TOHOシネマズ梅田で「ディスタービア」

mike-cat2007-11-11



〝リセット不能の覗き見ゲーム〟
アルフレッド・ヒッチコックのマスターピース
「裏窓」ティーン・ムービーに仕立て、
全米大ヒットを記録した、サスペンス・スリラー。
同じく「裏窓」にオマージュを捧げた、
ブライアン・デ・パルマ「ボディ・ダブル」同様、エロティックな要素もあり。
主演は「トランスフォーマー」シャイア・ラブーフ
共演に「マトリックス」シリーズのキャリー・アン・モス
「16ブロック」デヴィッド・モース
覗かれる隣家の美少女には、「呪怨 パンデミック」の新鋭、サラ・ローマー
監督は「テキング・ライブス」のD・J・カルーソー。


不幸な事故で父を亡くし、荒んだ気持ちを引きずっていたケールは、
底意地の悪い教師を殴ってしまい、自宅監禁の処分を受けてしまう。
そんな折、ケールの隣家に美少女アシュリーが越してきた。
セクシーで無防備なアシュリーの姿を追いかけるうちに、
いつしか覗きが習慣化したケールはある日、思いがけないものを目撃する。
それは、赤毛の女性ばかりを狙う、連続殺人犯の姿だった―


何でも、監督のイメージ的には、窃視よりもむしろ盗聴のようで、
コッポラの「カンバセーション…盗聴…」が、アイデアの源泉だったとか。
とはいえ、あの名作「裏窓」をティーン・ムービー化するとは、
けっこうありそうで意外にない、絶妙のアイデアである。
そして、覗きに必要不可欠なのは、もちろんセクシーな女性。
映画の成否がかかるその覗きクイーンには、新鋭サラ・ローマーを置いた。


結果は、間違いなく成功である。

顔の感じは若い頃のブリジット・フォンダに近いのだが、
次第にクセになるような、独特の魅力に満ちた表情がいい。
もちろん、ビキニ姿を始めとするサービス・ショットも然りだ。
そのえっちなことといったら、そりゃ10代興奮でしょ、という感じ。


そうそう、サスペンス的な部分もそう悪くない。
クラスメートとのドタバタに、アシュリーとのロマンスの要素も絡めつつ、
それなりにツボを抑え、巻き込まれ的スリラーが展開される。
後半の力技には、ちょっと苦笑も漏れてしまうが、
それなりにテンポはいいので、さほど白けることもない。
「裏窓」の再来? みたいに、過剰な期待は禁物だが、
軽い気持ちで観るのなら、十分お勧めできるレベルの作品。
注目株のシャイア・ラブーフは主演だけに、抑えておいて間違いない1本だ。