奈良は富雄の里・霊山寺でバラ三昧
ツツジは盛りを過ぎ、花菖蒲と紫陽花が待ち遠しいこの季節。
何か、お花はないのかね… とネット検索していると、
奈良は霊山寺(りょうせんじ)というところで、
バラ園がいま盛りを迎えている、という情報を発見する。
寺と薔薇、何だか微妙に違う気もするが、人生の輪廻をテーマにしているらしい。
そう言われてもよけいよくわからないが、バラさえきれいならいいや、と近鉄でGO!
生駒の山を越え、近鉄奈良線の富雄で下車。
駅前からバスで10分ほど揺られると、「大本山霊山寺」の大看板が見えてくる。
バラ庭園の季節は、拝観料100円アップという強気な価格設定も何のその。
入ってみると、バラ園以外もなかなかやるね♪ なお寺さんである。
まずは、これまたいまが見ごろのヤマボウシがお目見え。
ハナミズキに似ているな、と思ったら、あちらは別名アメリカヤマボウシだとか。
こちらのピンクなんかもキュンとくるような、可憐なお花。
ちなみに果実はマンゴーのように甘いんだとか。一度食してみたいものだ。
横を見ると、すこし早めの紫陽花のようなお花も。
しかし、これはカルミア(アメリカシャクナゲ)というそうで、ツツジ科に属するらしい。
なるほど、よく見ると… というのはウソで、よく区別はつかないが、
とりあえず、きれいならオッケーということで、チャラく流してしまう。
なかなか雰囲気のある森が繁っており、秋は紅葉も楽しみ、といった趣だが、
明らかに中学生ノリで作ったっぽい(失礼…)、立ち並ぶ八体仏や、
これは住職の趣味かと思うような、ゴルフ練習場! なんてのも横目に見える。
バラ園も含め、どうも、いろいろと多角経営されているお寺さんのようだ。
ザッと境内を回り、いよいよお目当てのバラ園に突入。
いきなり出迎えてくれるのは、夏の白雪姫「サマースノー」。
眼福、眼福♪とオヤジくさいセリフをグッと呑み込み、そのまま進む。
お次はいわれなければ、バラとわからない、ドイツの「ベビーマスケラード」。
思わずため息がもれるような大輪は「ミスターリンカーン」。
「天津乙女」には、甘栗じゃなく、バラもあるのね、とくだらない突っ込みを入れる。
ちなみに以前訪れた天津には甘栗なし&天津丼もなし、というオチもつく。(ついてない)
いわれなきゃバラとわからない、のシリーズでは、
まるでハイビスカスのようにあけすけな「プレイガール」とか、
紫陽花といわれても信じてしまうような「ベテープライヤー」なんかもある。
いかにも王道のバラ、といった感じだと、
英国産の「ゴールデンポーター」がやはり印象的だろうか。
フランス産の「マチルダ」も可憐なピンクに惚れてしまいそう。
ドイツ産の「オリンピックファイアー」は、鮮やかな赤に思わず魅入ってしまう。
舌を噛みそうな「ジュビレドゥプリンスドゥモナコ」も、花はとことん見事。
艶やかさでは「ピエールドゥロンサール」がピカイチだ。
以前似たような花で「ミルフィーユ」というのがあった気が…
色とりどり、という意味では、変わった柄もたくさんある。
「アプダカタブラ」と書いてあったが、例の呪文の「アブラカタブラ」のはず。
言われてみると「うんうんそんな感じぃ?」とギャルっぽく(死語?)反応してみる。
「パープルタイガー」だって、いかにもタイガーて感じぃ?(すみません、もうやめます)
名前を聞いただけで、思わず涙があふれそうになるのは、
かのアンネ・フランクに捧げた(らしい)「アンネの思い出」だ。
パッと聞くと白かな、なんて思うが、なるほど納得の可憐な色柄である。
こうやって紹介していくと、いつまでたってもきりがないのであと二つ。
いかにも日本人の好きそうな「花霞」は、どこか桜の雰囲気を漂わせる。
そして、ぐるりと回って最後は、バラといえば、の深紅。
大輪の花をわんさと咲かせた「ヨーロピアナ」に、ひたすら圧倒される。
そんなこんなでまさに満喫の200種2000株。
お寺でバラってどおなの? 的な疑問は、どこへやら…
これはわざわざ足を運ぶ価値あり、と、大満足で帰路についたのだった。