TOHOシネマズなんばで「トランスフォーマー」

mike-cat2007-08-04



〝未知なる侵略は
 トランスフォーム<変身>から始まる!〟
ロボット玩具のシリーズ「トランスフォーマー」を、
スティーヴン・スピルバーグマイケル・ベイが映画化。
最新のCG技術を惜しみなくつぎ込み、
米軍の全面協力を経て製作した、SFアクション大作だ。


〝彼らはすでに侵入している。
 身近なものに入れ替わって…。〟
中東・カタールの米前線基地に、識別不明のヘリが近づいていた。
機体側面には、アフガニスタンで撃墜されたはずの米軍機の機体番号…
信じられない事態が、灼熱の基地を地獄絵図への変えていった。
大統領機エアフォース・ワン、そして米各都市でも、
おそるべきトランスフォーマーたちの影が、忍び寄っていた。
一方、探検家を祖先に持つサムは、初めての車を手にしていた。
中古自動車店で手に入れた黄色いカマロは、どこか変わっていた…


もう、最高である。
これほど〝男の子魂〟を揺さぶる映画、そうはない。
「マジンガーZ」「ゲッターロボ」「勇者ライディーン」などなど、
数々のロボットアニメに夢中になった、子供時代の興奮が甦る。
(年齢がモロにばれてしまうが…)


何よりもすごいのはもちろん、
シビれるぐらい、クールなトランスフォームを遂げる、オートボットたちだろう。
質感、デザイン、そしてダイナミックな動き…
その衝撃度は、「ターミネーター2」「ジュラシック・パーク」に匹敵するといっていい。
オープニングからもう、目はくぎ付け。
思わずニヤリとしてしまうようなギミックも交え、
ロボットアニメの魅力の真髄を実写の世界で再現している。
マイケル・ベイ作品らしいカチャカチャしたカット割りは気になるが、
その、とにかくとんでもない映像世界は、そうした瑕疵を吹き飛ばしてくれる。
米軍全面協力で製作されたとのことで、
F22など米軍が誇るさまざまな戦闘機や爆撃機なんかも登場。
ミリタリー・マニアはもう、それだけでもグッとくるんじゃないかと勝手に想像してしまう。


ストーリーは、「機動戦士ガンダム」以前のロボットアニメそのまんま。
複雑なドラマはなし。
コミカルな場面を随所に差しはさみながらも、
ひたすらトランスフォーマーたちと、世界のカギを握るサムの活躍を描く。
それは、スピルバーグやベイたちによる、ロボットアニメへのオマージュにも思える。


少年の面影を残すサム役のシャイア・ラブーフ
いい感じにえっちな雰囲気を醸し出すミカエラ役のミーガン・フォックスら、
キャラクターや配役も、きっちりとその世界にはまっている印象だ。
「バートン・フィンク」「クイズ・ショウ」の怪優、ジョン・タトゥーロも、
謎のエージェントとして、いかにもアニメっぽいキャラクターを喜々として演じている。
普通ならやり過ぎ感もにじみ出てくるはずだが、
作品全体のトーンが徹底しているため、さほど違和感は感じない。
ストーリーの矛盾にこだわることなど、とんだ野暮な行為に思えてくる。


2時間25分の長尺にも関わらず、退屈しているヒマはまったくなし。
怒濤の興奮に包まれる、まさに一大エンタテインメントだ。
たかがロボットアニメ、なんてバカにして見逃したら、大きな損失。
「超合金」で夢中になって遊んだ、少年のころの気持ちを呼び戻し、
素直な気持ちで観れば、最高の時間を過ごせること請け合いだ。