楽天地シネマズ錦糸町で「28週後…」

mike-cat2008-01-31



圧倒的なスピード感と臨場感、そして、
英国ならではのペシミスティックなリアリズムで、
強烈な印象を残したホラー、「28日後…」の続編。
前作でメガホンを取ったダニー・ボイルと、
脚本を手掛けたアレックス・ガーランドが製作を総指揮、
「10億分の1の男」のフアン・カルロス・フレスナディージョが監督を務める。
主演は「フル・モンティ」「トレインスポッティング」
ロバート・カーライル


たった1滴の体液で感染、20秒で発症する恐怖のレイジ・ウィルスにより、
28日間でほぼ壊滅状態に陥った英国本土の、28週後を描く。
感染により凶暴化し、人間を襲う(そして貪る…)感染者たちは、
英国本土を壊滅状態にした後、5週間で食糧不足のため、全滅。
生き残った人々は、米国軍が管理する特別区で復興を目指していた。
感染者に襲われた際、妻を置き去りにして逃げ去ったドンは、
スペインへ旅行中だった子どもたちと再会、新たな生活を始めた。
しかし、そこにも新たな感染の脅威が、忍び寄っていたのだった…


前作に続いて、強烈な絶望感に満ちた作品である。
妻置き去りの罪悪感に包まれる冒頭から、新たな感染の経緯、
そして思わず笑ってしまうほどの後味の悪さが印象深いラストまで…
いや、本当にイギリス人って、と感心させられること請け合いだ。
特に、カーライル演じるドンにまつわる救いのなさは、傑出している。
近年ではピカイチの快演(怪演)ではないだろうか。


ステディ・カムを多用した臨場感とスピード感も前作同様だ。
カチャカチャした感覚が気になる人も多いとは思うが、
ギャスパー・ノエ「アレックス」なんかと比べれば、100倍マシである。
ゾンビよろしく襲いかかる感染者が、間近にいるようで、やたら怖い。


感染者との戦いっぷりも、もう天晴れのレベルだ。
ほとんどゾンビとはいえ、ここまで残虐な手口で退治されると、
もうどっちが本当に凶暴なのか、よくわからなくなってくる。
米国軍による感染対策も、人権なんか完全無視だったりして、
もうただただ、(あくまで物語として)笑ってしまうしかない。
ただ、実際にこういうウイルスが蔓延したら、と考えると、
むしろ徹底的にリアルな気もして、空恐ろしい面もあるのだが…
何はともあれ、いわゆるゾンビものの亜種としては佳作といっていい作品。
お好きなヒトなら、見逃すことはできないといっていいだろう。