京都・伏見稲荷大社に初詣。

mike-cat2006-01-02

http://inari.jp/
さすが、稲荷神社の総本社とあって、サイトアドレスもごくシンプルだ。


お正月といえば〝おけいはん〟ということで、
京阪電車に揺られ、京都七条のすこし手前、伏見稲荷へ向かう。
そういえば、この駅は何度も通ったが、下車するのは初めて、
もちろん、伏見稲荷そのものも初めてだったりする。


西日本では三が日どうも最大の人出を誇る初詣スポットと聞き、
かなり覚悟して向かったのだが、駅周辺は意外と混んでいない。
大阪方面から京阪を使うと、駅を降りてから稲荷大社まで、
踏切2つというのがネックだが、人の流れはそこそこ動いており、ストレスはほとんどなし。
屋台もところどころ建ちならぶ商店街もにぎやかで、なかなか楽しめる。
しかし、やたらと博多めんたいこのノボリが目立っているのはなぜだね?
まあ、このテの屋台にどうこういってもしょうがないのはわかっているが、
少なくともお狐さまは、辛いの好きじゃないはずだと思うのだが…


大社までの近道の裏参道は一方通行となっているため、表参道の方向へ。
まずは本殿にお参りする。人の流れがロープで仕切られ、待ち時間少々。
でも、明治神宮なんかと比べたら、本殿までのアクセス時間はないに等しい。
関西名物?の、人混みでところ構わず押すオッさん、おばはんもおらず、気持ちよく本殿前へ。
狛犬ならぬお狐さまの銅像が両サイドに控え、雰囲気は抜群。
おさい銭の金額はともかく、たっぷりとお願いをして、お参りを終える。
動線に従って移動すると、横にはお狐さまの顔を象った独特の絵馬が並ぶ。
白い下向きの三角の絵馬に、顔を書き込むのだが、なかなか絵心を必要とするようだ。
あんまりふざけて書いてあるのを見ると、他人事ながら大丈夫なのか、心配になる。


おみくじは大吉をありがたくちょうだいする。
西の方角がいいらしい。
とりあえず、終わったら西の方角に帰るのでラッキーということでほくそ笑む。
「いや、意外と早く終わっちゃったな」なんて思っていたら、奥さまから鋭い指摘。
「まだ、千本鳥居を観てないでしょ」。
おう、大変いいところにお気づきになったね、ということで千本鳥居へ向かう。

ズラリと並ぶ鳥居は、思っていたよりも古いものが多い。
虫食いだらけのも並んでいたりして、ちょっと驚く。
いつ頃のかと思ってみると、平成一けたに建立とある。
むむむ、長持ちしないのは神社の経営上の問題とかあったりして…
(ああ、罰当たりなこと書いてしまった)
コマーシャルとかで見るほど圧巻、というわけではないが、やはり壮観だ。
たぶん、人のいない冬の朝とかに来てみると、全然イメージも変わってくるのだろう。


次第に山奥に入っていくと、またも趣のある建物が。
こちらは奥社奉拝所、というらしい。
とりあえずこちらでもお参り。先ほど言い忘れたことなど、図々しくお願いする。
こちらもお参りを終えると、人が並んでいる灯籠が横に見える。
「おもかる石」というらしい。
お願い事を念じながら石を持ち、予想してたより軽ければ叶う、重ければ叶い難い、という趣向。
前のヒトたちを見ていると、持ちあげられない女性もいたりする。
圧倒的に女性が不利な気がしないでもないが、とりあえず自分の順番に。
ちょっと腰を入れて持ってみたのだが、やっぱりけっこう重い。
ということは…、とちょっと落ち込み気味で、さらに奥に向かうことにする。


この大社、どうも鳥居は計10000本を数えるらしく、どこまでいっても鳥居が並んでいる。
で、せっかく来たからと思ってずいずい進んでいくのだが、いつまで経っても「終点」がない。
気づくときっつい階段になったりしているのだが、
「ここまで来ておいて…」と思うと、引き返すのもやたらと悔しかったりする。
そうこうしているうちに、道は完全に山の中に突入。
気づくとプチ登山をすることになってしまっていた。
昔取ったきねづか、と行きたいところだが、日ごろの不摂生が祟り、
けっこう息が荒くなったころ、ようやく山頂に到着することとなる。


山頂で三たびお参りをすませ、下山。息を切らせつつ、裏参道に向かう。
気づいてみれば、2時間コースのハイキング。
おなかも減ったので、ちょっと気になっていた「雀の焼き鳥」に挑む。
うどん屋の店先で、うずらとともに焼かれている雀は、
リアルな雀の姿が近くにないこともあって、どこか食欲をそそる。
せっかくのお稲荷さんなので、いなり寿司ときつねうどんとともに注文する。


出てきた「雀のくし焼き」は、けっこうリアルなシロモノだった。
翼、足、胴体といったたりは、いわゆる小さな鳥の丸焼きなので、
さほどショックもないのだが、小さな頭蓋骨、そして目玉を見るとなかなかきっつい。
ああ、あのチュンチュンやってるやつが…、などの感慨と一緒にガブリといく。
味はひたすら濃ゆい醤油ダレに、たっぷりの山椒がかかった感じ。
肉はほとんどないため、骨ごとパリパリとかみ砕いて食べる。
正直思ったのは、「普通に塩焼きとかに耐えうる味ではない?」。
まさに珍味というしかないお味に、複雑な想いがよぎる。
とはいえ、きつねうどん&いなり寿司はいかにもな関西風。
冷えきった身体にも、やさしくしみ渡ってくる。


最後は観光地名物、お稲荷さんキティでも、と思ったのだが、
さすがに罰当たりなのか、サンリオ帝国の侵略は、稲荷大社までは及ばない様子。
ちょっと残念な気持ちも抱きながら、ふたたび京阪伏見稲荷へ。
夕方の寒い風を切って歩きながら、2006年の初詣を終えたのだった。