渋谷Q−AXシネマで「フローズン・タイム」

mike-cat2008-02-05



“時間が止まった世界。
 ボクの恋は加速する。”
ファッション誌「VOGUE」などで活躍するフォトグラファー、
ショーン・エリスがアカデミー短編実写賞を受賞した作品を、
長編として再構成した、お洒落なロマンチック・コメディ。
主演は「ハリー・ポッターと秘密の部屋」の、ショーン・ビガースタッフ。
共演に「戦場のピアニスト」エミリア・フォックス。


恋人スージーに手ひどくふられた画家志望のベンは、
そのショックから不眠症に陥るハメになってしまった。
その余った時間を有効利用するため、
スーパーの深夜シフトでバイトを始めたが、周囲はヘンな連中ばかり。
その澱んだ時間の流れの中で、いつしかベンの周囲では時間が止まるように…


この映画の最大のミソは、やはりポスターだろう。
オトコのスケベごころをやたらと刺激する、このビジュアル。
さすがファッション・フォトグラファーといったところだろうか。
ちなみにこのポスター、別バージョンではもう少し露出が増える。

とはいえ、実はこの女性はあまりストーリー上は重要ではなかったりもするのだが、
こうした独特のアート感とエロティックさを兼ね備えた場面は盛りだくさん。
まあ、スケベごころで観に行って、とりあえず損した気分にはならない。


ちなみに、「透明人間になったら、オトコは何をするか」を映画にしたのが、
ポール・ヴァーホーヴェン「インビジブル」だとしたら、
「時間が止まったらオトコは何をするか」を映画にしたのがこの作品。
あくまで妄想世界のレベルとはいえ、なかなか際どい部分もある。


映画そのものは、最初にも書いた通り、アート映画というより、
やたらビジュアルにこだわったロマンチック・コメディである。
青春ものにありがちな、おバカな連中がどんどん登場し、
他愛もないストーリー(だが、退屈ではない)が進行する。
ただ、場面場面の構図や、カメラワークはやはり秀逸。
ロマンチックなラストは、それだけでも観るに値するといっていい。
スケベごころだけでなく、それ以外の部分でも満足させてくれる佳作である。