでのバカンスを楽しんでいたアメリカの4人組、
ジェフやエイミーらは、現地で知り合ったドイツ人マシアスの誘いに乗り、
ジャングルの中に眠るマヤ文明の遺跡を訪れることにした。
現地で消息を絶ったマシアスの弟たちの跡をたぐったジェフたちだが、
そこは、恐ろしい運命が待ち受ける禁断の地だった―
原作であったような、主人公たちの愚かさゆえの神経衰弱や、
心理的恐怖みたいな部分は、一切削られている、ある種シンプルな作品だ。
怖い植物、以上。
枝葉を削るだけでなく、そのエッセンスまで失う映画化は数多いが、
まあ、典型的といえば典型的な、ただ作っただけ映画といえそう。
序盤のお目当てでもある、ジェナ・マローンら女性陣のお色気ショットから、
お気楽な若者がわざわざ危険に近づいていく「志村! 後ろ後ろ的」展開、
そして、中盤以降は、ただただ残酷で痛そうな場面が続く。
終盤は目を背けたくなるような場面ばかりなのに、
一方でCGで作りあげた“植物”は、さほど恐怖感はない。
わかっていたら、何を好きこのんで、といわれてもしかたのない作品だ