機内映画で「ライセンス・トゥ・ウェディング」


〝First comes love--then came revereend Frank〟
機内映画2本目も、結婚を目前に控えたカップルが、
結婚の許可をもらいに、変人牧師のもとを訪ねる、
という設定の、これまた微妙な感じのコメディ。
牧師には「ミセス・ダウト」「パッチ・アダムス」ロビン・ウィリアムズ
結婚を前にとんでもない試練に見舞われるのは、
シンガーとしても活躍する「ウォーク・トゥ・リメンバー」マンディ・ムーア
「シュレック3」
ジョン・クラシンスキーという布陣。
監督は「旅するジーンズと16歳の夏」「ヒー・セッド、シー・セッド/彼の言い分、彼女の言い分」のケン・クワピス。


運命的な出会いを遂げたサディーとベンは、
気持ちの盛り上がるままプロポーズ、そして結婚への秒読みが始まった。
結婚式を挙げるのは、サディーの一家と親交の深いフランクの教会。
さっそく、フランクのもとを訪ねたサディーとベンだが、
フランクは2人の結婚を取り仕切るため、ある試練を課した。
だが、その試練はどうにもおかしいものばかり。
フランクの嫌がらせと思ったベンは、フランクの周辺を探るが…


ロビン・ウィリアムズの名前を聞くと、
誰もが頭にが「いまさらなあ」という不安を抱くに違いない。
こってり濃いめのしつこい芸風は、近年ややねちっこさを増した。
マンネリさも手伝って、いまや正直あまり食指の動かない俳優のひとり。
今回も機内上映でなければ、観ることもなかったはずの作品だ。


で実際のところ、不吉な予感は的中してしまった。
脚本の甘さももちろんあるのだが、とにかくロビン・ウィリアムズがウザい。
役柄そのものがそういうキャラクターだから、という次元を越え、
ただ単に不快としかいいようのないレベルに達してしまっている。


ストーリーのどこにも共感が抱けないのも困ったもので、
牧師の方も、カップルの方も魅力に薄い人物ばかりとあって、
いつも醒めた目で、物語に入り込むことなく、淡々と時間は進む。
マンディ・ムーアに比較的愛嬌があるのが数少ない救いなのだが、
それとて、この作品を救うほどの魅力とは言い難い。
ただただ、作っただけ、といわれても仕方ないクオリティに、
どよんとしたまま流される、そんな失敗作に終わったのだった。