2007年上半期マイベスト本
ハッと気づくともう、7月になってしまったのである。
歳を重ねるごとに、月日の流れが速くなる、というのは、
世の常、人の常だし、そんな感覚をまとめた論文とかもあったはずだが、
まあ、それはそれとして、あっという間に過ぎてしまった半年を振り返る。
しかし、振り返ってみると、ことしの前半、
自分で思っているよりは、意外に本を読んでいないのである。
さらに、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズにはまってみたり、
と、旧作を読み進めたりしたこともあって、新作はやや少なめ。
そんな中で選んだ上半期マイベスト5(+α)はこんな感じだ。
- 作者: ダフネデュ・モーリア,Daphne du Maurier,茅野美ど里
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
- クリック: 32回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
これも厳密には旧作のカテゴリーではあるのだが、やはり新訳で甦った名作は面白い。
2.堀江敏幸「めぐらし屋」
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (84件) を見る
主人公の蕗子さんの飄々としたキャラクターもたまらないし、
どこかのどかなミステリーを思わせるストーリーも最高。
堀江敏幸の物語世界を満喫できる1冊。
3.桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/28
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 148回
- この商品を含むブログ (506件) を見る
たった3日なので、ことし前半に繰り込んでもいいかな、と。
読み終えるのがもったいないくらいの、豊穣な世界が展開される、
桜庭一樹版「百年の孤独」の大傑作に、ひたすら圧倒された。
4.クリストファー・プリースト「双生児」
- 作者: クリストファープリースト,Christopher Priest,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 120回
- この商品を含むブログ (108件) を見る
どこまでも心地よく、その世界に浸り込める。
これぞ読書の愉悦、といいたくなる1冊だった。
5.最相葉月「星新一 一〇〇一話をつくった人」
- 作者: 最相葉月
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 177回
- この商品を含むブログ (223件) を見る
SF界の巨人、星新一に再び出会えた喜びは、簡単には言い尽くせない。
星新一の知られざる生い立ちや、苦悩はどこまでも興味深い。
- 次点
- 作者: ヤスミナ・カドラ,藤本優子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: 単行本
- 購入: 29人 クリック: 1,873回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
・マーク・ボウデン「ホメイニ師の賓客」
ホメイニ師の賓客〈上〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克
- 作者: マークボウデン,Mark Bowden,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
ホメイニ師の賓客〈下〉―イラン米大使館占拠事件と果てなき相克
- 作者: マークボウデン,Mark Bowden,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
やや冗長な部分は否めないが、圧倒的な読み応えが魅力。
・柳澤健「1976年のアントニオ猪木
- 作者: 柳澤健
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 146回
- この商品を含むブログ (52件) を見る
いまだからこそ語ることのできる、あの時の「猪木」。
以上、2007年上半期の5冊+α。
下半期も、しびれるような本との出会いを、期待しましょう、ということで。