Regal Augusta Exchange 20で「Street Kings」

mike-cat2008-04-12



“Their City. Their Rules. No Prisoners.”
マトリックス」、「スピード」キアヌ・リーブス最新作は、
「ブラック・ダリア」「L.A.コンフィデンシャル」のジェームズ・エルロイ原作、
LAを舞台に、孤独な刑事の戦いを描く、アクション・サスペンスだ。
共演は「ラスト・キング・オブ・スコットランド」のオスカー俳優フォレスト・ウィテカー
「ファンタスティック・フォー」のヒューマン・トーチことクリス・エヴァンス
監督は「トレーニング・デイ」「ワイルド・スピード」
の脚本を手がけたデービッド・エアー。


LAPDのベテラン刑事トム=リーブスは、
妻の死をきっかけに半ば自暴自棄で強引な捜査を続けていた。
違法捜査も辞さないトムを温かい目で見守る刑事部長ジャック=ウィテカーの下、
同僚の刑事とも諍いを巻き起こし続けるトムはある日、
対立を続けていた刑事を尾行中、強盗に出くわしてしまう。
強盗に射殺された刑事には、汚職の疑惑が…
しかし、それを不審に感じたトムは、監察官の警告も振り切り、捜査に乗り出す―


キアヌ・リーブスといえば、代表作の「マトリックス」、「スピード」に加え、
パトリック・スウェイズと共演した「ハートブルー」が、個人的なベスト3なのだが、
この映画はそのベスト3に続く、けっこう好みの作品になりそうだ。
まあ、外れ者の刑事、というある種ワンパターンな役柄ではあるが、
やはりこういう役をやらせると、キアヌの持ち味は生きてくる。


特に、エルロイの強烈な脚本とのマリアージュはなかなかだ。
どぎついまでのLAの暗部にはまり込んでいく様は見ものといっていい。
共演陣を見渡しても、トムの上司を演じるウィテカーだけでなく、
監察官を演じるヒュー・ローリーのイヤらしい表情がやたら曲者。
「F4」ではカルい演技を強いられているエバンスも、
この映画ではその暗いトーンに合わせ、悪くない演技を見せる。


ちょっとしたヒネりを効かせた展開だけでなく、
単純明快な図式ではなく、どこか割り切れない結末も味わい深い。
観ているだけでノワールの世界にはまり込んでいく、
まさしく、エルロイの本領発揮、といっていいような作品でもある。
日本公開は未定のようだが、個人的にはかなりのお勧めである。