TOHOシネマズなんばで「シュレック3」
〝おとぎの国のバトル・ロイヤル! 次の王様は誰だ!?〟
すっかりおなじみの、緑の怪物シュレックのシリーズ第3作。
こんどは、王様の跡継ぎをめぐって、「遠い遠い国」は大騒ぎ―
マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアスにエディ・マーフィー、
アントニオ・バンデラスにルパート・エバレットと、
いつものメンバーに加え、キャメロンの元カレ、ジャスティン・ティンバーレイクも参加。
アニメならでは、のギャグ満載で贈るファンタジー・コメディ決定版だ。
「遠い遠い国」で、楽しい暮らしを送るシュレックとフィオナに試練が訪れた。
老齢のハロルド国王が病に倒れ、国務の代理を任されたシュレックは、
慣れない仕事にてんてこ舞い、堅苦しさにストレスもたまる毎日だった。
そして、ついに国王崩御。王位継承を持ち出されたシュレックは、
もう一人の王位継承者、アーサーを探しだし、王位を逃れることに。
一方、王座への夢をあきらめられないチャーミング王子は、
おとぎ話の悪役たちをそそのかし、王国乗っ取りを目論んでいた―
シリーズも3作目、新しい登場人物を加えてみても、
避けようのないマンネリ臭はやはり漂ってくるのはしかたのないところ。
しかし、そこはさすが「シュレック」である。
マンネリはマンネリでも、そのクオリティはやっぱり保証付き。
高いレベルの安定感、変わらぬ笑いとほのかな感動を提供してくれる。
細かく散りばめられたパロディやジョーク、ギャグの数々は、
前作までと比べ、いくらか毒とエッジはなくなった気もするが、
より普遍的で正統派のドタバタを、マシンガンのように撃ち込んでくる。
おとぎ話をベースにした、おなじみのギャグは毎度のことながら笑わせてくれる。
ジンジャーブレッドマンに3匹の子ぶた、ピノッキオはやっぱりキュートだし、
あのエグめの白雪姫や眠りの森の美女、シンデレラたちも相変わらず。
悪役も含め、それぞれの設定をうまいこと笑いに転化している。
今回はストーリーの根幹に、アーサー王伝説をミックス、
責任と義務を前に立ちすくむシュレックやアーサーの、成長物語を描く。
そのバランス感覚の素晴らしさは、前作以上といってもいいはずだ。
監督は、前作までアンドリュー・アダムソンから、クリス・ミラーに交代。
前作までの「鏡よ、鏡よ」の鏡さんや、同じくドリームワークス製作の、「マダガスカル」で、
腹黒いペンギンたちの一員、コワルスキの声を演じていた人である。
初監督作品となったのだが、これがうまいうまい。
前作まではパロディ色が強かったシリーズを、
一本スジの通った一大エンタテインメントに仕立て上げた感もある。
これ以上シリーズを続けるのが、果たして得策かどうかは微妙だが、
何となく観てみたい気もする、そんないい感じのクオリティではある。
高いレベルでの安定感を保って、またやってくれれば、と思いつつ、劇場を後にする。
まあ、とりあえず、DVDで過去2作、というのも悪くないかもしれない。