西原理恵子「毎日かあさん4 出戻り編」

毎日かあさん4 出戻り編

〝別れた夫・鴨ちゃんが帰ってきた！
　 ４人家族に戻った一家の、世界をマタにかけた大騒動。〟
まさしく笑いと涙の、西原理恵子最新刊。
〝『毎日新聞』連載「毎日かあさん」と「毎日かあさん カンボジアだあ」に、
　鴨ちゃんとの輝く日々を描いた書き下ろしを加え単行本化。 〟
この春、ガンのため逝去した夫の鴨志田穣氏との、
最後の日々を、切なくも明るく、温かく描く家族の物語だ。

白いスカートを欲しがる娘との、母娘のせめぎ合いから、
８歳にして背中がマイホームパパの、息子の親友のお話、
息子たちの愚行に次第と慣らされていく「背脂奥さん」たちのたくましさ、
恐怖の５人息子たち「むぎちゃん５」の登場など、序盤からハイテンション。
戦慄の「剛の者弁当選手権」に、海辺でのサイバラ流教育の数々も笑える。

一方で、トンデモぶりを発揮してきた息子に、かすかな変化も訪れる。
母越えの９０点に、連続１０回１００点をなし遂げた、その秘訣とは…
そして、笑うに笑えない、娘の腹黒さを描いた「女の人生」。
着々とオンナになっていく、娘のちゃっかりぶりにも、思わず…である。

そして、〝ながくて悪い夢をみてるみたいだった。〟で始まる、
鴨ちゃんの帰還では、子どもたちの成長がかいま見える。
そして、鴨ちゃんとの日々を綴った「オレは帰るぜ」に、
「家庭」「さいごに」は、単なる一読者でありながら、もう涙なしには読めない。
亡き父への愛を胸に、すくすくと育つ子どもたち、
そしてそれを温かく見つめるサイバラに、熱いエールを送りたくなるのだ。

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