渋谷シネマライズで「ベティ・ペイジ」

mike-cat2008-01-08



“Who is Bettie Page?”
原題は“THE NOTORIOUS BETTIE PAGE”。
悪名高きベティ・ペイジ、といった感じらしい。
まだ保守的だった50年代のアメリカで、
その肢体を露わにしていた、伝説のピンナップ・ガール、
ベティ・ペイジの半生を描いた、伝記ストーリー。
いまもポップ・アイコンとして人気を集めるベティを演じたのは、
「ラウンダーズ」「人妻」グレッチェン・モル
監督は「アメリカン・サイコ」のメアリー・ハロン


大恐慌時代のテネシーナッシュビルで生まれ、
敬虔なクリスチャンとして育ったベティが、
アメリカ中の男の目をくぎ付けにするまでの経緯と、
ある事件をきっかけに、信仰と仕事の折り合いをつけるまでが、
まずまずテンポよく描かれている、佳作といえそう。


ボリューミーでちょっともっさりした肢体を惜しげもなく露わにする、
グレッチェン・モルの体当たりの演技もあって、見応えは十分だ。
デーヴィッド・ストラザーンやクリス・バウアー、
リリ・テイラーといった脇役にもいい俳優をそろえていて、
退屈になりがちな伝記物をきっちり娯楽作品に仕上げている。


ベティ・ペイジのお人柄そのものは、
あまり虚飾がほどこされていないのだろうか、
伝説のアイコンとしては物足りない部分もかなり強い。
まあ、それこそがリアルな姿といってもいいのかもしれない。
伝説の何とかも実際は…、というのは世の常、人の常。
誰もが目にしたことのある、あのベティ・ペイジの、
実像の一端(と思われる部分)を垣間見るようでなかなか興味深い。