TOHOシネマズなんばで「呪怨 パンデミック」
〝ついに始まる、恐怖の爆発感染。〟
ハリウッド版呪怨の「THE JUON/呪怨」に続き、
清水崇がメガホンを取ったシリーズ第2作。
先日観たばかりの「ゴースト・ハウス」と同様、
サム・ライミのゴースト・ハウス・プロダクションの製作で、
脚本も前作同様スティーヴン・サスコが担当した。
主演は「旅するジーンズと16歳の夏」のアンバー・タンブリン。
共演に「フラッシュ・ダンス」のジェニファー・ビールス。
前作の主演、サラ・ミシェル・ゲラーもゲスト出演する。
パンデミックとは、感染爆発、もしくは汎発流行。
そう、いよいよ伽椰子の怨念が世界に伝染する―
東京のインターナショナル・スクールに通うアリソンは、
友人たちに唆され、〝出る〟と有名な幽霊屋敷へ足を踏み入れる。
友人の悪ふざけで押し入れに閉じ込められたアリソンは、
暗闇の中で、恐ろしい何かに遭遇、以来取り憑かれてしまった。
一方、事件に巻き込まれたカレンを見舞うため、
カリフォルニアから来日したオーブリーは、
姉のカレンが遭遇した、恐怖の出来事に戦慄を覚える。
そして、所変わってシカゴのアパート。
ある日を境に、平和な家庭をとんでもない恐怖が襲う―
前作は、だいぶ不満の残る作品だった。
アメリカンでもなく、日本的でもない、何というか中途半端で、
日米の恐怖の感覚の違いをうまく埋めきれなかった印象だった。
そんなわけで、あまり期待もせずに観に行ったのだが、
まあ、期待しないと意外と悪くない、という典型例だろうか。
身の毛もよだつほど怖いこともないのだが、
それなりに驚かされるような演出もちょこちょことあり、
一風変わったショッカー・ホラーと考えれば、不満もそうは起こらない。
一番の見ものは、冒頭で登場するジェニファー・ビールスだろうか。
10代で「フラッシュ・ダンス」を観て、あのイメージがいまだ抜けきれないのだが、
あのジェニファー・ビールスが、あんなことを…という衝撃はけっこう強烈。
映画で観た、イヤな殺され方ランキングでも、
まずまず上位に入りそうな場面に遭遇することができる。
ただ、伽椰子の怨念が世界に伝播― というのは、やはり無理がある。
家に訪れたものに取り憑いていた伽椰子がなぜ? という理由は、
そこそこうまく説明できているとは思うのだが、
シカゴの街で伽椰子が「あっあああああ」とやっていても、そんなに怖くない。
前作でも感じた、単なるとばっちりに等しい状況で、
なぜここまでひどい目に… という不条理感も手伝い、
夢に登場しそうなおどろおどろしさが伝わってこないのだ。
まあ、それもこれも承知の上、といってしまえばそれまでで、
結局は、前述した通り「期待しなければ、そう悪くない」に落ち着く作品。
いつもこんな映画ばかりでは困るのだが、
たまにはこういうジャンクな映画もあっていいかな、なんて思うのだった。