宮崎シネサロンで「イントゥ・ザ・ブルー」

mike-cat2006-02-12



どうも、ヨーロッパ旅行に出ている間に見逃していた一本。
3カ月遅れで、まさか宮崎で観ることになるとは思わなかった。
たぶん近々、タワレコの店頭とかでDVD(それも1980円…)
を見かけることになるとは思うけど、いいのだ。
劇場で、スクリーンで観ることに大きな意義がある。
たとえそれが、地方の古びれた映画館の、小さなスクリーンであろうと…
それにまあ、完全貸し切りだったんで、むしろよかったかも。


ジャレッド=ポール・ウォーカーは、カリブ海バハマでインストラクターを営むダイバー。
難破船を探索するトレジャーハンターを夢見るジャレッドだが、資金は皆無。
恋人、サム=ジェシカ・アルバと暮らしながら、どこか満たされない毎日を送っていた。
ある日、NYで弁護士を勤める親友ブライス=スコット・カーンが、
つかの間の恋人、アマンダ=アシュレイ・スコットとともに島を訪れる。
ブライスのボートで沖に出たジャレッドたちは、伝説の「ゼフィア号」らしき沈没船を発見する。
しかし、その近くには800キロのコカインを積んだ飛行機が沈んでいた−
何億ドル相当の黄金と栄光を目の前に、ジャレッドたちに危険が迫る。


美しいカリブの海で、ジェシカ・アルバと暮らしてて何が不満だ! と怒ってはいけない。
それでは映画にならない。
ついでにいえば、コカインを通報して、宝を引き上げれば、とも思うだろう。
しかし、それでも映画にならない。
じゃあ、どう映画に仕立てるかというと、こういう理屈。
それが、あちらの法律だと、見つけたもの勝ち、ではないらしい。
ゼフィア号と特定できる証拠を見つけ、申請をしなければ所有権は生じない。
だが、ジャレッドにはオカネがないので、おおがかりな探索は無理。
証拠を見つけるためには、時間をかけてじっくり探すしかない。
コカインを通報してしまったら、沈没船の情報がほかに漏れて、
資金力のある連中にお宝をかっさらわれてしまうのだ。
かくして、危険に巻き込まれながらの、大冒険が始まるわけだ。


ただ、この映画の第一義的な目的はもちろん別だ。
碧い海を泳ぐ、ジェシカ・アルバの肢体、それしかない。
ひらたくいえば、「ジェシカたん、萌え〜」というやつか。違う?
ファンタスティック・フォー」「シン・シティ」とファンを魅了し続ける美のイコンは、
ヌードにこそはならないが、
ビキニ姿にウェットスーツ(ぴちぴち♪)で、オトコの目を存分に楽しませる。
(女性向けには、「ワイルド・スピードポール・ウォーカー、ね)
若いころのキャメロン・ディアズを思わせるファニーフェイス、
アシュレイ・スコットの水着姿もなかなかどうして、で、
前半は完全に、グラビアアイドルのイメージビデオ状態になっている。
(まあ、指をくわえて観ていなければいけないフラストレーション、というのもあるが)


まあ、個人的にはこれだけでも十分料金に値したりするのだが、それだと映画にならない。
中盤からは、ジェームズ・カーンの息子とはとても思えない、
間抜け顔のスコット・カーン演じるブライスの軽率な行動で、ジャレッドたちは危機にはまりこむ。
これが前半のイメージビデオから一転、なかなかのテンポに転じる。
海中、そして船上のアクションシーンでも、
ジェシカたん(すみません)のサービスショットが織り込まれ、これもまた一興だ。
宝を選ぶか、愛を選ぶのか、というテーマがちらつくのが多少退屈だが、
まあ、片方の天秤がジェシカたんでは、数億ドルもかたなし、ということでよしとする。


中盤以降、けっこうコロコロと人が殺されるのがやや気になるが、
アドベンチャー映画としても、まずまずまとまったできに仕上がっている。
そりゃ、終始ドキドキのサスペンスというわけにはいかないが
第一義的な目的がジェシカ・アルバということを考えれば、
ここらへんはむしろ、うれしいボーナス、といったところかなかろうか。
監督のジョン・ストックウェルは、
マーク・ウォールバーグの「ロックスター」の脚本と、
サーフィンものの佳作「ブルー・クラッシュ」の監督・脚本を手がけているのだが、
この作品でも、なかなかエンタテイメント・センスが光っているようだ。


白状すると、ジェシカ・アルバの水着姿だけに期待して観に行ったのだが、
終わってみれば、けっこう満足感の高い、なかなかの作品。
DVDが出たら、思わず買ってしまうような気もしてくる。
ただ、観るトコはほとんど決まっているような気もするのだけど…
ファンタスティック・フォー」「シン・シティ」と併せて、
ジェシカ・アルバの出演場面だけ集めたDVDとか出ないかな、なんて、
妄想に頭を膨らませながら、うらぶれた劇場を後にしたのだった。