DVDで「最‘愛’絶叫計画」

mike-cat2007-08-02



先日観たばかりの「鉄板英雄伝説」(原題〝EPIC MOVIE〟)の、
アーロン・セルツァーによる日本未公開作品。
こちらの原題は、ずばり〝DATE MOVIE〟。
いわゆるデート向けの恋愛映画を中心に、
パロディと下ネタ満載で送る、バカ映画の極北だ。


主演は「アメリカン・パイ」のアリソン・ハニガン。
共演には「鉄板英雄伝説」にも登場したアダム・キャンベル。
同じく「鉄板英雄伝説」のほか、「バッドサンタ」でも強烈な印象を残したトニー・コックス。
「アメリカン・パイ」のステフのママ、ジェニファー・クーリッジももちろん(?)登場する。


ギリシャ食堂を営む家庭に育ったジュリア・ジョーンズは、
アフリカ系とギリシャ系, インド系に日系、ユダヤ系の血を引く30前の女性。
醜く太った体を持てあまし、父フランクからは一生食堂で働かせるため、
これまた不潔で醜いニッキーとの結婚を迫られている。
そんな状況を打開すべく、恋愛セラピストのヒッチのもとを相談に訪れたジュリアは、
まさかのダイエットに着手、見事に美しい女性へと生まれ変わる。
勢いに任せて出演したテレビのお見合い番組で、
美青年グラントと出会い、結婚へと突き進むジュリアだったが、
そんな2人の前に、グラントのかつての超エロい婚約者アンディが現れ―


ストーリーの基本は、
ジュリア・ロバーツキャメロン・ディアスが共演した「ベスト・フレンズ・ウェディング」に、
ベン・スティラー主演の「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズと、
ギリシャ系女性の結婚を描いた「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」の3本。
ここに、ウィル・スミス主演の「最後の恋のはじめ方」と、
レニー・ゼルウィガー主演の「ブリジット・ジョーンズの日記」
ジェニファー・ロペス主演の「ウェディング・プランナー」
ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリーが共演した「Mr.&Mrs. スミス」の要素を絡め合わせる。


そして、随所に「恋人たちの予感」「メラニーは行く!」に、
「ノッティングヒルの恋人」「プリティ・ウーマン」「ザ・エージェント」
「ポリーmy love」トム・ハンクスメグ・ライアンネタなどのネタを散りばめた上で、
ほとんど意味もなく、「キル・ビル」や「ドッジボール」「スター・ウォーズ」、
キング・コング」、「ロード・オブ・ザ・リング」を詰め込み、
さらにパリス・ヒルトンやブリットニー・スピアーズ、トム・クルーズや、
マイケル・ジャクソンあたりのセレブのゴシップネタを追加、
それでも飽き足らず、TV番組のネタと、単なる下ネタをねじ込むという念のいれよう。


「バス男」や、「ウエディング・クラッシャーズ」といった、
日本ではビデオスルー(DVDスルー)の作品も数多くパロディにされていて、
これだけ挙げていてもまだまだ十数本は漏れているような気がするほど。
正直、パロディを追って作品を観ようとすると、
思い出せない作品が気になってストーリーに集中できなくなる。
(といっても、ストーリーなんてある意味、ないに等しいのだが…)


目を背けたくなるような、強烈なオープニングに始まり、
徹底的な下ネタ、パロディにすらなってないパロディに、
何のひねりもないギャグと、細かすぎるマニアネタ…
とりあえず、詰め込めるだけ詰め込んでおけ、的な品のなさに、
顔をしかめたくなるのも確かなのだが、やはり「継続は力なり」なのである。
「鉄板〜」同様、観ているうちに、何か意地を張るのもバカバカしくなり、
気づくと、とんでもなくユルいギャグに笑ってしまっている自分がいたりする。


大作映画を中心にした「鉄板〜」と比べ、
映画のチョイスがやや微妙なもので、わかりにくい部分はあるが、
「最終絶叫計画」以来綿々と続く、このテのシリーズがお嫌いじゃなければ、
観ても(そこまでは)損はない1本かもしれない。
といっても、保証はとてもじゃないができかねるので、
観る際はくれぐれも自己責任でどうぞよろしく…